ずいぶん前、ソチ五輪の頃だったと思うが、このブログで冬季五輪を誘致するなら、札幌よりも旭川がいいと書いたことがあった。哀しいかなまったく反応がなかったが、その思いは、今も続いているし、もっともっと強くなった。
未だに札幌市は冬季五輪誘致に夢中で、反対派をねじ伏せようと市民アンケートも考えているようだ。前にも書いたが、五輪よりヒグマとの共存を真剣に考えろといいたい。
なぜ冬季五輪は札幌でなくてはならないのか。いいかげんに道民のみなさんには、なんでもかんでも札幌でなければならないという札幌ファーストがいかに北海道発展の妨げになっているか気づいてほしい。
たぶん、誘致費用を捻出できる自治体が財政的に札幌くらいしかないからだろうが、そうした現実よりなにより、道民の中に大イベントは札幌でなければならないという共通認識が根付いてしまっているからだろう。だから、なぜ、札幌なの?という疑問すら湧かないのだ。
未だに札幌以外の道内の都市は、慢性化した不景気から脱皮できずにいる。その大きな要因が公共事業の減少であり、いかに道内の特に中核都市というわれる町が、公共事業に依存していたかがわかる。
不謹慎だが、災害でも起きないともう公共事業などのぞめないというのが建設業者の本音だろう。
最近は、建設業従事者の冬季間の本州への出稼ぎが増えているという。今までは除雪でなんとかしのげたが、もうそんな時代ではないということだ。
そんな不景気脱出の起爆剤として、道がバックアップして、旭川の冬季五輪誘致を真剣に考えてほしい。
札幌はもういい。今さら何が必要なのか。むしろ施設過多が問題だろう。札幌ドームなどは負の遺産になりつつあるではないか。
同じ金をかけるなら、かけるべきところにかけてこそ、北海道の未来のためだろう。
旭川なら空港もあるし、もし足りなければ千歳に降りても、移動時間はたかが知れている。競技施設だって、選手村、ジャンプ台、開会式が可能な室内スピードスケートリンク、あと一つくらいアイスアリーナとカーリング場を造ればいいいだけで、札幌と大差はない。アルペン種目は富良野があるし、クロスカントリーも美瑛がある。競技場へのアクセスも問題ないだろう。
後は、誘致費用と市民の熱意、さらには道民の理解だが、道と市がタッグを組めば、金はなんとかなるだろうし、何よりこれからは札幌じゃなくてもいいんだという発想に、旭川市民も道民も気が付くはずだ。
旭川五輪の開催は、何も公共事業が期待できる旭川だけに福をもたらすわけではない。道北、宗谷、オホーツクにまで効果が期待できる。冬の観光は当然だが、夏のリピーターも大幅に増える。何より海外からのお客さんが一気に増える。そうなれば、高速道路の宗谷、オホーツクへの延伸にも弾みがつくし、ボロボロの石北線だって整備できる。
札幌五輪と旭川五輪、どちらが北海道のためなのか、道民の皆さん、特に北海道知事にはぜひ考えてほしい。