民主党は本当に困った政党だ。断言する、再生の可能性などゼロに等しい。
総選挙の結果を受けて、海江田代表が辞任するが、辞任の理由は本人の落選というのが本音だろう。議席の大幅増が成し遂げられなかった責任を海江田氏一人に押し付けるのは、大間違いで、党運営の足を引っ張った連中の責任も当然問われてしかるべきなのだが、何故か、そうはならない。それが、民主党が国民から信頼を得られない原因だ。
政権をむざむざと手放した野田氏をはじめ、党再建を一枚岩で支えようとしなかった岡田氏、前原氏、細野氏など当然A級戦犯だ。
当然、海江田氏のと党運営にも問題はあった。弱小野党に転落した時点で、選択肢は2つしかなかった。あくまでも党単独で立て直しをめざす道、もうひとつは解党も辞さない野党再編で自公に対抗する野党をめざすこと。海江田氏は前者を選んだが、実際は再編論者と真剣に対峙することなく、事なかれ主義で大ナタを振るうこともなくだらだらと党運営を続けたことで、寄り合い所帯の悪いイメージだけを有権者に植え付けた。当然、党を出る覚悟もなく海江田氏に噛みついた幹部連中も罪の重さは同じだ。
今民主党が決断しないと、55年体制のようにむざむざと自公の独走を許すことになる。消費税値上げ、集団的自衛権の行使容認、さらには9条撤廃憲法にほかならない憲法改正へ、自民は突っ走る。
民主党は自ら解党を宣言し、自公に対抗する新政党樹立を呼び掛けるしか道はない。大体、民主党が出来た時点で道は決まっていたはずなのに、社会党と労働団体の腐れ縁を総括しなかったことで労働界の意識改革をできなかったことが、政党が政権政党として成熟しなかった原因なのだ。
労働界は連合が主体となって、柔軟に政党と関わるべきで、いつまでも産別議員を政党に送り込んで党運営に口を出すべきではないのだ。団結力を持って政治に政策要求をするだけにとどめれば、もっと政党も議員も労働界に耳を傾けるようになる。政党と労働界の柔軟な関係こそ政党の本来のあるべき姿なのだ。賃上げ、改憲反対は何も労働団体の専売特許ではない。日本人の殆どは労働者であることを労働組合は知るべきで、労働者イコール国民という広い視野で政治と関わるべきなのだ。
そうした労働者パワーをバックに自民と対抗する政党を目指せば、経団連をバックとする自民党との違いを有権者に植えつけられるはずだ。
その先方に立たなければならないのが民主党でなければならなっかたのだ。当時の野田内閣がろくな議論もなく消費増税ににじり寄った時点で、民主党は完全に死んでいた。北斗の拳じゃないが、「お前はすでに死んでいる」ことに誰も気づかなかったのか、見て見ぬふりをしていたのか、だらだらとダメ政党を維持してきた。
前原氏や細野氏にしても再編に積極的とはいうが、やろうとしているのは小沢一郎的再編でしかない。再編の大義がパワーの結集で、政策と方向性が不明瞭なのだ。どんな政治をどんな風に実現するかをまず国民に示すことが先決で、この指とまれである。ろくに政策もしめさないで員数合わせをしたって、国民はついてこない。それこそ風頼みの政党などろくなもんじゃない。小沢一郎がさんざん実践してきたことではないか。
早く自民を止めとかないと、労働者が浮かばれない不遇の時代が続くことになる。高度成長期ならいざしらず、もはや中流などないのだ。国民もはやく気づけよといいたい。
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