国会が始まりました。
今国会はいろいろと新しい事が出て来るようですが、一番大きな変化は、与野党とも本気の議論が多くなって来るという事でしょう。
それを象徴するのが石破総理の「少数与党ですから」という言葉です。これまでは与党が絶対多数を持っていましたから、いろいろ論争はしても、結局は予算案は原案通り承認されることはいわば決まっていたという国会でした。
国会での論戦で、野党からの厳しい発言があっても、与党の方は良く言われた「ごはん論法」のような、すれ違い答弁、時には明らかなはぐらかしや、虚偽の答弁もありましたが、強行採決で、何とか予算は通って1件落着という事だったようです。
少数与党になったという事は、野党の意見が違えば、場合によっては、予算案を修正しなければ予算が成立しないという事です。
勿論、予算がなるべく早く成立しないと予算執行が出来ないのですから、出来れば期限内にまとめて、国民から負託された責任を果たす必要があるわけですから、徒に論争を長引かせることはよくないでしょう。
ですから与野党ともに討議は真剣になるはずです。そうした意識の変化は、石破総理の発言の様子からも現実に見えてきているようです。
嘗てこのブログで、標記の「LeaderとReader」というのを書いたことがあります。
「Rのリーダー」は「朗読者」で「Ⅼのリーダー」は「指導者」です。
嘗ては、国会の論戦はいわば形だけでしたから、官僚の作った原稿を朗読の人が多かったですね。原稿を読まずに議員諸氏に向かって自分の言葉で発言するのは、どうせ通らないのだからと、真っ向反対の意見を舌鋒鋭く述べる少数野党の人で、そういう発言の方が往々魅力的で受けるのです。
今国会では、顔を上げて話す人が髄分多くなったように感じます。この発言は形式ではない、責任を持った自分の意見だという気持ちからでしょう。
勿論、官僚の原稿はあってもいいでしょう。しかし日本国民の考え方や生活を動かす指導者(Leader)としての国会議員の発言であれば、それは自分の魂の叫びですから、自分の言葉として、「なんだ、また読んでる」などと思われないような発言の仕方が当然でしょう。
恐らく予算審議が本格化するにしたがって、議論が白熱し、自分の言葉でのやり取りが多くなるのではないかと期待しています。
ところで、国会議員方が選挙戦の時,どんな喋り方をしているのかと思ってテレビで確かめたことがありました。その時は、原稿を読んでいる姿を見たことはありませんでした。
つまり、本当に自分の望むことを人に訴えるときは、誰でも自分の言葉で喋るのです。
つまり、国会で原稿の朗読をしている人は、何の担当であろうと、政策の中身も解っていないし、ましてやその実現を本気で考えるという気のない人だと理解しておいた方がいいのではないかと思っています。