tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デリバティブズとレバレッジ

2008年10月24日 12時32分20秒 | 経済
デリバティブズとレバレッジ
 デリバティブズというのは、もともと「derive from ××」、つまり「××に由来する」のderive が名詞になったもので、「何かに由来するもの」ということです。
 たとえば、おコメを1キロ買えば現物取引ですが、「おコメを1キロ○○円で買う」という「権利」を買えば、おコメを原資産にしたデリバティブということになります。権利を買うのですから、全額払うのではなく、証拠金を払って権利を獲得するということになるのでしょう。

 もちろん、今おコメが欲しいのに、権利だけ買う人はいません。おコメが高くなりそうだから、今のうちに安い価格で、1ヶ月とか3ヵ月後におコメを買う権利を予約をするわけです。こうしたことが行われるのは、もともと、前回述べたリスクヘッジのためですから、売買は先物になります。

 リスクヘッジの場合は、現物取引の反対の売買をしておくことで、価格変動のリスクから逃れられるといいうメリットがあるわけですが、現物取引がなくても、売買の権利の予約だけをすれば、うまくいけばおカネが儲かります。

 こうして、売買をする権利だけが、「原資産から派生」した独立の「商品」になったのが「デリバティブズ」ということなのでしょう。「現物価格が変動するもの」で、「価格が市場で確定するもの」であれば、それを原資産にしてなんでもデリバティブになり得ます (たとえば、日経平均先物から原油先物まで)。

 証拠金だけで取引出来ますから、レバレッジは何十倍、何百倍、などということになります。現物の売買なら何千万円という取引が、何十万の証拠金で出来ます。ネットで日経平均先物やFX(外国為替証拠金取引)などのページをひらいて証券会社などの広告をご覧ください。

 解説書などによれば、こうして多くの人が売買に参加すれば、高いと思えば売る人が増え、低いと思えば買う人が増えて、(現物価格は先物に鞘寄せするという形で)原資産の極端な値上がりや値下がりが避けられるなどと書いてあったりしますが、現実はだいぶ違うことは国際投機資金などの動きを見れば明らかでしょう。