tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

強いドル望むアメリカ?

2009年05月04日 15時09分18秒 | 経済
強いドル望むアメリカ?
 経済実態からいうとかなり厳しいアメリカですが、ドル暴落の可能性を幾度となく言われながら、何とか持ちこたえているのが現在のドルでしょうか。

 アメリカのビッグスリーではありませんが、日本のトップ企業が倒産に瀕するような経済状態になったら、日本円は間違いなく暴落するでしょう。そして、日本にとっては暴落してくれたほうがありがたいという意見は必ず出るでしょう。円の暴落によって、日本企業は競争力を取り戻し、経済回復のきっかけを掴むことが出来ると考えられるからです。

 アメリカの場合も、ドルが下がれば、ビッグスリーの国際競争力はそれだけ改善するわけですが、オバマ大統領を始め、アメリカの指導者には常に「強いドル」への明確な意思があるようです。円高になれば低迷する日本経済とは全く違う考え方が感じられます。

 同じ自由経済の経済原則の中で動いている日米経済ですが、何が違ってそうなるのでしょうか。
 考えてみれば、お金を使うことを中心に考えれば自国通貨は強いほうがいいということになるでしょう。覇権国の役割を果たすにはカネがかかります。ドルが安くなったら大変です。また、そのお金をマネーゲーム、つまり金で金を稼ぐという方法で稼ぐのにも自国通貨は強いほうがいいでしょう。

 逆に、付加価値を生産して、それを輸出しなければ食っていけない日本のような国は、自国通貨が強いと、コスト高で競争力が落ち、立ち行かなくなるということになります。

 アメリカは、日本の円や中国の人民元といった競争力の強い特定の国の通貨は切り上げて欲しいと考え、その一方で、競争力の弱い自国のドルも弱くならないで欲しいと考えているのでしょう。
 長い目で見れば、これはかなり難しい綱渡りのような気もします。