tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

とめどない円高をとめる方法

2011年01月12日 11時05分30秒 | 経済
とめどない円高をとめる方法
 先ず、これは本来、日本の政策当局、経済学者などが考えるべき問題です。市井の一個人が取り上げるなど僭越の限りですが、その心意気に免じてご寛恕下さい。

 今日、日本経済・社会の直面する問題の原因は極めてはっきりしていると思います。一口でいってしまえば、「何かというと実力以上の円高 にされて、それによるコスト上昇で困っている」だけの話です。円高の原因は、プラザ合意の時はアメリカなどからの圧力、今回は国際投機資本の行動(思惑)によるものです。問題は、このままではこの動きはまだ続きそうだという事です

 ですから、日本の今の困難な状況は、「いざなぎ越え」の時のように、$1=¥105~125ぐらいになれば、ほとんど雲散霧消するものです。たとえそこまで行かなくても、とめどのない円高を阻止できることが解れば(これ以上の円高はないとなれば)、大方解決するといっていいでしょう。

 1995年、$1=¥89.75という円高の時は、日米協調介入で円安への切り返しに成功しています。日米自動車交渉も妥結し、アメリカにも「強いドルが必要」という意識があったからこその協調介入だったのでしょうが、今は、アメリカの指向は「弱いドル→輸出増強」でしょうから、協調介入はありえないでしょう。
 単独介入では、瞬間的な効果はあっても、国際投機資本にすぐ足元を見透かされてしまうことは明らかです。

 矢張りこの問題は、基本的には日本経済の体質が健全である(あり過ぎる)ことに根ざす問題ですから、日本経済の健全な体質を少し変えてみるより他に抜本的な方法はないでしょう。
 因みに、「健全でなくするほうが望ましい」というのはおかしなことですが、今日の変動相場制 と横行するマネー資本主義 の並存の中では、日本のような真面目さは通らないのです。

 では、日本経済の体質をどう変えるかですが、簡単に言えば、国際投機資本を含め誰が見ても、「円を買ったら損するかもしれない」と「ビビる」ような日本に変えていくことでしょう。
 問題は、そのための条件であり、その条件実現のために何をするかの方法論です。

 先ず、日本経済が毎年大幅な経常黒字を出し、健全であり続けたら、その条件は満たされません。一方、日本の政府は世界でも稀に見る赤字累積の政府ですから、あとは、経常収支が赤字になれば、日本も「双子の赤字」に転落、世界の日本経済を見る目は変わるでしょう。

 多分このまま放っておいてもプラザ合意、リーマンショックに続いて、あと2~3回ぐらい同じような円高が起きれば、そのたびに日本経済は打ちのめされ、30~50年で日本経済は頑張る気力も失せて壊滅し、日本は見向きもされない国になり、円高問題は消えるでしょう。
 ここでの問題は、そうなる前に何とかしようという事です。