tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

現実は一歩前進・半歩後退の緩行ペースでしょうか

2015年11月11日 09時41分21秒 | 経済
現実は一歩前進・半歩後退の緩行ペースでしょうか
 現在の日本経済の動きを家計調査の「平均消費性向」を主要な参考にしつつ検討してきました。
 内外のエコノミストも現政権も、日本経済の持続的発展のためには、内需拡大、その柱は個人消費の拡大という指摘がほぼ一致した図柄ですし、その指摘は確かにその通りだと思うからです。

 しかしかつての日本経済の好調な時代(1980年代前半)と今日の平均消費性向の差5~6%ポイント(77~79%対72~73%)を埋めていくためには、現状の国民(消費者)意識をもっと明るいものに変えていくような努力が必要なようです。

 安倍政権もそれを望んではいるのでしょうが、その前に自分のやりたいことがいろいろとあって、それが邪魔になって、国民の本当の気持ちを汲むような政策はなかなか取れないようです。

 この大事な時に、種々の事情もあり臨時国会はやらないで済まそうといいうようなことですから、「新3本の矢」も「展示中」ということで当分棚晒しになるのでしょう。

 アメリカの雇用が良かったということで、アメリカの利上げが期待され、円安になり株価が上がるといったのが昨日あたりの動きで、これは結構と喜ぶ人もおられるでしょうが、反面これは格差拡大要因でもあることは間違いありません。
 アメリカの事情ではなく、日本が自力で経済を活性化し株価を上げるべきでしょう。

 そんな状態ですから、内需拡大、そのための消費支出の拡大、その前提になる安定雇用の増加、格差拡大ストップといった日本経済にはなかなかなりそうにもありません。

 国民にとっては残念なことですが、これも民主主義に基づく選挙の結果ですから、国民も自らに問いかけて観念するよりないのでしょう。
 しかし、あまり悲観することはないように私は考えています。現状($1=¥120)辺りで為替レートさえ安定していれば、日本経済は、緩行電車並みでも、着実に前に進むでしょう。
 それはいつも申し上げますように、政策が多少ダメでも国民は真面目で勤勉に働くからです。この点日本の為政者は恵まれています。

 アメリカが戦後日本を統治して大成功をおさめ、こんなに立派なことができるのだと自信を持っても、この成功体験は、ほかの国では必ずしも通用しないのです。アメリカが日本で成功したのは、相手が日本人だったからという要素が大きいのです。

 遅々とした前進でも、時間がたてば成果は出ます。政策が拙くても、日本人の努力で日本経済は確実に前進していくでしょう。
 かつて「いざなぎ越え」という景気回復がありました。誰も好況だとは思いませんでしたが、経済成長は何とかプラスで、雇用も何となく改善、日経平均は18,000円まで行きました。今回は、あれよりは大分ましでしょう。

 「いざなぎ越え」はリーマンショックで潰れてしまいましたが、いかに環境条件が悪くても、それなりに環境が安定していれば、日本人は頑張れるのです。その意味ではこのブログは楽観派です。
 ただし「政策よろしきを得れば、もっともっと前に進むことができるのに」という気持ちでこんなことを書いてきました。