政府の賃上げ要請と財界・企業
マスコミでは「今年は官製春闘3年目」などと言われています。
すでに連合はベースアップ要求基準として2パーセントを打ち出し、政府は財界に賃上げ加速を要請し、経団連は2016春闘向けの「経営労働委員会報告」でベア容認を言う方向だという報道もありました。
もちろん経団連の「報告書」が発表されてみないと本当のことはわかりませんが、会長の発言などからもその方向のようです。
マスコミは同時に、個別企業、特に中小はどう動くかといった形で現実がどうなるかは予測のほかということになっていますが、それは当然でしょう。
就職協定でもわかりますように、経団連は大企業の組織体ですから、中小企業への影響力はないようです。大企業でも、このところの国際的政治経済の動きの中で、企業業績もまちまちのようです。中小企業を組織する商工会議所などは慎重の構えでしょう。
安倍政権は 賃上げさえすれば景気が良くなると思っているようですが、すでに書いてきましたように、経済というものは、そんなに単純なものではありません。
今、消費が不振と言われる原因は、所得が増えても、消費者(家計)の行動では貯蓄率が上がって消費性向が低いままということにあるようです。
原因をさかのぼれば、将来不安(雇用不安、高齢化準備、人口減少、格差社会化、などなど)という意見が根強く、それを打ち消そうと発表された新3本の矢も「そうなればいいね」という程度の受け取りでしかないようです。
そんな中で2016春闘はどんな展開になるのでしょうか。どちらかというと控えめな連合の方針がどのように展開されるかも重要ですが、最も大事なのは、多くの国民が「いかなる賃上げが本当に望ましいのか」を合理的に理解することでしょう。
労使交渉にも国民の良識が反映するというのが日本の伝統です。
常識的に考えれば、賃上げは平均的には日本経済の成長に見合ったものであるべきでしょう。その中で企業業績によって差が出るのは当然でしょうが、賃金そのものでは格差を出来るだけ少なくして、ボーナスでトータルの人件費は調整するというのが日本の従来の方式でした。
その意味では「3年連続の賃上げ」などと特別なことのように言うのではなく、多少でも経済成長があるのですから、マスコミも、毎年賃上げがあって当たり前という前提で報道をすべきでしょう。長期のデフレ不況からは抜けたのです。
企業にとって最も大事なのは、生産性を上げ、相対コストを引き下げて競争力を強め、企業成長を確保し、従業員が将来への自信を持てるようにすることでしょう。
今年無理な賃上げをして、来年に不安を持たせるようなのは労使とも避けます。
幸い、日本経済は、政策宜しきを得れば当面ゆっくりでも確実な成長路線を進みうる状況にあるようです。
そうした中で、年々着実な賃金上昇がある(前提は勿論雇用の安定)という状況が積み重ねられて、初めて、従業員は安心し家計は消費を増やすようになるのでしょう。
企業レベルで考えれば、これは極めて当たり前のことですが、「株式会社日本」の経営陣でもある安倍政権にこそ、こうした、国民が理解し納得するような地道な経済成長の実績作りが必要なのではないでしょうか。掛け声だけの政策は空疎に響きます。
安定成長路線の確立には時間も必要です。拙速は禁物でしょう。
マスコミでは「今年は官製春闘3年目」などと言われています。
すでに連合はベースアップ要求基準として2パーセントを打ち出し、政府は財界に賃上げ加速を要請し、経団連は2016春闘向けの「経営労働委員会報告」でベア容認を言う方向だという報道もありました。
もちろん経団連の「報告書」が発表されてみないと本当のことはわかりませんが、会長の発言などからもその方向のようです。
マスコミは同時に、個別企業、特に中小はどう動くかといった形で現実がどうなるかは予測のほかということになっていますが、それは当然でしょう。
就職協定でもわかりますように、経団連は大企業の組織体ですから、中小企業への影響力はないようです。大企業でも、このところの国際的政治経済の動きの中で、企業業績もまちまちのようです。中小企業を組織する商工会議所などは慎重の構えでしょう。
安倍政権は 賃上げさえすれば景気が良くなると思っているようですが、すでに書いてきましたように、経済というものは、そんなに単純なものではありません。
今、消費が不振と言われる原因は、所得が増えても、消費者(家計)の行動では貯蓄率が上がって消費性向が低いままということにあるようです。
原因をさかのぼれば、将来不安(雇用不安、高齢化準備、人口減少、格差社会化、などなど)という意見が根強く、それを打ち消そうと発表された新3本の矢も「そうなればいいね」という程度の受け取りでしかないようです。
そんな中で2016春闘はどんな展開になるのでしょうか。どちらかというと控えめな連合の方針がどのように展開されるかも重要ですが、最も大事なのは、多くの国民が「いかなる賃上げが本当に望ましいのか」を合理的に理解することでしょう。
労使交渉にも国民の良識が反映するというのが日本の伝統です。
常識的に考えれば、賃上げは平均的には日本経済の成長に見合ったものであるべきでしょう。その中で企業業績によって差が出るのは当然でしょうが、賃金そのものでは格差を出来るだけ少なくして、ボーナスでトータルの人件費は調整するというのが日本の従来の方式でした。
その意味では「3年連続の賃上げ」などと特別なことのように言うのではなく、多少でも経済成長があるのですから、マスコミも、毎年賃上げがあって当たり前という前提で報道をすべきでしょう。長期のデフレ不況からは抜けたのです。
企業にとって最も大事なのは、生産性を上げ、相対コストを引き下げて競争力を強め、企業成長を確保し、従業員が将来への自信を持てるようにすることでしょう。
今年無理な賃上げをして、来年に不安を持たせるようなのは労使とも避けます。
幸い、日本経済は、政策宜しきを得れば当面ゆっくりでも確実な成長路線を進みうる状況にあるようです。
そうした中で、年々着実な賃金上昇がある(前提は勿論雇用の安定)という状況が積み重ねられて、初めて、従業員は安心し家計は消費を増やすようになるのでしょう。
企業レベルで考えれば、これは極めて当たり前のことですが、「株式会社日本」の経営陣でもある安倍政権にこそ、こうした、国民が理解し納得するような地道な経済成長の実績作りが必要なのではないでしょうか。掛け声だけの政策は空疎に響きます。
安定成長路線の確立には時間も必要です。拙速は禁物でしょう。