tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ゼロ金利脱出:アメリカと日本

2015年11月16日 16時01分02秒 | 経済
ゼロ金利脱出:アメリカと日本
 アメリカはいよいよ利上げに動くのでしょうか。12月に利上げを打ち出す可能性が70パーセントなどと言われていますが、雇用の伸びが順調に続くかもはっきりしませんし、賃金の伸びは低いようです。

 ゼロ金利脱出は、アメリカ経済正常化に必要なことでしょうが、ゼロ金利(異次元金融緩和)で回ってきたアメリカ経済、更にはその恩恵を受けてきた途上国経済のことまで考えると脱出には多様な配慮と努力が必要なのでしょう。

 アメリカ国内には、伝統的な保守派の「モンロー主義」的な意見も強くなるようで、どこまで世界経済のことを考えなければならないのか、基軸通貨国の責任も有り、検討・決定は大変でしょう。IMFの人民元準備通貨入り問題も関係あるのでしょうか。

 加えて心配なのは、経済問題に大きく影響する可能性のある政治的要素、さらには、ますます広がりを見せる紛争を含め軍事的問題がどうなるのかです。
 紛争解決には(人命も含め)膨大な負担がかかります。副次的に難民も大なども発生します。覇権国・基軸通貨国ですが、万年赤字国のあるアメリカの経済政策は容易ではありません。

 ところで、アメリカが利上げに動けば、当然日本にも影響があります。もちろん日本自体としても、いつまでも超金融緩和を続けて、円安維持というわけにはいかないでしょう。これは、あくまでも、長期円高からの脱出を目指した日銀の窮余の政策だったはずです。

 日本の金融緩和も明らかに成功を収め、日本経済は「デフレ不況」から脱出しました。しかしこれをやめればまた円高という可能性は大きく、なかなか止められません。
 その意味ではアメリカが金利引き上げに動くことは、日本にもチャンスとヒントを与えてくれるのでしょう。失敗しないでほしいと願うところです。

 同時に日本としても、自分自身で、経済の正常化の道を模索し、着実に歩を進めていかなければならないでしょう。
 そのために最も必要なのは「内需拡大による自力での経済成長」です。これは、大幅黒字国日本というイメージ、「成長はしないが安全な通貨¥」という投機家たちの既成概念を打ち消していくためも必要です。

 これから始まるアメリカの利上げのプロセスからは、日本にとって学ぶことが沢山出てくるでしょう。もちろん反面教師もあるかもしれませんが、十分に学び、日本経済の安定した成長を確実にしてほしいものです。
 これからの経済政策が問われています。