tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカ経済は大丈夫か

2016年01月24日 11時15分46秒 | 経済
アメリカ経済は大丈夫か
 このところアメリカ経済は好調といわれ、世界で好調なのはアメリカだけなどといった意見も多く聞かれます。
 オバマ大統領も、先日デトロイトを訪問し、デトロイト(アメリカの自動車産業)は完全に復活したといったようです。

 リーマンショックで世界中に迷惑をかけたアメリカが、世界不況を避ける手段として『異次元金融緩和』を実施し、バーナンキさんの主張である金融危機は金融緩和で救えるという政策を実験し、その成功の証として、漸く金融の正常化に一歩踏み出したわけです。

 アメリカ経済が、この政策転換にも負けずに好調を維持できているのであれば、ご同慶の至りということですが、些か不安な状況や指標も指摘されています。

 好調な自動車販売についても、実はかつての住宅向けサブプライムローン並みの安易な貸し出しがあるといった見方もあるようです。
 原油安でガソリンをがぶ飲みの大型車が好調といった意見も聞かれます。

 住宅の新規着工件数も増えていますし、マネーサプライ(M2)も一貫して増えています。しかしその一方で、財政収支の悪化の可能性も報じられたりしますし、経常収支の赤字はは拡大傾向にあるように見えます。

 確かに、雇用や消費は強いといった状況ですが、かつてのグリーンスパン・マジックのミニ版のような要素があるとすれば、それはいつかは崩れるでしょう。

 今回の異次元金融緩和の巻き戻し、金融正常化の動きの中で、金利の引き上げについては、かなりゆっくりとしたものになろうという見通しが大勢ですが、ゆっくりでも、それが、アメリカ経済の健全な元気さと両立しつつ着実に実行できているのかどうか、確り見守っていかなければならないような気がしています。