2020/8景気動向指数、数値は回復基調ですが
今日、内閣府から8月分の「景気動向指数」(速報)が発表になりました。
これは日本経済の種々の分野の活動状況(製造、出荷、販売の数量など)を3つのグループに分けて合成し、日本経済の活動状況がどの程度の水準にあるのかを見やすく示すものです。
3つのグループとは、次の3種類です。
・先行系列:機械受注、住宅着工、消費者態度など、先行きの動きを示す
・一致系列:鉱工業生産、耐久消費財出荷、小売業売上など、景気の現況を示す、
・遅行系列:雇用指数、家計消費、失業率など、景気に遅れて動く指数
勿論現状を端的に示すのは一致系列ですからこれを中心に見ていきたいと思います。
一致系列のCI(Composite index=2015年平均を100とした水準を示す)は2020年8月は79.4で、コロナのせいもあり随分落ちたものですが、非常事態宣言中だった5月からの動きを見ますと、71.2、74.4、78.3、79.4(8月)とかなりの回復です。
政府は、非常事態宣言以降は、経済活動の回復に重点を置いて、無理ではないかと言われながら、7月下旬からGoToキャンペーンなど積極策を始めているのはご承知の通りです。
それにしては8月の改善幅は小さいですが、コロナの終息が見えなくても、これだけ経済活動が回復するのですから、経済活動へのエネルギーが潜在していることは明らかでしょう。
一致系列10項目の中の主要なものの5月と8月の数字を比較しますと
・最も基本的な鉱工業生産指数は79 → 89
・市場に出す生産財出荷椎数は74 → 89
・耐久消費財出荷指数は54 → 86
といった感じで、生産場面では比較的波が小さく、市場状況による出荷は、それより波は大きく、更に家庭で使われる耐久消費財になりますと、落ち込みもひどかったが、回復も顕著といった様相が見られます。
ここから産業、企業なりに、生産出荷を何とか平準化して操業や雇用の安定を図ろうとする企業の姿勢も見て取れます。
最も市況を受けやすいのは、家庭に直結するところで、5月あたりは殆ど外に出ない家庭が多かったことで、交通、運輸、外食、レジャー産業などの打撃が酷かったことは、皆様ご経験のとおりです。
その中で耐久消費財の回復が目立つというのは、現場に行かずにスクリーン上でレジャーを楽しむしかないといった状態から大型テレビ、3密禁止で人に会えないのでネット上で交流するしかないから新たに新しいパソコン、更にはスマホといった、テレ〇〇、リモート○○が急速に普及したことによると言われています。
一方、日用品の取り扱い中心の小売業では衣料履物などは落ち込みが大きかったものの、日用品、生活必需品について見ますと、小売業(これは表示が違い、対前年同月の日の変化幅ですが)-19 → -2 とほぼ前年水準に復しています。
悪化が続いているのは有効求人倍率で、1.2倍 → 1.04倍に下がっています。これは失業率などと同様、遅行指標の性格が強いという事でしょう。
思いがけず伸びているのが輸出数量指数で 73 → 90と割合急速な回復です。中国経済の回復の影響も大きいのではないかと思われます。
これからの動きは、経済活性化重視の政府と、国民一人一人が自衛手段としての感染防止努力のバランスの間で動くと思われ、今後の新規感染者数の推移が気になるところですが、日本人の真面目さとお行儀のよさで、何とか、ワクチン開発まで、頑張っていくことを期待したいと思う所です。
今日、内閣府から8月分の「景気動向指数」(速報)が発表になりました。
これは日本経済の種々の分野の活動状況(製造、出荷、販売の数量など)を3つのグループに分けて合成し、日本経済の活動状況がどの程度の水準にあるのかを見やすく示すものです。
3つのグループとは、次の3種類です。
・先行系列:機械受注、住宅着工、消費者態度など、先行きの動きを示す
・一致系列:鉱工業生産、耐久消費財出荷、小売業売上など、景気の現況を示す、
・遅行系列:雇用指数、家計消費、失業率など、景気に遅れて動く指数
勿論現状を端的に示すのは一致系列ですからこれを中心に見ていきたいと思います。
一致系列のCI(Composite index=2015年平均を100とした水準を示す)は2020年8月は79.4で、コロナのせいもあり随分落ちたものですが、非常事態宣言中だった5月からの動きを見ますと、71.2、74.4、78.3、79.4(8月)とかなりの回復です。
政府は、非常事態宣言以降は、経済活動の回復に重点を置いて、無理ではないかと言われながら、7月下旬からGoToキャンペーンなど積極策を始めているのはご承知の通りです。
それにしては8月の改善幅は小さいですが、コロナの終息が見えなくても、これだけ経済活動が回復するのですから、経済活動へのエネルギーが潜在していることは明らかでしょう。
一致系列10項目の中の主要なものの5月と8月の数字を比較しますと
・最も基本的な鉱工業生産指数は79 → 89
・市場に出す生産財出荷椎数は74 → 89
・耐久消費財出荷指数は54 → 86
といった感じで、生産場面では比較的波が小さく、市場状況による出荷は、それより波は大きく、更に家庭で使われる耐久消費財になりますと、落ち込みもひどかったが、回復も顕著といった様相が見られます。
ここから産業、企業なりに、生産出荷を何とか平準化して操業や雇用の安定を図ろうとする企業の姿勢も見て取れます。
最も市況を受けやすいのは、家庭に直結するところで、5月あたりは殆ど外に出ない家庭が多かったことで、交通、運輸、外食、レジャー産業などの打撃が酷かったことは、皆様ご経験のとおりです。
その中で耐久消費財の回復が目立つというのは、現場に行かずにスクリーン上でレジャーを楽しむしかないといった状態から大型テレビ、3密禁止で人に会えないのでネット上で交流するしかないから新たに新しいパソコン、更にはスマホといった、テレ〇〇、リモート○○が急速に普及したことによると言われています。
一方、日用品の取り扱い中心の小売業では衣料履物などは落ち込みが大きかったものの、日用品、生活必需品について見ますと、小売業(これは表示が違い、対前年同月の日の変化幅ですが)-19 → -2 とほぼ前年水準に復しています。
悪化が続いているのは有効求人倍率で、1.2倍 → 1.04倍に下がっています。これは失業率などと同様、遅行指標の性格が強いという事でしょう。
思いがけず伸びているのが輸出数量指数で 73 → 90と割合急速な回復です。中国経済の回復の影響も大きいのではないかと思われます。
これからの動きは、経済活性化重視の政府と、国民一人一人が自衛手段としての感染防止努力のバランスの間で動くと思われ、今後の新規感染者数の推移が気になるところですが、日本人の真面目さとお行儀のよさで、何とか、ワクチン開発まで、頑張っていくことを期待したいと思う所です。