tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

国勢調査の回答率低下を憂う

2020年10月08日 14時08分14秒 | 文化社会
国勢調査の回答率低下を憂う
 昨10月7日は国勢調査の回答期限でした。報道によると回答率は53.1%で、前回(5年前)に比べて1.3ポイント低くなっているとのことです。
 前回は、調査員の再訪問などの努力で、最終的には86.9%だっと報じられていますが、いずれにしても、国勢調査としては、政府は100%に近づけるために最大限の努力をすべきでしょう。

 ご承知のように、国勢調査は国の統計の中で、最も重要な統計調査です。
 だからこそ「センサス」(CENSUS)と言われ、これは「全数調査」の代名詞にもなっているものです。
 
 全数調査があって初めて母集団が確定し、抽出調査が出来るわけで、すべての統計の基礎データになるのが国勢調査なのです。

 統計に関係する人たちの間では、「国勢調査もきちんとできていないような国は近代国家ではない」「大体人口も不正確で、何処にどれだけ国民が住んでいるのか解らなくて国政がができるのか」などといった真面目なジョーク(?)もあるようです。

 オンライン回答も可能になり、パソコンやスマホからも回答でき、調査項目も昔に比べて大幅に簡素なものになってきていますから、回答にもそれほど手間のかかるものではありません。

 上記の回答率53.1%、前回比1.3ポイント低下という数字を見て、正直びっくりしたのは、53.1%の方でした。期日までの回答率が半部を少し越えた程度になってしまっていたのかという状況は、今の国民意識の反映なのでしょうか。

 国政の基本データである国勢調査の回答率がここまで落ちていることを政府はどう考えているのかです。前回比1.3ポイントの低下というのは、恐らく、オンライン回答を取り入れていた結果でしょう。これは新型コロナの環境の中で、導入していてよかったといった感じを受けました。
 
 政府もあわてて7日までの期限を20日までに伸ばしたようですが、これからが国勢調査の調査員の方々の大変なご苦労の時期でしょう。

 国の在り方をきちんとするために、政府に要請したいことは、第1に、国勢調査が国民の状況を正確に把握するための基本的な基幹統計であり、国民にはそれにこたえる義務がある(不回答には罰則があります)ことを国政選挙並みの努力で国民に周知徹底することです。

 第2は、国勢調査員の尊重重視です。国勢調査の重要性を、全国民にしっかり理解してもらわなければ、今日のような世相の中では(人間関係の希薄化、プライバシーの過剰尊重など)」、国勢調査員のなり手が無くなるのではないでしょうか。

 オンライン回答の促進も重要でしょう、然し全数調査という国勢調査の性格から、国勢調査員の役割は極めて重要です。
 時には身の危険も感じながら、お国の為と真剣に実地の調査にあたる調査員の存在を、適切に評価(待遇も含めて)しない限り、国勢調査の危機は続くのではないでしょうか。

 国勢調査の重要性の国民への周知徹底、国勢調査員の十分な重視と尊重まずはこの2つでも、政府が本気になって取り組むことが強く要請されていつのではないでしょうか。