tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

光触媒:太陽光で水を酸素と水素に分解

2025年03月08日 16時59分58秒 | 科学技術

このブログでは「みどり」の大切さを強調してきました。「紅葉狩り」もいいですが「緑狩り」もいかがでしょうなども書いています。「みどりの日」に、良く取り上げるのは人間(動物)には緑が必要という問題です。

ここで「みどり」というのは基本的には「葉緑素」です。葉緑素が炭酸ガスを炭素と酸素に分解して、炭素で自分の体(根、幹、枝、葉)を作り、酸素を排出してくれるので、人間はその酸素を呼吸し、さらに酸素と水素がくっついて出来た水を摂って生きているのです。

酸素がなければ生きられない人間が、化石燃料をいっぱい使って炭酸ガスばかり増やして、地球環境を悪化させているのは困ったものだという事で進められているのが再生可能エネルギーの開発ですが、その本命は「水を酸素と水素に分解」するという、人間が生きるためにやっている事の逆コースを、人間の力でやろうという「光合成」の研究開発です。

この光合成の研究です。日本は世界のトップクラスの実績を上げつつあることをご承知の方も多くなってきているようです。が、日本人地ては、心強い限りです。

実は、私の手元に、色の変わった古い新聞の切り抜きで、2020年(らしい)6月1日の朝日新聞夕刊というのがあるのですって、2段の小さい記事すが、見出しは

「高効率で水素 光触媒開発-信州大、東大など-可視光に応用期待」

と書いてあります。記事の中には研究者として、信州大の高田剛特任教授、堂免一成特任教授というお名前があります。

内容は光を当てれば水を酸素と水素に分解する触媒が開発された。今は紫外線でほぼ100%の変換効率が得られているが,可視光でも効率の高い触媒が出来れば水素生産の実用化が可能になる、という研究が続けられているというものです。

ところで、最近信州大学を中心に、本格的な水を酸素と水素に分解するという実証研究が始められたというニュースがあちこちで見られますので、昔を思い出して調べてみましたら、同じ高田教授、堂免教授のお名前がありました。

光触媒の研究成果が着実に上がっているようで、この研究のレベルは「ノーベル賞」級のものである、いった解説が出ています。

新聞紙上でしか存じ上げない先生方ですが、ご熱心な研究の成果が着実に上がって、いろいろとご苦労をされたのでしょうが、これは人類の将来にとっての朗報ではないか、という感じを受けるところです。

このブログでも研究の成果にに敬意を表し、今後の一層の成果の進捗をお願いしなければ、などと思った次第です。

これまでも,このブログでは、どちらかというと専門外ですが、エネルギー問題、メタネーションや炭酸ガスからプラスチック生産などを取り上げたこともあったかと思いますが、これらの工程には、やはりかなりのエネルギーが必要です。

そうした意味では、地球の生態系を支える太陽光線を直接利用することが最も合理的でしょう。

太陽光発電でもペロブスカイト、CVT電極のソーラー発電等の新技術も出て来ています。

しかし、水素、酸素といった燃料を直接に水から作ることが出来れば、効率は極めて高く、原材料としての応用範囲も広いように感じられます。

科学技術研究についての昨今の日本の問題点を上げれば、科学技術研究費が増えないこと、加えて、政府の日本学術会議に対する、傲慢と無理解など、気になることはいろいろありますが、学問・研究の現場では、着実に、人類社会のために光を見出すような実績が上がりつつあるという事は、素晴らしいと思うところです。

最後は、些か蛇足をつけ加えてしまいしたが、こうした素晴らしい研究開発の成果が出て来ていることを、感謝とともに喜びたいと思います。


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