お世話になっております。
クルーザー班新三年の杉山です。
3月1日から3日にかけて、J24で学生日本一を決めるアニオールズカップが愛知県蒲郡三河みとマリーナで開催されました。
東京大学、神戸大学、防衛大学校、千葉大学の4校が参加し、1日目、2日目の強風のため3日目だけで5レースが行われました。
以下リザルトになります。
2-1-1-(3)-1
(https://3375fe09-b733-4c93-b2f2-6bff7f7e735b.filesusr.com/ugd/b577aa_049b38fbe23440beabb528c7fad0cbfb.pdf)
結果、2位の神戸大学と2点差をつけ久々となる優勝を獲得しました!
忘れないうちに各レースを振り返ってみたいと思います。
・1レース目
風は中風、左海面の方がブローがありそうだったこと、下げ潮が強かったことを考慮して左に伸ばすイメージに。上有だったので本部船寄りから出ようとすると、上側に防衛・神戸が入り込んできました。我々と防衛に挟まれた神戸が接触し、権利艇である我々はプロテスト。こんなにも早く赤旗を振ることになるとは...(アンパイア制で全艇ペナルティなしとなりました。)
左に伸ばす作戦が功を奏し上マーク到達は1位、すぐ後ろで神戸大が回航という形に。その後徐々に神戸大に差を詰められ、下マーク回航時にはインサイドを取られ2位に転落、そのままの順位でフィニッシュとなりました。
ターニングポイントは1下回航でインサイドを取られたところだと思われます。下レグ中盤で前を切ってジャイブすべきでした。
・2レース目
1レース目の経験から左海面に伸ばすことを意識しました。スタートはまずまず、1位で上回航、そのまま順調に船を走らせ1位フィニッシュ。
1下から2位の神戸大と3位の防衛大が激しくやりあっており、そのおかげで我々は安全に、後ろの艇の動きと大きく異なる動きをしないことだけ気に掛け、ブローを掴み続けることができました。
接近した際に対処できるノウハウが十分に備わっていないため、できるだけ他艇に邪魔されることなくレースをすることができるなら勝てる、と思い、以後のレースはそのことを意識しました。
・3レース目
風の強さはあまり変わらず、スタート時は上有。ぎりぎりのスタートをしようとするも、神戸・防衛に下に入られ下せず痛恨のリコール。スタートラインに戻ってポートで進みます。するとなぜかスタボで来る神戸の前を切ることができました。少し伸ばしたあとタックし左海面に伸ばすと1位で上回航、そのままの順位で4レグまで終え1位フィニッシュ。
陸に戻ってから聞いたのですが、神戸はスタート直前でタックしポートスタートを試みるも、スタボで近づく千葉大に気付いておらず慌ててタック、それによりリコールをした我々よりも出遅れる形になった、ということでした。
ここで1位を取れたことはレースの展開的にかなり大きかったと思います。神戸と千葉がやりあっていなかったら余裕で負けていたかもしれません。
・4レース目
このあたりから大分風が強くなってきました。右海面のブローも悪くないように見え、左海面にとらわれないようなコースを引く心づもりで臨みます。上有で本部船寄りから出ましたが、上の神戸大にボートスピードで負け、影響を感じて慌ててタック、それに合わせて神戸が被せてきたので続けてタック、結果的にある程度左に伸ばすコース選択となりました。右に伸ばした神戸・防衛に大きく差をつけられ上回航、そのまま3位フィニッシュとなりました。
振り返ってみると、ブロー・角度ともに左海面も悪くなかったように思います。どちらの海面も体感18ノットほどの強風で、ただでさえ軽い仰秀チームが5人(←なんで...?)ではヒールを全然つぶせず、クローズ中のスピードで置いて行かれたように感じました。
この時点でカット成立、神戸大と同点で次のラストレースを制した方がアニオル優勝、というアツアツ展開となりました。
その時の海面は今まで以上に濃く見え、メインセールだけでもかなりのスピードが出るほどに。このままの風が続くと4レース目のようにアップウィンドで置いて行かれます。風が落ちてくれることを必死に願っていました。
・5レース目
アウター寄りで出るイメージ、スタート直前で風が左に振れたことにより全艇1艇身ほど遅れた形でスタート、下1の我々はアウターマークにタッチしそうになり直前でタック、他艇の後ろを切る形に。ポートロングだったのである程度右に伸ばしロングを消費します。風はだんだん落ちてくれて中風くらいに。レグの半分ほどでタックし、今度は左に向かいます。スタートで少し遅れを取りましたが、他艇の前を切ることができました。そのままヘダー・ラルを感じながらもポートアプローチ。上マーク1位回航、2位防衛と3艇身ほどの差を保持しながらランニング。左振れが続きスタボロングだったのでジャイブせず、少し上し目に走って左海面のブローを掴みます。順調に1位で下回航、それ以降はターゲットを神戸大に絞り、神戸大をルーズカバーし続けました。別の海面に伸ばした防衛とも十分な差を保持した状態で2上を1位回航、落ち着いてランニングに移ります。割と強い風を感じながら時にガイトリに入り、ひたすら安全に走らせることだけを考え最後にジャイブをし、ゴールラインを切ってトップフィニッシュ。
風が落ちてくれたことが救いでした。
もう1レースあるかもしれない、と喜べずに糖分補給をしていると、ボートが近づいてきてハーバーバックを告げました。その瞬間優勝が確定し、緊張の糸が切れました。みんなで喜び合い、優勝を噛みしめました。
今回のアニオルでは、残念ながら新3年の源ちゃんが体調不良でレースに出ることができませんでした。大会3日目を控える明け方、すごく苦しそうにしていました。源ちゃん、大丈夫かな...?食当たりだったらゴメンナサイ。
そんなこんなで急遽タクティシャンなしの5人で戦うことになりました。
バウ古川、マストハンド木藤、ピット杉山、トリマー友成さん、ヘルム関根さん、という布陣で、コースは木藤と僕の二人で話し合って考えることになりました。普段の練習でストラテジーについて教えてもらい、考える練習はしていましたが、レースで自分たちが主体となってコースを引くのは初めてでした。辛そうな源ちゃんから今回のレースで気に掛けるべきことを聞きましたが、正直マリーナへ向かう車の中でビビリ散らかしていました。
いざレースが始まると、二人で話し合って引いたコースがある程度嚙み合ってきました。相手艇が近くにいるときにどう対処すべきか、タクティクス面には大きな不安が残りましたが、ストラテジーには徐々に自信がついてきました。
普段やっているピットと比べ、コースを引くタクティシャンは、うまくいったときの充足感が格別でした。ドライブチームが素晴らしかっただけかもしれませんが、結果的に優勝という目標を達成することができ、すごく嬉しかったです。
最後に、参加大学の皆さま、各大学OBの皆さま、学連顧問の安藤さん、アンパイアの今津さん・前田さん、マリーナの方々、協賛企業の皆さま、その他大会運営に携わっていただいた全ての方々にお礼申し上げます。楽しい大会を作っていただきありがとうございました。
杉山太智
クルーザー班新三年の杉山です。
3月1日から3日にかけて、J24で学生日本一を決めるアニオールズカップが愛知県蒲郡三河みとマリーナで開催されました。
東京大学、神戸大学、防衛大学校、千葉大学の4校が参加し、1日目、2日目の強風のため3日目だけで5レースが行われました。
以下リザルトになります。
2-1-1-(3)-1
(https://3375fe09-b733-4c93-b2f2-6bff7f7e735b.filesusr.com/ugd/b577aa_049b38fbe23440beabb528c7fad0cbfb.pdf)
結果、2位の神戸大学と2点差をつけ久々となる優勝を獲得しました!
忘れないうちに各レースを振り返ってみたいと思います。
・1レース目
風は中風、左海面の方がブローがありそうだったこと、下げ潮が強かったことを考慮して左に伸ばすイメージに。上有だったので本部船寄りから出ようとすると、上側に防衛・神戸が入り込んできました。我々と防衛に挟まれた神戸が接触し、権利艇である我々はプロテスト。こんなにも早く赤旗を振ることになるとは...(アンパイア制で全艇ペナルティなしとなりました。)
左に伸ばす作戦が功を奏し上マーク到達は1位、すぐ後ろで神戸大が回航という形に。その後徐々に神戸大に差を詰められ、下マーク回航時にはインサイドを取られ2位に転落、そのままの順位でフィニッシュとなりました。
ターニングポイントは1下回航でインサイドを取られたところだと思われます。下レグ中盤で前を切ってジャイブすべきでした。
・2レース目
1レース目の経験から左海面に伸ばすことを意識しました。スタートはまずまず、1位で上回航、そのまま順調に船を走らせ1位フィニッシュ。
1下から2位の神戸大と3位の防衛大が激しくやりあっており、そのおかげで我々は安全に、後ろの艇の動きと大きく異なる動きをしないことだけ気に掛け、ブローを掴み続けることができました。
接近した際に対処できるノウハウが十分に備わっていないため、できるだけ他艇に邪魔されることなくレースをすることができるなら勝てる、と思い、以後のレースはそのことを意識しました。
・3レース目
風の強さはあまり変わらず、スタート時は上有。ぎりぎりのスタートをしようとするも、神戸・防衛に下に入られ下せず痛恨のリコール。スタートラインに戻ってポートで進みます。するとなぜかスタボで来る神戸の前を切ることができました。少し伸ばしたあとタックし左海面に伸ばすと1位で上回航、そのままの順位で4レグまで終え1位フィニッシュ。
陸に戻ってから聞いたのですが、神戸はスタート直前でタックしポートスタートを試みるも、スタボで近づく千葉大に気付いておらず慌ててタック、それによりリコールをした我々よりも出遅れる形になった、ということでした。
ここで1位を取れたことはレースの展開的にかなり大きかったと思います。神戸と千葉がやりあっていなかったら余裕で負けていたかもしれません。
・4レース目
このあたりから大分風が強くなってきました。右海面のブローも悪くないように見え、左海面にとらわれないようなコースを引く心づもりで臨みます。上有で本部船寄りから出ましたが、上の神戸大にボートスピードで負け、影響を感じて慌ててタック、それに合わせて神戸が被せてきたので続けてタック、結果的にある程度左に伸ばすコース選択となりました。右に伸ばした神戸・防衛に大きく差をつけられ上回航、そのまま3位フィニッシュとなりました。
振り返ってみると、ブロー・角度ともに左海面も悪くなかったように思います。どちらの海面も体感18ノットほどの強風で、ただでさえ軽い仰秀チームが5人(←なんで...?)ではヒールを全然つぶせず、クローズ中のスピードで置いて行かれたように感じました。
この時点でカット成立、神戸大と同点で次のラストレースを制した方がアニオル優勝、というアツアツ展開となりました。
その時の海面は今まで以上に濃く見え、メインセールだけでもかなりのスピードが出るほどに。このままの風が続くと4レース目のようにアップウィンドで置いて行かれます。風が落ちてくれることを必死に願っていました。
・5レース目
アウター寄りで出るイメージ、スタート直前で風が左に振れたことにより全艇1艇身ほど遅れた形でスタート、下1の我々はアウターマークにタッチしそうになり直前でタック、他艇の後ろを切る形に。ポートロングだったのである程度右に伸ばしロングを消費します。風はだんだん落ちてくれて中風くらいに。レグの半分ほどでタックし、今度は左に向かいます。スタートで少し遅れを取りましたが、他艇の前を切ることができました。そのままヘダー・ラルを感じながらもポートアプローチ。上マーク1位回航、2位防衛と3艇身ほどの差を保持しながらランニング。左振れが続きスタボロングだったのでジャイブせず、少し上し目に走って左海面のブローを掴みます。順調に1位で下回航、それ以降はターゲットを神戸大に絞り、神戸大をルーズカバーし続けました。別の海面に伸ばした防衛とも十分な差を保持した状態で2上を1位回航、落ち着いてランニングに移ります。割と強い風を感じながら時にガイトリに入り、ひたすら安全に走らせることだけを考え最後にジャイブをし、ゴールラインを切ってトップフィニッシュ。
風が落ちてくれたことが救いでした。
もう1レースあるかもしれない、と喜べずに糖分補給をしていると、ボートが近づいてきてハーバーバックを告げました。その瞬間優勝が確定し、緊張の糸が切れました。みんなで喜び合い、優勝を噛みしめました。
今回のアニオルでは、残念ながら新3年の源ちゃんが体調不良でレースに出ることができませんでした。大会3日目を控える明け方、すごく苦しそうにしていました。源ちゃん、大丈夫かな...?食当たりだったらゴメンナサイ。
そんなこんなで急遽タクティシャンなしの5人で戦うことになりました。
バウ古川、マストハンド木藤、ピット杉山、トリマー友成さん、ヘルム関根さん、という布陣で、コースは木藤と僕の二人で話し合って考えることになりました。普段の練習でストラテジーについて教えてもらい、考える練習はしていましたが、レースで自分たちが主体となってコースを引くのは初めてでした。辛そうな源ちゃんから今回のレースで気に掛けるべきことを聞きましたが、正直マリーナへ向かう車の中でビビリ散らかしていました。
いざレースが始まると、二人で話し合って引いたコースがある程度嚙み合ってきました。相手艇が近くにいるときにどう対処すべきか、タクティクス面には大きな不安が残りましたが、ストラテジーには徐々に自信がついてきました。
普段やっているピットと比べ、コースを引くタクティシャンは、うまくいったときの充足感が格別でした。ドライブチームが素晴らしかっただけかもしれませんが、結果的に優勝という目標を達成することができ、すごく嬉しかったです。
最後に、参加大学の皆さま、各大学OBの皆さま、学連顧問の安藤さん、アンパイアの今津さん・前田さん、マリーナの方々、協賛企業の皆さま、その他大会運営に携わっていただいた全ての方々にお礼申し上げます。楽しい大会を作っていただきありがとうございました。
杉山太智