東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

文章とAIとスポーツ

2020年02月06日 22時03分00秒 | 2020リレーブログ
20時36分。
ようやく自由を手にした私の目の前には、ブログを書くために新規作成した真っ白なメモが広がっている。期限はあと3時間半。時間とは残酷なもので息つく暇すら与えてくれない。山積みの課題を前に、「ヨット部の文豪といえばこの人」という褒め言葉を前日に頂戴したそのご本人は、今まさしく白紙を前に途方に暮れている。

文章を書くのは好きだ。書きたいことが浮かんだ時であれば筆は止まるところを知らない。書き終えた後、自分でも気付いていなかった自分の考えというものを知ることが多々ある。だが、冷静に考えると、こうした考えを書いている自分とは何なのか。無意識の中にある考えを呼び起こして自然と自分に書かせているのは一体何なのか?文章って、何だろう。書きながら自分の思考が分からなくなってきた。
21時7分。時間が無情に過ぎていく。

自分がわかっていることを書いているようで、推敲の過程で自分も知らない考えがいつの間にか混入した文章が出来上がることって、正直多いのではないだろうか。これが単に文章を書く中で、耳障りのいい言葉を並べるために自分の意見らしく書かれた、ただの見栄であることもあるだろう。だが実際、本当に自分が考えていたことをまとめ直す機会になることも多い。だからこそ、日記を書く人がいるのだろう。文章を書くことは、意見の文字化、などと単純に言い表せるものではない。
21時29分。一月リレーブログのはずだか、先程から何を言っているのだろう。またもや悩み出した私の前で、TVの中の紀平梨花は華麗にトリプルアクセルを決めた。

文章が単純に文字起こしの作業であれば、いつかAIに書くという仕事が奪われることもあるのかもしれない。だが、書くことに関係する仕事はAIに奪われうるという仕事のリストの上位にはあまりこない。こういう文章を書くことの複雑さゆえなのだろうか。突然AIの話を始めたのは、多分先日鑑賞した、"AI崩壊"という映画に影響されてのことである。AIは人を幸せにするのか?という衝撃的だが、必ず向き合うことになるテーマに対し色々と考えていたことがブログの文章に影響している。
21時39分。紀平梨花はシーズンベストに近い高得点で、明日4回転に挑むとのことである。

AIにとって替わられないものとして、書き手に加えてスポーツ世界の人々も挙げられるだろう。AIは人工知能だから、AIが能力向上を手助けすることはあっても乗っ取ることはあり得ない。きっとヨットの世界もそうだろう。海面や風の分析を極めても、乗るのは人間である。スポーツ界は、AIとの共存が完全に可能な世界である。そうした一面に、今、このブログを書きながら気づいた。文章を書くことのいいところは、こうして書きながら自分だけでなく周りの物事の気づかない一面を知ることができることでもある。また、書くことを通じて新しく知った。これだから、書くことはやめられない。

申し遅れました、新2年スナイプ班の早苗です。文章とスポーツとAIと。リレーブログらしからぬ文章が出来上がってしまった。来年、そしてその先も、どうかこのリレーブログは手本にしないでほしい。ただただ、ブログを書くという話を頂いたことを利用して自由気ままに思ったことをつらつら書いているだけで、全く参考にはならないと思われる。

21時51分。かなり時間はかかったが、本日中に書き上げることに成功した。だが依然課題は山積みである。推敲から、デザインという新しい仕事に取り掛からねばならない。高校の時予想もしていなかった様々な経験をさせていただけていることに、本当に感謝している。

次回予告
明日、冬合宿初日を終えての投稿は、新三年470スキッパー古橋さんです!温和な雰囲気の方々が多い新3年生の中でも群を抜いて優しいと話題の彼は、完全に軌道が逸れている私のブログを責めるでもなく静かに自分の番で軌道修正してくれると信じています。というか、お願いします。