東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

9時25分の予告信号はしんどかったです〜2021全日本470選手権

2021年11月25日 17時04分10秒 | レース反省

こんにちは。新3年470クルーの松尾一輝です。

先日江ノ島で開催された、全日本470選手権を振り返ります。この大会は、関東470選手権での上位約30艇、同様に各水域から選抜された艇が集う、レベルの高い大会です。

私は、古橋さん・崇さん、智貴さん・廣瀬さんが獲得してくださった枠で出場させてもらいました。自分を含めた新3年生クルーは大きなレースでの経験が乏しく、最後に4年生がこのような経験の機会を残してくださったことに感謝してます。

とは言っても、1ヶ月くらい前に古橋さんとペアで出ると分かってからは、結構ドキドキしていました。テストや代替わりミーティングで十分な練習が出来ていなかったことや、インカレで安定して前を走っていた古橋さんの足を引っ張ってはならないという気持ちや、このような長丁場の大会で体力が持つのかという不安や、新3年生になった今自分が積極的にレースに絡まなければというプレッシャー・・・。 1、2週間くらい前から、付け焼き刃にヨットの動画や去年のトラッキング見たり、最近の暴飲暴食を反省してジムに通ってたりしてました笑

 

このレースでは、成績面では「ゴールドフリートに出ること」内容面では「コースやブローコール、パワーコールなど、常にスキッパーに情報を伝えるづけること」の2つを目標に立てました。

1日目は、朝からほぼ無風の状態でした。おそらく出艇だけしてAPAだろうなぁっと思っていましたが、まさかの1レースが行われました。スピンも下さなければいけないくらい無風で、40艇中フィニッシュできたのは2艇のみという波乱の幕開けでした。スタートは下有利でしたが、右に伸ばしたかったのもあって上艇団の下寄りから出て即タックしました。スタート直後左が伸びていると感じ、再度タックしたのですが、艇団のブランケの中でタックを繰り返し完全に出遅れてしまいました。もう一度フレッシュを掴もうと右に出しましたが、その間角度も悪く、さらにはエンドまで伸ばしすぎてしまいその後の振れでもあまりゲインできませんでした。一貫したコースを引けなかったのが反省点です。また、ランニングでは左にふれていると思いノージャイを選択しましたが、後ろを振り返ると右海面に下りてくるブローがあり、結果的に即ジャイした船が伸びていたので、この選択も微妙でした。ただ、リーチングではスピンを早々に降ろして下のレーンに入ることで順位を大きく上げられたので収穫もありました。

 

2日目は大会期間を通じて最も強風でした。半ピン〜1.5ピンダウンの間で強風の中でも風速差が激しく、毎レースごとにピントリムが必要でした。(おかげで、ピンダウンの良い練習になりました)

この日で予選シリーズは終了で、かつ初日にDNFをつけてしまっているので、ゴールドフリート進出には4レースで安定した順位を取り続けなければならないという正念場でした。

この日も、基本的には上側からスタートして、右に伸ばそうと思っていました。昨日の反省を生かししっかり外に出してフレッシュを掴んだ結果、返した時にはかなり見た目がよかったです。(後でトラッキングを見ても、3~4位くらいにつけていました)しかし、上レグの後半で左海面、特にポートレイラインにいた船がかなり伸びて結局それほど順位は良くなかったです。

その反省を生かし次からのレースでは、ある程度右に伸ばし、見た目がそこそこ良くなったら左に寄せることを意識しました。しかし、左から来た艇団の下側で中途半端に受けてしまい、またしても左艇団に前を行かれてしまいました。

 

そしてこの日の最終レース。大会期間を通じて最も楽しかったレースでした。スタート後右に伸ばすと濃いブローが降りてきて、これまで以上にゲインしました。早めに返し、今度は左奥まで伸ばしました。その結果、1上を4位で回航することができました。ランニング中、目の前をナショナルチームの船が走っていて高揚感を覚えましたし、流れるようなジャイブや大胆なパンピングを間近で見られてとても勉強になりました。一方で、そうした動作の精度の差、例えばタック1回だけでもすごく引き離されたり、最後の流し込みで抜かれたりして最終的に11位まで順位を落としてしまったので、その面では反省点の多く見つかる内容でした。

 

フリート分けされてからのレースは当たり前ですが、上手い人しかいなくてすごく難しいレースでした。まず、スタートラインが狭くナショナルチームですら1線から出られない光景を目の当たりにしました。必要最小限のスペースしか下に空けてなくても、ハンドリングの上手い人たちにねじ込まれて、なかなか出られませんでした。加えて、局所的にあったブローを掴み損ねてラルを走っていたり、遠くからレイラインを打ちすぎて大オーバーセールしたり、ブランケに被されて返したのちへダーを走る時間が長かったりと、2日目と違って、後ろを走っている時に漫然とコースを考えていたことが良くなかったなと思います。ただ、3日目の最終レースなんかはDNFにはなってしまいましたが、1上を半分くらいの順位で回航して、苦手意識のあった微風でもスピントリムに集中して他艇に艇速で劣っていなかったので、良かったと思います。

 

ゴールドフリートに出るという目標は達成しました。内容面で「スキッパーに情報を伝え続ける」という点も大会期間を通してだいぶできるようになったと思います。ただ、まだまだ古橋さんから「パワーある?ない?」「どっちが伸びてそう?」と聞かれてから答えるという場面もあったので、これから後輩と乗ることもぐんと増えますが、自分が主導して船を走らせる意識を持ちたいです。そして、上位陣に絡んだ時にしっかりと順位をキープできるよう基本的な動作をもう一度見直していきたいです。古橋さんには、レース中常にいろんなアドバイスをいただいて、まだ自分の中で消化しきれていないこともありますが、心に留めて練習に励みたいと思います。一緒に出ていただいて本当にありがとうございました。楽しかったです。

 

松尾一輝

 

最終成績

ゴールドフリート 全43艇

4791  古橋/松尾 DNF-17-13-20-11-40(STP)-DNF-28-DNF-DNC-DNC  41位

4579  鈴木/加藤   DNF-14-16-21-15-36(STP)-34-26-DNF-28-35 36位

 

シルバーフリート 全42艇

4692  吉田/丸山   DNF-38-31-34-29-DNC-DNC-DNC-DNC-8-9 30位


感謝と自立〜J/24 全日本選手権〜

2021年11月25日 15時24分13秒 | j24全日本

お世話になっております。クルーザー班1年の友成遼です。

 

11月20~23日に油壺で開催されましたJ/24全日本選手権のご報告をさせていただきます。

 

以下、リザルトです。

 

1-2-10-(13)-4-10-8  35点 総合7位/14艇

 

1日目4レース、2日目2レース、最終日に1レース行われました。1レース目は、仰秀史上最高となるトップフィニッシュ、2レース目も2位と立て続けに好成績を残すことができました。その他では、ブローを掴み損ねる、タック、ジャイブポイントのミスなどもあり、なかなか思うように展開できないレースもありました。

 

レースの詳細な内容・反省に関しては、先輩方に譲らせていただき、ここではこの大会を経ての自分自身の感想を書きたいと思います。

 

まだ技術的に未熟な身でありながら、今回、全日本選手権という大きな舞台を経験できたことは自分にとって大変重要かつ意義深い経験となりました。幸いなことに今までフリートレースに2回出場したことがあり初レースではありませんでしたが、当然のことながらそれらのレースと比べ、緊張感・切迫感が全く異なっていました。レース前日の綿密な計測、良いコースを引くための海面調査と情報共有、14艇という他の大会では例を見ない規模の艇団が最適な位置で出ることを狙ってスタート直前まで微調整を繰り返す様子を含めて、4日間という長期にわたる一つのパッケージが完成されていることを実感しました。上記のことを集約すると、「勝つために妥協しない」といえると思います。言葉にすればシンプルなことですし、ヨットレースに限らず他のスポーツでも学業においても大前提で当たり前のことではありますが、自分は動作面に気を取られるあまり余裕がなく、率直にいって勝負への意識が足りていなかったと反省しました。

 

反省ばかりになってしまいましたが、一つ個人的によかったこともありました。3日間、全レースを通じて回航時のトラブルが一度もありませんでした。自分はマストハンドとしてレースに参加したのは1日だけでしたが、回航時の動作を大きなミスなくこなせた点については、今までの練習の成果を感じることができました。自分の動作ミスで先輩たちの足を引っ張ってしまうのではないかという不安もありましたが、なんとかそつなくこなせたことは自信になりました。

 

 

引退される4年生の先輩方には感謝してもしきれません。ありきたりの表現になってしまいますが、本当にたくさんのことを指導していただきました。お二人からいただいた優しさ、そして厳しさを胸に、これから練習に励みたいと思います。

 

また、大会を通じて様々なアドバイスをくださった月光やJellyFishをはじめとする社会人チームの皆様、応援に来てくださったLB・ご家族の方々、よそ者の自分を暖かく受け入れ観覧艇に乗せてくださった防衛大学の皆様、運営とサポートをしてくださったマネージャーの方々、本当にありがとうございました。

 

たくさんの方々に支えられ活動ができていることへの感謝の気持ちを忘れず、これからの寒い季節の練習に精進したいと思います。これからもご支援のほどよろしくお願い致します。

 

 

クルーザー班1年  友成遼

 

 

*写真はAyascape Photography様が撮ってくださったものを使用しています。