仰秀2年の木藤です。
新歓の季節も終わり、仰秀チームは第2新歓の時期に突入しました。毎年クラス分け”第2新歓”に苦戦するクルーザー班なんですが、今年も御多分に洩れず・・・。クルーザー班の新歓・新入生担当としては毎年魅力度最下位のレッテルに悩まされる茨城県庁の観光推進課が如く、日々魅力度発信に苦悶の時間を強いられております。新入生の皆さんにクルーザー班の魅力を再認識してもらうべく、茨城県出身の木藤からクルーザー班の魅力を宣伝します。ディンギーに心を決めている新入生諸君も浮気する気になるかもしれません、時間あれば一読してくれることを願います!
まずは、船の魅力から。そもそもJ24とはJボート社の製造するJ24等型番の総称で・・・ という説明は長いので端的に魅力をば。
やっぱりJ24の一番の魅力はその大きさからくる重量感とそれに似つかない圧倒的なスピード感ではないでしょうか。例えばスピン。470のスピンとはやっぱり迫力違います。自分でスピン持って飛ばしてみると「あ、スピンってこんなにデカかったんだ、このスピンを自分の両手だけで今操って船が進んでいるんだ」と思った時の感動、半端ないです。強風の時分は”さらなり”と言ったところではないでしょうか。両手に伝わるスピンシートからの重さは持ち切るに忍び難きを忍びという感じで歴代のトリマーの皆さん苦渋の表情を浮かべておられましたが、やっぱりその分、風速10m overの時のJ24のスピンランの風の切り方は半端じゃありません。やっぱり、この船の大きさに似つかない強いスピード感と波を切った足元の船体の重量感、それに比例するかのような切られた波の音の重さがJ24を選んだ一番の理由だと思います。言葉では表しにくいですが、初めてジャンボ機に乗って離陸する時「こいつこんなでかいのに、こんなスピード出るの?えぐ。普通に車より早いやん。えー、えぐいて。」ってなりませんでした?あの感覚を剥き出しの生身で風を切って感じるわけです。人6人でやっと動かせるクルーザー。強風の練習を終え、改装し、テンダーに乗って仰秀から離れる時、仰秀を振り返りざまに見返すと、船の外から見たその巨大さは風の力だけであれほどのスピードを生み出すエネルギーを作り出してしまうんだという得体の知れなさを感じるとともにそれを「自分たちのマンパワーだけで本当に動かしているのか?」と思わず疑問に思って、「うむ・・・。」という実感を持った時に改めてヨットというスポーツの核心を見るような気がします。クルーザーならではの魅力だと思います。オリンピック強化委員長の宮本大先輩が「J24はジェネカーではなくてスピンを使っているしクルーザーの中ではシンプルでディンギーに近いものがある船。学生がやるにしてもいい意味で鈍感な船で本当に最適な船なんだよ。」とおっしゃていました。いい意味で鈍感な船。ヨットがどのような力学でセールに風をはらみ、そのためにはどのようなセールシェイプがいいのか。鈍感だからこそ、それを一つ一つ追求するという細かな努力で大きく走りが変わってくるんです。今後のセーリング人生で船に乗っていく中で初心者がヨットを学ぶ基本が詰まっている船だと思います。僕もJ24を選んだからこそ、ここまでヨットづけの日々を送れているし大学生活を終えても船に乗りたいと思えています。現に歴代の仰秀のLBの先輩方は引退されても社会人チームでヨットを続けていらっしゃいます。その点でもヨットの魅力を存分に味わわせてくれるいい船なんだと思います。
そして何よりの魅力はやっぱり世界大会の舞台を常に見据えているというチームとしての意志の高さではないでしょうか。昨年の全日本での好成績により実際に今年は9月のシアトルでのJ24 world champion ship 2024 への出場がきまりましたが、歴代で6度目の挑戦ということになります。目標はU25世界1位。百艇近くが出場する世界大会のビッグフリートで決して簡単な目標ではありませんが、チームとして共にその努力を共にしてくれる仲間を求めています。学生のうちから世界のセーリングの舞台を見ることができるということはやっぱり貴重な経験です。それも学生の世界大会ではありません。オールクラス、社会人チームの先輩セーラー方に胸を借りて日本でも世界の舞台でも日々挑戦しています。もう何十年も海に身を置いた先輩セーラーとの日常的な交流はクルーザー界だからこその強みです。今の一年生は周期的にも上級生になった時、もう1度か2度世界大会を目指せる世代です。もちろんその過程として歴戦の猛者たる社会人チームの皆様の胸を借りて挑んで切符を勝ち取っていかなければならないわけですが、今2年の諒真も僕も4年のラスト一年にはもう一度世界の舞台に挑戦したいと考えているし、その切符を勝ち取るために今から2人でチームを背負う2年後を見据えています。諒真は毎回のように様々な社会人チームの船に顔を出してトリマー技術を吸収しようと積極的に社会人チームに武者修行に行っています。それほど学生生活をかけて熱く目指せるものがあるし、自分の努力次第でどれほどにでも上手くなれる環境です。現にに先述のオリンピック強化委員長の宮本大先輩は仰秀時代からトリマーを務め、その後も社会人チームの月光で競技を続け、今では4度の全日本制覇、世界4位のチームのトリマーです。世界の舞台でセーリングをしてみたい、その中で自分のセーリングを試してみたい、そんな熱い想いを共有できる人だけが自分の居場所として見出せる場所が小網代です。
去年のちょうどこの頃、当時の仰秀主将のヒデさんにサシで高級イタリアンに連れて行ってもらって僕自身仰秀入りを決めました。去年のファミリデー終わりに同期と別れ葉山を出て太智と2人で小網代に来た時はやはり同期と単身離れることの寂しさが勝って夜1人で散歩に出かけたのを思い出します。やっぱりそれまでの八景練から単身同期から離れて小網代にやってきた時の感覚は表し難いものがあります。そんな僕ではありましたが、小網代のパパ、ヒデさん、小網代のママ、カナさんら当時の四年生をはじめとして小網代の先輩方に少人数だからこその家族のような暖かさで受け入れてもらって居場所を見つけられた気がしたのを思い出します。今年にしても然りです。関根さん、友成さん、源さん、梅さん、太智、諒真、本当に暖かい先輩と同期に囲まれている小網代の雰囲気感は僕の目から見れば新入生を仲間として受けれいれる準備万端です!
ここまで仰秀の魅力を長々と書いてきたわけですが、やっぱりディンギーにはディンギーの魅力があります。別にどちらの方がより魅力的だということはありません。どちらもそれぞれの良さがあります。僕もディンギーの自主練に行きますし、お互い違う船に乗ることで得る学びは大きいです。そういう意味でも結局は最終的には何を選んでも後悔ないヨット部生活を送れると思いますし、というよりかは自分の選んだ船が何であろうと4年間乗ればその船が自分の一番好きな船になっているんだろうと思います。新入生の皆さん中でまだ迷っている人、いろいろみて最終的に直感で決めればいいと思います。その中で仰秀という船で一緒に世界を目指したいという人は暖かく受け入れる準備は小網代ではもう整っています!
もう一つ雑感として新入生にお願いしたいことがあります。同期から離れて単身で小網代にくるメンバーは物理的な距離感も目指す目標の違いからくる心理的距離感もディンギーとはだんだん遠くなるのを感じるとやっぱり寂しいです。年を重ねるごとに物理的な距離感でディンギー・クルーザー疎遠になるなんてせっかく同じ部活の同期として出会ったのに勿体無いですよね。クルーザーにくるメンバー決まったら普段会う機会少なくなりますが、新入生同士、キャンパスとかでご飯に誘ってあげてください。4年間それぞれの活躍でお互い刺激し合い応援しあえるような関係性が部としての強みになるのではないかなと思います。
これ以上かくと再履のスペ語の期末に絶望的な影響が出そうなので今週の活動報告は来週に回します。
まだクラス迷っている新入生の皆さん、ぜひ小網代へ!
仰秀2年 木藤大和