東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

また一人、また一人

2019年01月30日 16時50分03秒 | Weblog

こんにちは。1470クルーの足立です。リレーブログが続く中、その流れを切るような投稿になり恐縮です。ただ、現状1年が危機的状況にあるので警鐘を鳴らす意味で投稿させて頂きます。

 

最近、また一人、また一人、ポロポロと1年の仲間が部活を去っていくのを見てきました。今部活を続ける1年の中でも、辛い、続けようか悩んでいるという声を数多く(本当に数多く!)聞きます。このままでは冬が終わる頃には将来を担う1年が半分くらいになってしまうのではないか。正直、かなり危機的な状況であると思います。そしてこの危機的状況の原因は辞めようとする者自身にあるのではなく、今の部活のあり方にあると考えています。

この場で部活の現状、問題などに具体的に触れるようなことはしません。部員一人一人に考えて欲しいからです。

 

主に1年の仲間に向かって書きます。まず今部活を続けようか悩んでいる人がいたら、自分が部活に合っていないのではないかと考える前に、今の部活のあり方の側に問題があるのではないかと考えてほしい。そして部活を続けるかどうか特に悩んでいない部員がいたら、今多くの仲間が辛くて悩んでいるという現状を知ってほしい。

 

哲学者サルトルの言葉に、アンガジュマン(engagement)というものがあります。曰く、「人間は人類全体に対して責任を負う。」

我々一人一人の行動が人類全体に対し影響を与える故、我々は自分自身の行動に責任を持たなければならないというものです。具体的な例を挙げましょう。もしある人間が無神論者になったとしたら、それはその人間一人が神の存在を否定したというだけでなく、人類全体を神は存在しないという方向にアンガジェしたことになります。もしある人間が一人のパートナーと結婚して子供を作ることを望んだなら、その過程や動機がどうであれ、その人は人類全体を一夫一妻制を肯定する方向に動かしたことになります。

 

同じことがこの部活にも言えます。我々一人一人が、今のヨット部の現状を作っています。我々一人一人の行動がヨット部のあり方に対し責任を持っています。

もし多くの仲間が悩み部活を去ろうか悩んでいる中で、この部のあり方を改善しようという行動を起こさない人間が居たならば、その行動しないこと自体が、部全体に対し私はこの部の現状と仲間が減りつつある事態に対する解決を諦めています、という意思表示になります。行動しないこと自体が、状況を悪化させる原因になっていることに気づいてほしい。

もし、将来を担う下の代に対し部のあるべき姿について考えさせる機会を与えない上に責任があるとすれば、同じように人から言われるまで部の現状とあり方について考えようとしない下にも責任があります。

 

繰り返しになりますが、我々一人一人の行動が部全体のあり方に対して責任を持っています。

いつまでもお客様意識でいるな。行動しろ。これ以上仲間が減ってしまう前に。

 

 

P.S.

せっかくなので僕が部活を続ける理由を書いておきます。僕には実現したい自分の像というものがあります。具体的に書くと(それでも抽象的ですが)、「広い視野を持ち、多様性を受け入れ、他者との交流の中で新たな価値を生み出し人類文明の発展に貢献する人物」です。大学での生活など全ての根底に、一貫してこの理念があります。ヨット部は、将来必要な体力を養うだけでなく、目標の実現に向けて諦めない忍耐力、そして多様な他者と協力してチームとして何かを実現していくという社会性やリーダーシップを身につけるための最高の環境であると考えています。ヨット部を続けるのは、先述した自己を実現するために役立つからです。

要するに一言でまとめれば、部活を続ける理由は自分が成長できるから、です。

現役の先輩方や同輩、そしてLBの方々が、どのような理由で部活を続けられたのかが知りたいです。


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