東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

次なるステップ

2022年03月10日 23時15分00秒 | 通常練習

お世話になっております。
新2年470クルーの阿比留です。


私にとって今クール最大のイベントであった八景レースについて振り返ります。

3/5(土)は八景レース1日目の予定でしたが、吹き上がる予報であったため、午前のみ動作練を行い、午後は赤旗が上がった後ハーバーバックをしました。3/6(日)は微風〜中風予報だったのが、フルトラ〜オーバーの風が安定して吹き、結果的にスピード感のあるレースとなりました。


今大会は

「成長と不足」

を強く感じた大会でした。

私は前回と同じく調さんに同乗させていただきました。1レース目、2レース目は二連続一位、総合で二位です。一位フィニッシュ、気持ち良かったです。どんくらい気持ち良かったかと言うと、「ヨットやってて良かったー!」って思うくらい。二連続なのでその嬉しさも倍増です。嬉しさを隠そうと真剣な顔を取り繕ろうとしても、口元はにやけてる、そんなキモい奴になってた気がします。ただ、そんな浮かれた気持ちとは裏腹に、自分がこの勝利に貢献したとは言えない悲しい現実があります。

本当に、気づいたら周りに船がいないんです。スタボ艇をコールしようにも船が見当たらない。様子がおかしかったです。

「スピードに集中しよう」

レース中にそう言われた自分は、言われた通りヒールトリムと動作を失敗しないことだけに集中しました。今までの合宿でとにかく動作をやりまくったのが功を奏して、目立った失敗はなかった、はずです。
これは成長と言えると思います。ベストパフォーマンスこそ出せなかったですが、寒い中頑張ってきた甲斐があった。そう思います。

しかし、それのみをやるクルーはカッコいいでしょうか。乗せられるだけの、動作をこなすだけのクルーは、ダサいです。何度も春合宿で耳にしたフレーズですが、船はクルーとスキッパーの二人で走らせるものであるはずです。私は、風や波、潮や上空の雲、他艇との関係など、いろんな要素を考慮して頭を使ってコースを引いて戦う、そんなヨットの一面が好きでヨット部に惹かれ、クルーになりました。それ以外にも理由はありますが、一番大きかったのはそこでした。ですが、今の今までそのことを完全に忘れていました。春合宿で動作を繰り返すうちに、それが目的化してしまっていたように思います。ですが、それが間違いだとは思いません。動作は全ての土台なので、まずはそこを徹底的にやる。当たり前の話だと思います。

ですが、葉山への引っ越しも終わり、帆走練が練習の中心になります。そんな中で、乗せられるだけでいられるはずがありません。
目指すべきは、スキッパーとともに船を走らせるクルー。動作の完成度は前提として、タクティクス・ストラテジーを考慮したコースを引き、戦況を見極め、他艇とのコミュニケーションをこなして、スキッパーを安心してスピードに集中させることができる、そんなクルー。

調さんの圧倒的なスピードのおかげで前を走り、自分はバランスを取るだけの存在なのか?と自問して初めて、「俺はこうなりたい」という目標が実感を伴ってかなり明確に見えてきました。

春合宿後半、「すーぱーくるー」になるべく気合を入れて取り組んでいきます。



八景レースリザルト
470
全23艇
4692 調/阿比留 1-1-8-3-5 計18点 2位
4357 高原/山本 4-6-2-1-6 計19点 3位
4452 藤田/丸山 8-2-3-7-4 計24点 4位
4175 安藤・成相/工藤 5-10-11-4-8 計38点 6位
4579 吉田/松尾 6-3-24(DNF)-6-1 計40点 7位
4301 澤田/下重様 10-12-7-10-7 計46点 8位
4303 佐藤/加藤 11-13-13-8-11 計56点 11位

スナイプ
全25艇
31308 西尾/山村 1-1-8-3-1 計14点 1位
31494 古山/大根田 9-2-1-4-3 計19点 3位
30072 千田・青木/神田 11-10-11-7-11 計50点 6位
31418 大野/柳澤 7-3-26(UFD)-6-9 計51点 7位
30785 中静/長岡様 8-13-18-9-14 計62点 11位
30531 今川/永田様 19-19-17-12-12 計79点 17位





盛りだくさんでした

2022年03月09日 10時21分36秒 | 通常練習

お世話になっております。新2年スナイプスキッパーの今川です。

今クールは八景レースに引越しと、イベント満載のクールでした。

そんな盛りだくさんのクールの報告をさせていただきます。

 

4日(金)は唯一一日中練習をした日でした。午前中は上オンの時も少しありましたがどんどん風が落ち、午後はかなりの微風でした。

八景レース前の練習だといことで基本的に上位艇は午前か午後のどちらかは固定されたペアで練習を行いました。午前中は上し下しをした後コース練を行い、午後はコース練を主に行いました。

5日(土)は八景レースの予定でしたが、強風の予報だったため中止となりました。しかし、朝は微風だったので吹き上がるまで練習するということでスナイプは3艇出艇しました。上し下しを2時間ほど行った後赤旗が上がったので着艇し、午後は次の日の八景レースや葉山での練習に向けて整備を行いました。

6日(日)は微風の予報とは遥かに異なって、強風の中で5レース行いました。スナイプチームではLBの永田様と長岡様にお越しいただき、新2年スキッパーのクルーとして一緒にレースに出場していただきました。本当にありがとうございました。

レースの結果は以下です。

個人的な話としては、厳しい現実をみた、という感じでした。スタートが良くても1下から2上にかけてどんどん抜かされて最終的に2下に向かうときは周りに誰もいない、というパターンが多かったです。レースに出ているときは理由がわかっていませんでしたが、上回航で下るのが遅いために不利な位置についてしまうこととランニングのスピードが遅い、ということを指摘していただきました。その他にも強風の中で走る上での課題が浮き彫りになり、学びの多いレースとなりました。

7日(月)、8日(火)は八景から葉山に引越しをしました。

葉山組の人がたくさん掃除してくれたおかげで葉山合宿所がやっときれいになっていました。強いチームは合宿所もきれい、という話もあるので今後もルールを守って汚さずに使っていきたいです。

今川穂乃香


合宿はきつい、なんて言ってられない

2022年03月03日 09時45分00秒 | 通常練習
こんにちは、新2年470スキッパーの澤田です。

今は春合宿真っ只中で、3クールが終了したところです。残り4クール。

夏はコロナで合宿禁止だった期間が長く、新入生の練習期間ではなかったこともあり、あまり練習をした思い出がありません。今回の春合宿が自分にとって最初の本格的な合宿です。

正直な話、合宿をして連日海に出てヨットに乗って率直に思ったことは、ヨットが楽しい、面白いということよりも圧倒的に、ヨットは大変だ、難しいということです。

まず寒い。朝が早い。そしてやることが多い。艤装、解装に始まり、船の整備やトレーニング、掃除、ミーティングなどやるべきことが次々とやってきて休む暇がない。布団があまり快眠できない。メイントリムで手の皮がボロボロになる…

文句を言うつもりはありません。ヨット部に入るという決断をした以上、自分に厳しく、己の体力、忍耐力の向上のためにこなさなければならない。同期だって頑張っているし、先輩なんて週1日多い分もっと大変だ。でも、やっぱりヨットを乗りこなすことへの憧れがあるから頑張れています。

もちろん辛いことばっかりではなく、この合宿は初心者特有の成長を強く実感できる合宿となりそうです。動作練習を中心にタック、ジャイブの動きを繰り返し、体に染み込ませる。それだけでなく、スタートや回航などコース練習の流れも習得し、”ある程度”ヨットを走らせることに慣れてきたかなと思ってます。

ただ、小松コーチもおっしゃっていた通り、ヨットを山登りに例えるなら、ほんの麓の僅かな距離を登ったに過ぎないので、ここから山の上の方が見えてくるよう、練習に励みたいと思います。

では、ここら辺で。

伝える

2022年03月03日 09時00分00秒 | 通常練習

お世話になっております。

新2年スナイプクルーの神田陸人です。

 

しばらくブログは回ってこないだろうと思っていたところ、不意を打たれました。

今クール(春合宿第3クール)のスナイプチームの練習報告をさせていただきます。

 

25日(金)、26日(土)午前、28日(月)は微風のコンディションでした。サークリングの練習を行い、たくさん回りました。スナイプはただマークを締める練習だけでなく、5艇で等間隔で綺麗な円を回る練習をしました。チームとして、常にコミュニケーションをとり、仲間に「伝える」ことの大切さを学びました。また、小松コーチの指導のもとバックの練習も行いました。

29日(月)は午前中は微風でしたが、午後に15m/s近くの南西の風が吹き上がったため、クローズで早めに着艇しました。ハイクアウト気持ちよかったです。

 

微風の日が多かったものの、たくさんのコース練をこなすことができました。クルーとして、スタートライン、周りの艇の状況、風、海面などをスキッパーに「伝える」ことを意識できるようになってきました。ただ少し風が強くなると、なかなかこれが難しくなってしまうので、もう少し余裕を持って考えられるようにならないといけないと日々奮闘しています。

 

思えば、東大ヨット部の一部員として「伝える」ということはすごく大切だなと思います。

海上でのコミュニケーションが大切なのはもちろんですが、それは陸上でも変わりません。

リレーブログなどのブログではみんなが熱い思いを伝えてくれました。

普段のみんなが口に出さない熱い言葉、心の奥の思いの数々に胸を打たれた反面、ブログではなく直接伝えられるチームでありたいということも感じました。

コロナ禍の部活動、食事は黙食で一口食べた後のマネージャーへの「美味しい!」も伝えることができません。

小松コーチは手話をみんな覚えたらいいということをおっしゃっていました。ちなみに「美味しい!」の手話は右の手のひらでみぎの頬を2,3回叩くことらしいです。

 

「伝える」ということ。簡単そうですごく難しいことだなと思います。けれど、「伝える」ことと真摯に向き合うことで、スナイプクルーとして、チームとして、人間として強くなれる気がします。

そんなことを感じた第3クールでした。

 

 

神田陸人

 


セイル・マイ・チーム

2022年03月01日 23時30分00秒 | 通常練習

お世話になっております。クルーザー班2年の関根佑樹です。

 

第2クールと第3クールの活動報告をさせていただきます。

 

詳細な練習内容はFacebookの方に掲載しているので割愛して、この2クールの大まかな2つのトピックについて話そうと思います。

 

一つ目はマッチ練習です。2月の13日と20日に社会人チーム月光が主催する学生マッチに向けた練習会に参加させていただきました。他艇がいる中でラウンディングに特有の緊張感と強度によるプレッシャーで特に回航時の動作の速さ、タイミング、艇内のコミュニケーションを鍛えることができました。さらに、来たるアニオルズカップではヘッドセールがジブセールなので細かい動作に関してもアニオルズカップに向けた良い練習になりました。また、クルーザー班のOBで現在は監督で月光に所属されている松山さんにヘルムを持っていただきました。セールのトリム、走り、タックジャイブについてたくさん学ぶことができ、全体として非常に実りの多い練習になったと思います。

 

二つ目はヘルムをメンバー全員で回す機会が多かったことです。この2クールはフルメンバーで練習をできる機会が少なく、特にヘルムスマンの維摩さんがいない日は残りの四人でかじを交代交代で持って練習をしました。ジブコンディションの強風であったり強風高波のコンディションなどでかじをもつ機会ができ、ヘルムスマンの気持ちの理解が進み、フォアデッキをする際にもヘルムスマンが何を求めているのかより一層わかるようになりました。ヘルムスマン以外にも自分の場合はピットやトリマーといった普段はやらないようなポジションをすることで船全体の動作やセールトリムに関して理解でき、学びの多い練習になりました。

 

さて、こんな感じで部活も充実していますが、プライベートの方でも充実した生活を送っています。最近は映画にハマっています。今日は今絶賛公開中の「ナイル殺人事件」を見てきました。TOHOシネマズ日比谷のスクリーン1というスクリーンがバカでかいところで見てきました。まさにミステリーな面を楽しむこともでき、映画ならではのど迫力で綺麗なエジプトの絵も楽しむこともできる映画でした。ただ、ヨットをやっている故に出てくるヨットにはやはり目が向いてしまいます。舞台は1930年代のエジプトであり、下の写真のようなヨットが出てきました。ヨットというだけで親近感が湧いてしまいます。実はこういうセールが台形っぽい形で斜めにのびているヨットを小網代でたまに見かけます。見るたびにどういうトリムをするんだろうなんて考えたり、こんなのを持っているなんてよっぽどヨットが好きなんだななんて感嘆してしまいます。

 

https://egypt-arabiago.net/ancient_egypt/

 

再来週にはついにアニオルズカップが迫っています。新歓前の最後の大会なので頑張りたいと思います。

 

2年 クルーザー班 関根佑樹