都心の旧校舎にNPOがミュージアムを設立
海外のデザイン性の高いおもちゃや国産の木製玩具で遊べば自然に会話が生まれます
東京おもちゃ美術館ブログ
ユニバーサル・マナーについて学ぶ!
おもちゃ学芸員は、「人と人」「おもちゃと人」を結ぶ架け橋の様な存在です。
そして、東京おもちゃ美術館へ”時間の寄付”をしてくださっている皆さんでもあります。
この様な皆さんに、生涯の学び舎の一貫として、年に2回『館長のグッド・トイ・カフェ』と題して、スペシャルゲストの方に講演をしていただくフォローアップを行っています。
今回は、ユニバーサルマナー協会 講師の薄葉幸恵さんをお迎えし
『バリアバリューの視点から共生社会を目指して』をテーマに講演をしていただきました。
講師の薄葉さんは、幼少の頃肺炎に罹患し、その後遺症で特発性の感音性難聴と診断され、
以降も聴力は落ち続け、30代半ばで聴力を完全に失われたとのことで、ご自身の体験談も含めてお話をしてくださいました。
東京おもちゃ美術館に来館される多様なお客様への向き合い方、心づかいとは?
国籍、性別、年齢、障害の有無にかかわらずさりげない配慮、「障害は、人ではなく環境にある」。
「何かお手伝いできることはありますか?」の一言をかけること、それも『バリアフリー』のひとつではないでしょうか。
「しなければいけない!」という過剰な押し付けではなく、「大丈夫ですか?」などの声がけや見守ることも一つのサポートだと学びました。
ワークショップにて、ペアになったお一人がスクリーンに出た文章を、声を出さずに身振り手振り、口を動かすなどで相手に伝えるという体験や、とある絵を、目をつぶった状態の相手にどう的確に伝えるかなど、ほんの少しですが疑似体験をしたことで様々なことを感じ、見えてきた参加者も多くいました。
「バリアバリュー ~障害を価値に変える」 「ハードは変えられなくてもハートは変えられる」 たくさんのキーワードにより、改めて”きづかい”、”ホスピタリティ”について、振り返るよいきっかけとなったかと思います。
また、今回は、おもちゃコンサルタントマスターでもあり、高齢者アクティビティーディレクター、手話通訳士でもある頭金多絵さんにもお話をうかがいました。
頭金さんは、TOY工房で手作りワークショップも行っていただいています。
そして、ろうあのお子さんまたは、親御さんがろうあでいらっしゃるお子さん向けに”おもちゃの広場”を開催したとのこと。
おもちゃで遊ぶ時も、手作りワークショップに参加している時も、全て手話で会話ができたので、とっても気楽に楽しく参加できたとの感想が多く寄せられたそうです。
そして、既存のおもちゃで、「もっとこうすれば遊べるのに」と、直にメーカーに連絡をとり視覚障害のお子さんでも楽しく遊べるようにリニューアルされたこともあったとか。
何か感じたら、思ったら、行動する! 頭金さんのお話に参加者も一様に頷いていましたね。
多田館長による、コミュニケーション・トイ、”ハブの口”(沖縄の伝承玩具)でのおもてなし?に
薄葉幸恵さんも喜んでいただいたご様子でした
講演前、館内にてとっても楽しく遊んでいただいたので、写真をパチリ
ユニバーサルマナー検定など、ユニバーサルデザインのコンサルティングもされている株式会社ミライロ 様に大変お世話になりました。
ありがとうございました
第23期・第24期おもちゃ学芸員養成講座を開催します。
詳細はこちらからご覧ください。
はっち