みんなで13mの反物を染めよう!秋の展示&冬ツアー

東京おもちゃ美術館では、地元の文化として、
伝統を受け継ぐ 新宿・落合の染め文化を館内に展示しております。

今回、新宿・落合にある「染の里おちあい」様にご協力をいただき、
13mの反物を染める企画、第1回目の秋の展示のご紹介、
第2回目冬ツアーの様子をお伝えします。
秋ツアーの様子はこちらから→みんなで13mの反物を染めよう!秋ツアー

まず、秋の展示は染め体験に参加したおもちゃ学芸員も
一緒に展示をいたしました。



染めた時には、白地の部分に黒い防染糊がついていた為、
広げた瞬間に、パッと明るく、色も綺麗に映えている仕上りに歓声があがります。

1mずつ分担して染めたので、自分の部分がどうなったかなと
わくわくしながら、展示作業を進めます。


今回初めての展示となる為、どうやって展示するか相談し、
針仕事もありながら、2階廊下の天井部に吊り、お披露目となりました。




10月の秋ツアーから始まり、現在も館内2階に展示をしております。
今後、春夏秋冬、4回の展示入替予定です。
********************************

2回目となる冬ツアーは2024年12月10日に、今回は12名のおもちゃ学芸員と
一緒に、秋ツアーとはまたガラッと変わった柄の反物を染めて参りました。


染の里おちあいに到着してすぐ、代表の高市様に説明していただき、
早速染めの準備に入っていきます。



職人の井上様にご指導いただき、早速引き染めからはじめていきます。
今回は地を黄色に全体を染めていきました。


その後、3色を振り分けて、柄にさらに重ね塗をしていきます。

リボンのような柄の中で、3色の配分を変えて染めてみたり、
地の黄色を残したり、様々な組み合わせを考えながら、
集中して、だんだんと静かになる工房。。。

たまに顔を上げて、他の人を見ると、「そんな染め方もあるのね!
面白い!私もこんな風に染めてみたよ!」と楽しんでいるお話が
聞こえてきました。

今回も参加者の工夫が見える、素敵な仕上りになりそうです。
こちら冬の展示は2025年1月13日より開始予定です。
また写真の黒字の部分は、染め防ぐ防染糊ですので、仕上りは白くなります。
どんな風に仕上がるか、是非お楽しみにお待ちください。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

全国おもちゃ学芸員交流会2024

全国おもちゃ学芸員交流会2024を12/7(土)に開催しました。
姉妹館を含めて12館のおもちゃ美術館で2,000名を超えるおもちゃ学芸員の皆さんが日々活躍しています。12館が一堂に会する年に1度の交流会は各館がオンラインで繋がり、今回も賑やかな集いとなりました。



第1部は「おもちゃ美術館自慢」をテーマに、6館の各々のおもちゃ学芸員さんが好きなおもちゃの遊び方について趣向を凝らしながら楽しく紹介しました。

讃岐おもちゃ美術館は八嶋流投扇興の実演。エイっと投げると各館から拍手喝采!


檜原森のおもちゃ美術館は、筒けんの玉を檜原名物「ゆず」に替えてみんなでリレー。筒けんの楽しみ方が広がるヒント満載でした!


木曽おもちゃ美術館の木曽五木で作った家の紹介に、各館から「おおー」と感心の声。

この他、徳島木のおもちゃ美術館、那賀町山のおもちゃ美術館、佐川おもちゃ美術館から各館の特色がよくわかる楽しい紹介がありました。

第2部は、おもちゃでもっと遊ぼう!「姉妹館対抗 リモート歌会」では、2024年のグッド・トイに選ばれたカードゲーム「57577」を使って、各館1句ひねりました。お題は「おもちゃで遊ぼ!」

東京でも、「どんな歌にする?」「これを入れよう!」とワイワイことばを選んで行きます。
「わー、時間が無くなってきた!急げ急げ」制限時間ギリギリに完成!


各館の歌の紹介を聞き投票した結果、3位は福岡おもちゃ美術館、2位は徳島木のおもちゃ美術館と那賀町山のおもちゃ美術館、そして栄えある1位は花巻おもちゃ美術館でした!全館から大きな拍手が響きました!


それぞれの館の特色や工夫された活動、そしておもちゃ学芸員皆さんのお人柄も感じることができ、ますます各館に行ってみたくなったひとときでしたね。
また来年、お会いできるのを楽しみにしています!

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

【イベントレポート】スベスベ葉っぱのキーホルダーを作ろう!


11/30(土)に、アーティスト&デザイナーの江幡美香さんをお招きして木工作イベントをおこないました。
江幡さんは「スタジオ鼎 mamamano」という屋号で作品を制作し、木製おもちゃ「四季・木つみ木」は2018年度のグッド・トイ大賞にも選ばれています。

「東京おもちゃ美術館 特別仕様」の大型 木つみ木は、2階「おもちゃのもり」に設置されていますので、是非遊びにいらしてくださいね!

↓2018年度のグッド・トイ大賞 木つみ木
https://goodtoy.jp/archive/2018/gd.html



さて、今回の工作は江幡さんが工房を構える埼玉県産のヒノキ材を3種類の紙やすりで磨き、最後にヒモとウッドビーズを付けてスベスベな手触りの「葉っぱ型キーホルダー」に仕上げます。

まずは葉っぱ型のヒノキを選びますが、木目が全て異なっていて迷ってしまう!どれもすてきです。



選んだヒノキの側面は、紙やすりの下にスポンジを敷いて研磨することによりアーチ状に磨かれて、柔らかな手触りに変化します。
紙やすりの磨き方から江幡さんがご指導くださり、初めて紙やすりを使う皆様も熱心に取り組んでいました。



開館時間中は来館者の皆様と工作を楽しみましたが、閉館後はおもちゃ学芸員の皆様専用に江幡さんがイベントを開催してくださいました。
江幡さんの制作秘話に耳を傾けながら、無心で木を磨きます。



江幡さんは「木製絵本」も制作されており、「大型バージョンの木製絵本」も今回は遊べるおもちゃとしてお持ちくださいました。
絵本に彫られている動物たちは、江幡さんの工房の周りで見ることができる動物たち。
江幡さんの「日常の視線」を感じられる作品です。



大人も子どもも、江幡さんの笑顔と共に楽しんだ一日となりました。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Children in museums Award 2024 レポート【美術館・幼稚園訪問編】

こんにちは。東京おもちゃ美術館 運営部 チーフディレクターの貝原です。
Children in museums Award 2024 レポート【前夜祭・プレゼン大会編】 【表彰式編】に引き続き、【美術館・幼稚園訪問編】をお届けします。
今回でレポート最終回です。



■■■ベナキ・トイ・ミュージアム訪問
キプロス共和国から隣国のギリシャに移動しました。
ベナキ・トイ・ミュージアムは、ギリシャを代表するベナキ博物館の分館で、ギリシャのおもちゃを中心に各国のおもちゃを展示・収集しています。

「おもちゃ」に特化して展示する美術館という事で詳しくお話を伺いたく、事前に先方に連絡を取り、キュレーター2名からお話を伺うことができました。
ギリシャで出土した紀元前の人形から、現代のバービーまでのおもちゃの収集理念、展示の工夫、ギャラリーツアーなどの教育普及活動について1時間半にわたりお話することができました。

特に、寄贈を受ける際の工夫は、当館でも取り入れることができそうだと感じました。
おもちゃは生活に寄り添ったもののため、そのおもちゃのオーナーがどのように使っていたのか、誰が作り、誰からもらったなど、そのおもちゃのストーリーを含めてヒアリングし、その情報をギャラリーツアーで話す内容にも組み込んでいるという事でした。




■■■幼稚園訪問
ギリシャの首都アテネから、サントリーニ島に移動しました。
サントリーニ島は人口約2万人、幼稚園は4件あります。
公立と私立(ギリシャ正教が出資している)に分かれているとのことです。

訪問した時間は、ちょうどお迎えで保護者が幼稚園の入口でたくさん待っていました。
お話を伺った所、サントリーニ島は治安が良いので小学生くらいになると1人で登下校も可能との事で、子育てに向いているとの声がありました。

ただし、夏になると気温が45度を超えることもあり、40度を超えると外にはなるべく出ないそうです。
そのためなのか、訪問した幼稚園は2件とも園庭がかなり小規模でした。




■■■プラントイ・ギリシャ店
2024年度のグッド・トイにも選ばれているタイのおもちゃメーカー「プラントイ」のギリシャ店が、宿泊していたホテルの徒歩圏内にありましたので立ち寄りました。
日本未発売のシリーズが置かれていたり、陳列方法に工夫があったり、また、立地が高級ブランド街の一角にあったため、お客様の層の住み分けなど興味深い体験となりました。




■■■最後に
さて、10/2(水)~9(水)までの行程を振り返りましたが、2か月たった今でも昨日のことのように思い出されます。

世界に目を向けると子どもに特化した美術館はいくつもあります。しかしおもちゃ美術館は「多世代」という目線を崩さず、「おもちゃは0歳~99歳まで楽しめる」「おもちゃを介したコミュニケーションを多世代でおこなう」という体験を提供しています。この部分がアワードで評価されたことは、一職員としてとても誇りに思います。

また、行程を共にした杉本は、法人会員の皆様との学びの旅「スタディーツアー」で楽しめそうかという目線でも各施設を見ていました。ベナキ・トイ・ミュージアム(ギリシャ)、The Museum of Solutions –MuSo-(インド)、ソウル子ども博物館(韓国)など、法人会員の皆様も興味がありそうな施設の皆さんと繋がりを持つことができました。世界中のキュレーターと話すことができる機会は、人生でも滅多にあることではありません。前夜祭や後夜祭などのリラックスした状態でざっくばらんに自分の施設の話をできたことも、私にとっては財産になりました。

そして、行程中は「おもちゃの力」を感じずにはいられませんでした。つたない英語でもおもちゃに助けられた場面はたくさんありました。今後はこの度の経験を活かし、館内業務に臨みます。

パワーアップした東京おもちゃ美術館に、是非遊びにいらしてください!

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Children in museums Award 2024 レポート【表彰式編】

こんにちは。東京おもちゃ美術館 運営部 チーフディレクターの貝原です。
Children in museums Award 2024 レポート
【前夜祭・プレゼン大会編】に引き続き、【表彰式編】をお届けします。



■■■ディナータイム
プレゼン大会後はバイキング形式のディナー、その後にいよいよ今年度のグランプリが決まる表彰式です。

ディナータイムと表彰式の会場は、
レヴェンティス市立博物館
この博物館は、3階建ての古民家(豪邸)を改装したもので、キプロスの歴史や発掘された遺跡を展示しています。
キプロスの小学生は一度は社会科見学で訪れるとのこと。
建物自体もキプロスの歴史として見ごたえのある作りになっています。

その博物館地下の多目的ホールにキプロスの郷土料理が準備され、ワインを楽しみます。
私達が着席したテーブルは、オランダの美術館のキュレーターとキプロス在住のレース編み作家も一緒でした。
キュレーターのお子さんも同席していたため、杉本が折紙を教えたところ、大人達もその折り方や仕掛けに驚いていました。




■■■表彰式
美術館地下のディナー会場から屋外の中庭に移動し、表彰式が行われました。

ノミネート7館の中からインドの美術館が選ばれ、TTMからミッフィー像の手渡しをおこないました。
インドが評価されたポイントは、「インドは未だ人身売買が行われ、美術館の様な文化的な要素に触れることができる子どもは一握り。しかし、少しでも裾野を広げようと『文化的なものに触れることができない・触れてこなかった子どもに伝えていくにはどうしたらよいか』『子ども達を集め、話し合いながら美術館のコンテンツを子どもと共に作り上げた』」という、対話やコミュニケーションの部分、美術館の成り立ちが評価されました。

●Children in Museums Award 2024公式サイトのレポート
https://hands-on-international.net/awards/award-2024/

●インドの地元紙にも掲載
https://www.freepressjournal.in/mumbai/mumbai-muso-becomes-first-indian-museum-to-win-prestigious-hands-on-children-in-museum-award-brings-miffy-trophy-to-india




■■■後夜祭
表彰式の後は、キプロスの民俗音楽奏者と舞踊のダンサーが登場し、最終的に参加者全員で民俗舞踊を踊って一日が終わりました。
踊りは23時まで続き、大いに話し、笑った1日でした。

↓後夜祭でも5連けん玉は大人気



この後は、翌日10/5(土)から訪問したギリシャ編に続きます。
次回で最終回です。
ギリシャの「ベナキ・トイ・ミュージアム」「幼稚園事情」をレポートします!
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )