都心の旧校舎にNPOがミュージアムを設立
海外のデザイン性の高いおもちゃや国産の木製玩具で遊べば自然に会話が生まれます
東京おもちゃ美術館ブログ
【館長のグッドトイカフェ:今回のテーマは「木」】
こんにちは。
夏も過ぎ去り、東京はだんだん涼しくなり、
紅葉やイチョウがだんだん色が変わってくる季節になりました。
そんな中、9月19日(火)に館長のグッドトイカフェを開催しました。
館長のグッドトイカフェとは、
年に2回あるスペシャルゲストと館長が対談するおもちゃ学芸員(ボランティア)のイベントです。
今回のテーマは「木」です。
このテーマを選択した理由は、当組織には、ウッドスタート事業部という木育を推奨する事業部があり、私たちの木育の一つに、木のおもちゃから樹木や森林に思いをはせ、優しい心を育てるというものがあります。その他、グッドトイ認定玩具の中に木のおもちゃが増えてきたことや、9月16日(日)から全国の木のおもちゃ作家を紹介する「木のおもちゃ20作家展」を開催いたしました。当館で木のおもちゃが身近になった今、まずは木を好きになってもらう機会を作ろうと企画したのが今回のテーマです。
お迎えしたゲストは、東京農工大学名誉教授 生原 喜久雄先生です。
森林生態学、森林育林学、森林土壌学の専門家の方です。
「最高の生きた芸術品〜木の神秘に迫る〜」というテーマで、実際は専門的な難しい内容だったと思いますが、どなたでもわかるように説明してくださいました。そして、なんと生原先生は1時間半立ちっぱなしで熱い講演でした!!
この最高の生きた芸術品という題は、生原先生のお言葉を頂戴したのですが、木は地球の環境を感じ取り、合理的な戦略のもの、進化をしてきたそうです。広葉樹は樹木が進化したカタチですが、栄養価が高い花粉を多く飛ばさないように虫や鳥を利用して受粉をします。その虫や鳥を誘い込む為に花に適切な色をつけ、蜜をだし、時には果実を実らせます。
森林浴をしているとき、涼しく感じるのは、木陰だからだけではなく、光合成をするために、ビルのような大きさの樹木が大量の水を大地から吸い上げ、葉の先端まで届け、気孔(葉の裏側)から放出しているからだそうです。夏に気孔を開いたままにすると大事な水分がどんどんと出ていってしまうので、光合成を行う朝方と夕方に気孔を開き、暑い昼間は閉じているそうです。
木も人間と同じように光を感じながら生きています。
枝の生え方、葉っぱの付き方、花の色、カタチ全てに意味があり、こういったことが最高の生きた芸術品と言えるのだと思います。
どこを散歩しても見かける木ですが、突然思いを馳せてみてくださいと言われても、難しいと思います。実は木は皆さんが何気なく横を通り過ぎたときも、水を吸い上げたり、養分を樹皮に送っていたり、時には山を支え、生命を優しく包み込んでいるのです。屋久島の縄文杉は樹齢7000年という説もありますが、それほど大昔から世界を見ていると思うととてもロマンがありますよね!
少し興味をもって木を知ることが親しみに繋がり、木のおもちゃ、さらには自然を大事にする方が増えることを願っています。
そして、そういったちょっとしたきっかけづくりを私たちができていれば幸いです。
(画像:東京都檜原村の風景)
まずは館内で木のおもちゃに囲まれながら、木に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
■おもちゃ学芸員養成講座募集中!!
詳細URL:http://goodtoy.org/ttm/about/gakugeiin.html
■作家大集合!
木のおもちゃ作家と一緒にワークショップ
詳細URL:http://goodtoy.org/ttm/event/exhibitions.html
こびー