明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(192)「河野太郎・脱原発 in 京都」トーク集会に参加します。(7月17日)

2011年07月13日 23時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日

守田です。(20110713 23:30 )

再び京都の企画のお知らせです。7月17日に、自民党の河野太郎さんを囲んだ討論会が行われます。僕もスタッフとして参加します。事前申込制で、あと枠が30人ぐらいだそうですので、ご参加ご希望の方、お早めにお申し込みください。

当初、この企画への協力を求められた時、とまどいも感じました。国会議員さんにあまり興味を感じないことが一つ。ましてや自民党の方にはなおさら興味を感じないことが二つ。さらに河野さんの見解自身も良く知らないことが三つ。

でも、今はこういう考え方は狭いかなあと思いなおしました。
国会議員だからではなく、自民党ということも差し置いて、原発を批判している人の話なら、何でも聞いたり、話したり、意見を交わしたりする必要があるのではないだろうか。

ましてや、原発推進派の総本山だった自民党の中で、原発への批判をどうやって行っているのか、一度、虚心坦懐に耳を傾けてみなくちゃいけないなと思い、参加を考えました。それで河野さんの見解を学んでみました。

それで見えてきたのは、河野さんは脱(反)原発ではなくて、「反核燃料サイクル」という立場にあることです。この辺が、ネットテレビ「トーク・オン・デマンド」をまとめた地震と原発 今からの危機』に掲載されたのでみていきましょう。(同書は「扶桑社」から刊行されています)


河野さんによる核燃料サイクル批判

核燃料サイクルについて、河野さんはこう述べています。「たくさん問題があります。まずひとつは、一番の肝である高速増殖炉が、まったく見通しが立たないこと。・・・いま政府の公式見解では「少なくとも2050年までは実用化できない。そのあとは分からない」。つまり高速増殖炉なんで影も形もないわけ。」(同書p191)

現在日本が40トンものプルトニウムを使い道もなく持っていることを踏まえつつ「青森県六ケ所村に核燃料再処理工場を建設中で、これができたら毎年8トンもプルトニウムができちゃうんです。こんなバカな話はないでしょう。これが2番目の問題」(同書p192)

「で、推進派は切羽つまって「プルサーマルでいきましょう」と言いだした。でもプルサーマルは・・・1割のウランを節約できるだけなんですよ。・・・全部MOX燃料にしても、ウランの埋蔵量70年分が7年伸びるだけでしょ。寿命を7年延ばすのに何兆円もかけるんだったら、オーストラリアのウラン鉱山を買っちゃった方が安いという話で。これが3番目の問題です。」(同)

つまりプルトニウム利用計画が、高速増殖炉建設の行き詰まりによって展望がなくなっているのだから、核燃料サイクル計画から撤退すべきだというのが河野さんの基本的な見解で、僕はそれ自身は正しいと思います。

僕自身、今、「行き詰った原子力政策」を連載中ですが、そこでも原子力政策の行き詰まりの大きな根拠としてあげているのは、プルトニウム利用計画の破産です。

なぜならもともと原子力政策は、ウラン鉱石の中に99.3%も含まれる、核分裂しないウラン238が、中性子を吸収してプルトニウム239という核分裂性物質に変わるので、これを取り出して新たな燃料にし、多大なエネルギーを手にするための政策なのであって、核燃料サイクルのとん挫は、原子力政策そのものに未来がないことを示すものに他ならないからです。


原子力政策からのソフトランディングをめざす河野さん

ではどのようにして核燃料サイクルを閉ざしていくのか。あるいは原子力政策からどう離脱していくのか。この点を河野さんはどのように考えているのでしょうか。同書の中ではなぜか対談している神保哲生さんがまとめています。

「僕からざっと解説すると、まず「原発の新規立地も増炉もやめる」。それから「危ない原発―古かったり活断層の上だったりする原発を止める」。それ以外の原発は、安全確認を行った上で稼働する。原子炉の耐用年数が40年とすると、どんどん廃炉になって、2050年までには原発はなくなるわけです。その間、再生可能エネルギーの普及を猛スピードで進め、中継ぎ的に天然ガスを使う。これが河野さんの提案です。」(同書p205)

つまり「危なくない原発の稼働は認める」という、言わばソフトランディング計画なわけです。これを踏まえて河野さん自身は次のように語っています。

「僕自身、「原発は危ない」という論点には、意図的に与してこなかったんです。「原発危ない!止めろー!」みたいな運動がありますが、逆にあれも感情的だったり、あまり論理的でないと思うんで。「明日止めろ!」「じゃあ電気はどうすんの?」ということになっちゃう。
 だからどうぞやってください。私は横で見てます、と。ですが、合理性で議論できる核燃料サイクルについては、私が出ていってケンカを買います、と。」(同書p211)


河野さんは原発の危険性を軽視しすぎではないか?

・・・河野さんは、「原発は危ない」というのは「感情的だったり、あまり論理的でないと思う」とおっしゃる。これには巨大なハテナマークです。福島原発事故を見たら、原発は危ないということは「感情的」でも「論理的でない」こともないのは明らかではないでしょうか。むしろ「論理的でない」とおっしゃる河野さんの方が、論理性を欠いているのではないでか。

原発は危ない・・・。多くの人がそれを論理的に解明してきました。その中心にあったのが日本は地震国多発国であること、また歴史的に何度も巨大な津波が起こっていることでした。そうして今回、悲しいことにその論理的な指摘通りのことが起こってしまった。にもかかわらず、河野さんのこの見解は、僕には納得できないですね。

さらにそうした地震や津波による崩壊だけでなく、そもそも通常運転でも原発が放射能を常に漏らしていること、また深刻な被曝労働があってこそ、運転が成り立っていることにも、河野さんの目は行き届いてないのではないでしょうか。あるいは内部被曝の問題を余りに軽視しているのではないか? 僕にはそう思えます。

それらから、僕自身は、自民党の内部から核燃料サイクル批判を行っている河野さんに共感を表明しつつも、河野さんにもっと原発の危険性について目覚めて欲しい、内部被曝の恐ろしさに気がついて欲しいという想いから、お話をしにいこうと思います。そんな点で「河野太郎さんとガチンコ討論」ができて、実のある集まりになるといいなと思います。

申し込み枠が後わずかですが、興味があるかたはぜひご参加下さい。こうやっていろいろなところで論議を重ねながら、脱原発の道をみんなで創っていけるといいと思うのです。

**************************

「河野太郎・脱原発 in 京都」 トーク集会 
2011年7月17日(日) (事前申込制)

【日時】 2011年7月17日(日)14:00~16:30
【場所】 京都市岡崎 みやこめっせ地下会議室
【要・事前申込】 先着120名
【申込先】 sato_etsu[@]hotmail.com
 090-4037-2158(さとなか)

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長年、原子力開発を推進してきた自民党にあって、党内から疑問を呈し、臆せず批判を続けている衆議院議員河野太郎さんと、フリーにおしゃべりする場をもちました。ナマ河野太郎さんとガチンコ討論、ぜひ、ご参加ください。

注意事項:事前申込制です
(2011年7月11日付:主催者からのメール案内より)

「17日の河野太郎議員とのトーク集会は申し込み制です。
まだ席にゆとりはありますが、もしかしたら(先着120人だから並べばいい)と誤解されている人もある様子です。
当日混乱のないよう、ご連絡をお願いします。」

【申込先】 sato_etsu[@]hotmail.com
 090-4037-2158(さとなか)

(なおこの集会案内はピースメディアから転載させていただきました。http://peacemedia.jp/event/110717.html

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明日に向けて(191)清水ただしの派遣村TV公開収録に参加します。(7月18日)

2011年07月13日 11時30分00秒 | 明日に向けて7月1~31日
守田です。(20110713 11:30)

これまで3回ほど出演させていただいた、「清水ただしの派遣村
TV」が、7月18日に公開録画を行うことになりましたので、お知
らせします。僕もスピーカーの一人として参加します。大阪での
開催です。お近くの方、よければご参加ください。申し込み先着
順です。

申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。
会場アクセスのための地図も出ています。
http://hakenmura.tv/pdf/note.pdf
http://hakenmura.tv/pdf/acsess.pdf

このテレビは、インターネットで配信中。社会問題、労働問題な
どさまざまな課題について、派遣村村長の清水ただしさんが、ゲ
ストを招いて突っ込んだ討論を行っています。僕も原発問題で
繰り返し出演させていただいています。僕が参加した番組は以下
の通りです。

○4月30日 福島原発事故について
http://www.youtube.com/watch?v=s5jKoYRBQ08&feature=related
○6月11日 事故対策、チェルノブイリ事故との比較、
正常性バイアスなど 
http://www.youtube.com/watch?v=xf1hyRqd_qc&feature=related
○6月25日 核兵器開発の副産物としての原子力発電と、
放射線から身を守る方法 
http://www.youtube.com/watch?v=GNEhFjWWOp8&feature=related

今回は、村長の清水ただしさん、アシスタントの清水共子さんの他、
労働問題でやはり何度か登場されている大前弁護士と、僕と、4月
に村長代理をつとめたたつみコ―タローさんの5人で出演し、労働
問題、原発問題、大阪の経済について語り合います。公開録画との
ことで、会場からも質問をいただきながら進めていくそうです。

ちなみにこのときに僕は、お土産として脱原発団扇を持参するつも
りです。会場でみなさんにパタパタと振っていただいて、それも
収録していただき、会場からの帰りのバスや電車の中でも、パタパ
タと振っていただこうと思っています。

大阪では24,25日に天神祭がありますので、そこでもパタパタと
振っていただきたいですね。

脱原発団扇については、下記をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/uchiwa10/20110630/1309453755
僕のブログでも紹介しています。
http://abc.pwkyoto.com/?eid=245
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/830d8ba2b31b93148863d04bb63e829b

以下、当日の公開収録についてのお知らせを貼り付けます。

*************************

行き倒れより、食い倒れの大阪に!
清水ただしの派遣村TV 公開収録
日時:7月18日(月)海の日 
受付開始 13:00  収録 13:30〜16:30
会場:関西共同印刷所3号館4階

定員:100名(お申し込み先着順)
参加費:無料  
お申し込み:申し込み用紙ご記入の上、FAXをお送り下さい。

☆ただともトークショーも開催☆
参加予定ゲスト
大前治さん(弁護士)
守田敏也さん(フリーライター)
たつみコータロー(此花区)他

話題は、労働問題、原発問題、大阪の経済についてです。

会場アクセス(市バスor 徒歩)
◆大阪駅前5のりば(JR 高架下歩道) から市バス58系統乗車
(野田阪神行き)大淀中四丁目下車
※12:35 発のバスにご乗車下さい。(12時代この1本のみ) 
◆野田阪神前3 のりばから市バス58系統
(大阪駅行き)大淀中四丁目下車
※12:14 発と12:54 発のバスがあります。
(参照:大阪市交通局 http://www.kotsu.city.osaka.jp/index.html
◆福島駅(JR 環状線、阪神電車) から徒歩約15 分

<お問い合わせ>
国会議員団大阪事務所内 派遣村TV製作委員会
〒540-004 大阪市中央区玉造2ー15ー7
tel : 06-6768-7371 fax : 06-6762-2673
mail : mail@hakenmura.tv ( 担当:桑山 )



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