明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(840)蘆葦の歌―台湾の日本軍「慰安婦」被害者たちの回復への道のり―東京上映会に向けて(上)

2014年05月06日 09時00分00秒 | 明日に向けて(801)~(900)

守田です。(20140506 09:00)

みなさま。ゴールデンウィーク最後の日になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
僕は今日までゆっくり過ごし、明日からまた動き出します。すでにお知らせしたように8日に東京でトルコ訪問に関するお話をさせていただきますが、前日の明日、7日には台湾のおばあさんたちの映画を同じ東京で鑑賞します。
映画のタイトルは『蘆葦の歌』。「あしのうた」と読みます。台湾人映画監督の呉秀菁(ウシュウチン)さんのもと、3年がかりで撮影されたものです。まずは予告編をご覧下さい。北京語ですが様子が伝わると思います。

【 蘆葦之歌 】慰安婦阿嬤的光影紀實 ☆電影首波預告☆
https://www.youtube.com/watch?v=V2lpKsdZi0g

昨年9月28日に台北市でオープニング試写会が行われましたが、その時の記事もご紹介しておきます。日本語記事です。

台湾人元慰安婦の記録映画、プレミア上映 「歴史の傷忘れるなかれ」
中央社フォーカス台湾  2013年09月29日15時13分
http://news.livedoor.com/article/detail/8110613/

内容はどのようなものでしょうか。おばあさんたちを長く支えてきた「台湾の元「慰安婦」裁判を支援する会の柴洋子さんが次のように説明しています。

***

「台北市婦女社会福利事業基金会(通称:婦援会)は、1996年から被害者たちを支える活動のひとつとして心理治療を兼ねたワークショップを実施してきた。
ワークショップは、絵画、小物づくり、ヨガ、料理から、生まれて初めて持つカメラでの写真撮影会や自分たちが演じる即興のドラマまで様々な内容があり、たいていは台北郊外に1泊旅行を兼ねて行われた。
阿媽(アマア 台湾語でおばあさんのこと―守田注)たちの希望で金門島や澎湖島など台北市を出る旅行もあった。阿媽たちはみんなに会えるからとワークショップを楽しみにし、歌い、踊り、笑い声をあげた。
最初は口を閉ざしがちだった自分の被害についても語り合うようになった。この『蘆葦の歌』は、そんなワークショップの最後の3年間とともに、家族が静かに阿媽を支え続けた様子、台湾・日本の支援者との交流の中で阿媽たちが歩む様子を記録している」

―上映会案内チラシより

***

Facebooのページもお知らせします。同じく北京語ですが、雰囲気をくみ取ってください。
https://www.facebook.com/SongoftheReed


以下、上映会の案内も先に貼り付けておきます。

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

  蘆葦の歌 Song of the Reed 上映会
  台湾の日本軍「慰安婦」被害者たちの回復への道のり

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

沈黙し続けた女性たちが、語り出した。
そこにはどんな努力があったのか。

ここ3年間、家族に支えられ、台湾・日本の支援者との交流を通して、被害女性たちが歩んできた回復への道をたどったドキュメンタリー。

■日 時 5月7日(水)午後6時30分~9時30分(開場6時)
■参加費 900円
■場 所 なかのZERO(本館) 視聴覚ホール(地図)
     JR中央線・地下鉄東西線 中野駅下車、徒歩8分

■プログラム
映画上映
「蘆葦の歌」(呉秀菁監督/76分/2013年/婦援会制作)

トーク
・陳蓮花さん(日本軍「慰安婦」サバイバー)
・康淑華さん(台北市婦女救援社会福利事業基金会執行長)
・呉秀菁さん(「蘆葦の歌」監督)

■ゲスト紹介

陳蓮花(チン・リェンファ)さん
1924年生。看護婦の仕事があるといわれてフィリピンのセブ島で被害を受けた。

康淑華(カン・シュウファ)さん
日本軍「慰安婦」の支援をしてきた婦援会執行長。

呉秀菁(ウ・シュウチン)さん
国立台湾芸術大学電影学系助理教授。「蘆葦の歌」の監督。

=====================================
 主催  台湾の元「慰安婦」裁判を支援する会/日本と台湾の歴史を考える会/
    アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)
=====================================

*****

実はこの映画、僕もほんの少しだけ出演しています。監督のインタビューを受けて、僕の阿媽への思いを語っています。
このため昨年の試写会には、婦援会から正式なご招待をいただき、航空運賃も負担してくださるとの連絡が来たのですが、あいにくすでに自分の講演が入っており、お断りせざるを得ませんでした。
その映画がやっとのことで日本にもやってくることになったので、今回は是非、参加したいと思っていました。幸いにも手術の予後がとても良いので、上映に駆けつけることにしました。

映画と共に、作品の中に登場する阿媽の一人、陳蓮花(チンレンファ)さんが来日されます。というか映画に登場するおばあさんの多くがすでにこの世を去っており、今もお元気なのはお二人だけ。
そのうち体調の問題で何とか日本に来れる最後の一人がレンファアマアなのです。そのレンファさんも身体の心配から何度か、行く、行かないとの迷いを重ねたのち、最終的に来てくださることになったのだとか。
この他、監督の呉秀菁さん、婦援会の執行長の康淑華(カンシュウファ)さんも参加されます。みなさん、それぞれトークもしてくださる予定です。
同じく長く阿媽たちを支えてきて、僕ら日本からの参加者ともとても親しい友人になってくれた呉慧玲(ウホエリン)さんも参加されます。みなさんにお会いするのがとても楽しみです。

とくに僕は個人的に蓮花(レンファ)アマアに特別な思いがあります。というのは婦援会の活動に参加しながらも、自らはカムアウトしていなかった彼女が初めて証言を行ったのが、私たちが2006年に京都にお招きしたときのことだったからです。
このとき来てくださったアマアは3人。その中で蓮花(レンファ)アマアだけがまだ公の場で証言をしたことがありませんでした。ところが他の二人の発言と、会場の温かい反応を見た彼女が、「自分も話す」と言い出して、証言が実現したのでした。

続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする