OM-2nが来ていますね。TTLダイレクト測光とフィルム幕面の反射を測光するなどが特徴ですね。プリズムと接眼レンズの内側にホコリとカビがありますので清掃とモルト交換をします。OM-1でも一緒ですが、巻き上げレバーを取り外すためにナットを緩めますが、カニ目と見えるのは実際のカニ目よりも一回り小さな穴の開いた化粧プレートで、これを傷を付けずに分離しなければなりません。SSでは、分解時は破壊をして、新品のプレートで組み立てるのでしょう。しかし、新品のプレートは無いので溶剤を毛細管現象によって浸み込ませて接着を緩めます。
両面テープを貼って一気に引き剥がします。
接着面は中心付近のみ。あまり溶剤を入れると下の樹脂カバーを侵すので注意が必要です。
OMシリーズもプリズムの腐食が多いですが、遮光用のモルトが悪さをしています。この個体は、幸いプリズムとの密着が甘くて難を逃れていました。プリズムを取り出して清掃とモルトを交換します。
マニュアル用のCdsがセットされた接眼レンズ。汚れをきれいに清掃します。
露出補正表示用(+-)の部品。位置決めがアバウトになり易いので、ファインダー像を確認しながら位置決めします。
シンクロソケット金具に新しいモルトを貼って接眼ユニットと共締めします。
スクリーンとリターンミラーも清掃しておきます。
裏蓋の劣化したモルトもきれいに清掃しておきます。
新しいモルトを貼っています。
この個体は、化粧プレートの接着が強固でしたので、分離にはカニ目穴にも力を掛けたので、穴の内周の黒アルマイト剥がれをガンダム塗料で補修しておきます。
付属の100mm f2.8にもカビの花が咲いていますので、分解清掃をしておきます。
清掃をしたレンズを装着して終了です。
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以前に入手しておいたセイコーのクロノグラフ 6139-7010 です。風防ガラスは割れてリュウズも欠品しているというジャンク状態。ケースも傷があります。しかし、この種のモデルに多い分解歴は無いようで、文字板は無傷です。これだけでも貴重です。クロノ針の蛍光オレンジも退色していますね。赤色のモデルも存在するようです。機械をO/Hするまえにケースを仕上げておきたいですね。
ケースとべセルの傷を研磨してケースはヘアライン仕上げとしてあります。風防ガラスは純正を見つけることは至難で、あっても高価ですが、北海道のINOBOOさん経由で時計店さんの在庫を譲っていただきました。純正はハードレックスです。リュウズも幸い入手することが出来ました。では、やらなきゃならない雰囲気ですね。
そうそう、このブログはOCNを利用していたのですが、近いうちに閉鎖になるとのことです。どうしようかな?
で、完全に清掃したインナーリングとパッキンをセットします。
パッキンに風防ガラスを正確にセットしてからベゼルを圧入しました。アップすると、取り切れない打痕が見えますね。しかし、オリジナルの形状を変えたくないので程々にしています。
文字板をセットして様子を見ます。ブラック一色で計器みたいで気に入っています。
ボタンの傷を研磨して消しておきました。リュウズをセットして。。なかなか良い雰囲気。では、機械を仕上げないといけなくなりましたね。
すべて分解洗浄をしたところ。キャリバーは6139Aで機械落径27mm厚み6.65mm 振動数21.600回/時(6振動)の小さな機械に、従来では困難とされいた自動巻機構を装備した優秀な機械です。普通の腕時計より複雑な機構と、クロノグラフの微妙な調整が難易度の高い機械ですね。
構造が複雑なので、組立手順は技術解説書通りに行います。(組めなくなってしまうので)各部の注油も指定通りの油脂を使います。
まずは、基本の部分から組んでいきます。香箱、二番車、三番車、ガンギ車をセットしていきます。
クロノ部分を載せて複雑になってきましたね。
テンプ側から。さらにこの上に自動巻機構が載ります。
この機械には軸受部の保油装置としてダイヤフィックスが使われていますが、何故かバネが欠落していましたので、手持ちから追加をしておきます。
カレンダー機構を組んでいます。この個体は、曜日が完全に切り替わらないという不具合がありましたので、慎重に組んでいきます。日車はリュウズをプッシュすることによって早送りが可能ですので、その作動も確認しておきます。
文字板をセットして、仮に針を置いてみます。すでに夜光塗料は劣化して発光はしません。カビのような汚れもありますから取り除いてやり直すことにします。
現在入手出来る塗料は蓄光塗料ですね。長短針共塗り直してあります。オレンジ針は蛍光塗料のため退色していますが、剥げはないので、このまま再使用としました。
完成したユニットをケースに収めてから自動巻機構を組み込みます。マジックレバー式のため部品点数は少なく、ひどい摩耗はありません。
最後に回転錘(ローター)を取り付けて組立完成です。この後、歩度調整をして裏蓋を閉じます。
裏蓋は軽く研磨をしてあります。
仮に革ベルトを付けてみますが、ラグ幅19mmなのにすごくナローに見えますね。如何にケースが巨大かです。すでに上の発停ボタンをを押してオレンジ針が正常に作動をしています。もう一度ボタンを押して停止です。
下のボタンを押して瞬時にオレンジ針が帰零します。O/Hをしていない個体は針の復帰が緩慢になりやすいですね。
このモデルは多くのデザインバリエーションと機能があって国産腕時計としては珍しく海外にもファンが多いクロノグラフです。ダイバー用のゴムベルトでも似合うと思いますが、オリジナルはステンレスベルトですからデッド品を探したいと思います。
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最近、暑いのでPENファンは一休みかな? 修理が来ませんよ。では、北海道のINOBOOさんからキヤノン旧F-1のきれいな個体が来ています。特に故障の部分はなくて光学系の清掃だけのようですね。点検していると、サーボEEのソケットのカバーが割れて欠落していますね。画像では見えませんね。
new F-1も使いましたけど、元々FTb育ちの私としては、旧F-1は正常進化を遂げた兄貴分のようでがっちりとして迫力満点です。当時は高くて使えなかったんですよね。バイクにもお金が掛かっていましたからね。FTbでこうなれば良いなぁと思っていたペンタプリズムの分解式、このレールが本当に高級に感じましたよね。私は、組立ての治具として毎日抜き差ししていたんですよね。
後ろは鏡ではなくて私が所有しているF-1です。この頃だったかな? レースのF1が日本の富士スピードウェイで開催されてね。6輪のタイレルなんがが走っていたね。そのレースのF1と関係があるのかなぁとか思った。ハイホンが入っていないだけだもんね。
このソケットです。A-1の電池フタとか、キヤノンのモールド部品は結構破損しますね。
特徴的な平べったいペンタの山ですが、平面なので結構へこんでいる個体が多いです。ボディーは極上ですがペンタだけ惜しいです。前の個体は私所有の個体できれいでしょ。海外からの出戻りです。アイビースカバーは、また部品が出ていた頃に数個確保しておきましたが使わないとゴムが白化してきます。どちらも巻き上げレバーにカバーが付いた後期モデル。製造時期も近いです。
こちらの画像の方が良くわかりますね。しかし、当時は見えた情報窓のシャッタースピードが読み取れません。視度補正アダプターが必要です。
キヤノン販売が売っていたシャッターボタンを付けています。これは押し易いです。10個ぐらい持っていたはずですが、さてどこへ行ったやら・・
この300mmはニューFDなので、この後のA-1で使っていたレンズ。
やはりバヨネットリングのある旧FDが似合いますね。しかし、大きく重いレンズです。この35mmは、確か正規品ではなくて、検査課でキズで落された個体の抽選販売に先輩に頼んで買ってもらったもの。色に独特な癖がありますね。
旧F-1には色々なアクセサリーが用意されていましたね。スピードファインダー、ウェストレベルファインダー、サーボEEファインダー、そして、私が組立をしていた画像のブースターTファインダーです。一応記念に持っているのですけどね。非常に不安定な装置で組立調整には苦労しましたね。トップ面のめくら蓋はカバーを取り付けてから輝度調整をするため抵抗。すべて保護テープを貼った状態で組立られます。少数生産なので流れ作業ではありません。最終検査に合格した個体にシボ革が貼られます。
スイッチはこの回転ノブ。Cのバッテリーチェッカーから復帰しない個体があって、シム調整やスチールボールのグリスなどを調整します。カバーと本体の合いもイマイチなんですね。メーターのレンズは上下2個所のカシメですが、ケトバシでは割れるものもありました。
アイビースシャッターのクリックの感触まで検査規格がありました。シャッターダイヤルのカップリングレバーも同じ。
本体レール面との抜き差しにも規格がありました。個体によってレールの仕上がりが異なるため、白いジュラコンのコマに寸法違いがあって選択使用しました。最初の工程ですね。完成するとシリアルプレートを貼ります。この個体はきれいに貼ってありますね。数字の打刻で裏面の平滑が失われて、やすりで削って貼ったこともあったような・・
結局なにもしないで遊んでいるだけです。それでも旧F-1は楽しい。サーボEEに比べれば小ぶりと感じていましたが、久しぶりに見ると巨大ですね。Cdsを2つ使っていますが、特性が出ないものがあって、ABCと三種類に分けてBはB同志の組み合わせ、AはCと組み合わせますが、AC組は特性が外れる場合がありました。あとは、ガバナー解除のマグネットや可変抵抗などの原因による不具合も記憶にあります。
FTbと比較してみる。基本のレイアウトはやはり似ていますね。モリブデングリスとテンプグリスを交換しておきます。
フォーカススクリーンは9種類存在して、標準はマイクロスプリットの「E」ですね。
このレール式を見た時「スゲー」と思いましたね。なんで傷が付かないのだろう? と不思議でした。
底蓋はねじ留めではなくて、電池蓋で留めています。モータードライブを装着するときに簡単に底蓋
を外せます。
FTbとの比較。New F-1がデザイン時に気に入らないのは、ペンタの上にホットシューを装備したためにFTbのようになってしまったこと。やはり旧F-1の平べったいデザインが気品とセンスを感じますね。
え~と、今度は時計をやります。この腕時計はセイコークラウン 15002 で、キャリバー560 21石の5振動です。マーベルの改良型というか、この機械でスイスの時計に追いついたという時代のモデルで、1961-6月の製造です。オートバイの世界GPにも日本のメーカーが本格的に参戦し始めた頃で、戦後の荒廃から立ち上がって世界のトップを目指して追撃を始めた
高度経済成長の時代です。この個体はお父様の形見だそうで、一族が大切に受け継いで来たことが分かる比較的きれいな外観ですね。しかし、現状は不動で、ネットで私のところに来ました。まず、リュウズを巻いたトルクを最初に受ける丸穴車の受けのねじ部が金属疲労により破損していて巻き上げ不能の状態。それだけかと点検すると、秒針がフラフラ振れていて、ガンギ車のホゾが折れている状態。外観とは反対に、かなりの消耗具合です。そこで、私の在庫から同じ15002の21石を探して機械を仕上げて換装することにしました。右が素材の機械。
ケースから機械を取り出したところ。ケースは軽く研磨洗浄をしておきます。文字板は適度な劣化具合ですが、これは歴史なのでこのままとします。
すべて分解洗浄を終えたところ。香箱(ゼンマイ)など、程度の良いものはオリジナルを選択します。
特に問題なくサクサク作業は進みます。
テンプを載せた瞬間に元気に目覚めて動き出しました。
ひっくり返して文字板と針をつけます。
だいぶ昔に修理に出した折に、磨滅したリュウズを交換されたそうですが、その時点ですでにオリジナルの部品が入手できず、後年の径の大きなものを取り付けられたとのことで、何とかオリジナルに戻したいとのご希望。そこで、私の手持ちからデッドストックを使うことにします。クラウンも、製造後期になるとケースの大型化が進みますが、私もこの頃(15002)のサイズが一番好きです。
時計の世界では四つ割りというらしいですが、ピンバイスですよね。巻真をホールドしてリュウズを交換します。
さすがに大きな天輪で歩度は安定しています。これから歩度調整をしていきます。
ベルトを取り付けてひとまず完成。この後、実際に腕にはめて微調整を繰り返します。このオーナーさんからは、先にお手紙を頂きまして、何軒かの時計屋さんで修理を断られた形見の時計を何とか治したい。との強いお気持ちを感じましたので、復活のお手伝いをすることにしました。何年振りか分かりませんが、また、お父様との繋がりを感じて頂ければうれしいところですね。
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毎日クリックをして頂いた方すみません。今週は定期健診が続いたので作業に集中できずに進捗は捗々しくありません。暑いと思ったら梅雨入りで昨日からの大雨と気温低下で、体調も崩れ気味ですね。この時期、みなさんもご注意ください。そこで、普段よりはゆっくり目で作業はしています。このPEN-F #2938XXは、O/H済みとして購入されたとのことですが、ミラーアップの症状が多くなってきたとのことです。テストでは作動トルクは弱めですが、当方の評価用のレンズではフリーズしません。FはFTに比べれば弱いですから・・装着したレンズの絞り負荷にも原因があるでしょうね。確かに画像を見るとプリズム周辺を分解したことが分かります。どこで分かるか解る人いますか?
なるほど修理の手が入っているようです。モルトも交換されています。しかし、ターミナルの接点とリード線が外れています。分解時に外れたものではなくて、最初から半田付けされていないようです。
スリ割りねじを見ると分解された形跡があります。プリズムは非常にきれいですね。返って違和感・・
三脚環が一度分離されています。ちゃんと緩み止めを塗布されていますのでプロの作業です。
最初の答え。遮光マスクの通る位置が違うのです。これでは光線は内部に侵入してしまいます。マスクの内側を通さなければなりません。で、このプリズム、塗装が生産時の組込用とちょっと異なるような気がします。接着固定を見ても接着されていない部分がありますので、後に供給された補修用と交換された可能性もありますね。
では、いつものように洗浄のうえ組み立てていきます。
しかし、分解は光学系が中心で、シャッターなどには手を付けられていないようです。シャッターは疲労は少ない悪くはありません。スローガバナーの状態も良いです。FTなどと違って、チャージギヤが真鍮の削り出し加工ですね。コストが掛かっています。
-完成した本体側と前板関係。プリズムのコーティングは無傷で素晴らしい。やっぱり新しい部品かな?
ほぼ組み立て終了。ターミナルの半田付けを忘れていましたので、この状態で半田付けをしておきます。と、やっとここまでUPしましたよ。じつは、ずっと使ってきた画像編集ソフトが使えなくなって不便しています。何が良いでしょうね?
PEN-F本体は完成。巻き上げも軽くスムーズでシャッターも快調の現存機中ではすばらしく良好な個体となりました。付属のレンズF用40mmと38mmをメンテナンスをしておきますが、F用は全体に程度の良くないものが多く、これらのレンズもヘリコイド関係に問題があります。
この40mmは過去にメンテナンスを受けていました。しかし、流化したグリスとホコリの混入で内部はドロドロです。
こちらの38mmはレンズ先端部のフィルターねじ部を打撃して凹ましたものを修正してありますね。しかし、ねじ山を損傷する乱暴な作業です。強い力で修正をしたためベース面の平滑面が歪み、前面ネームリングを締め込むと絞りリングの回転が重くなってしまう症状があります。
カメラ本体に比べてレンズのコンディションは良くなかったですね。最近は良いレンズが無いでしょうか? レンズも大切に使ってくださいね。
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