今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

久しぶりの只PEN

2012年06月15日 22時27分43秒 | インポート

Dscf001077 久しぶりに只のPENが来ましたね。PENの中では#4619XXと三光PENからかなり後期の個体になります。三光ですとオーバーホールをする方は多いのですが、只のPENとなるとオーバーホールのご依頼は少ないのです。未分解の個体で、消耗も少ないのですが、保管は良くなかったと見えて、上下カバーのクローム部分に腐食が進行しています。残念ですね。で、傷をつけないために、竹串で梨地の表面に浮いた腐食を削って行きます。ファインダーの右側はすでに削っています。左側も行います。

Dscf001166完成は1964-10月と東京オリンピックの開催月の製造です。トップカバーの腐食を削り取りました。意外に梨地ですから目立ちませんね。本体と裏蓋も洗浄してあります。

Dscf00126 すみません、ちょっと事情がありまして作業が止まっていました。(汗) 画像が涙目になっていますが、同じ機種のデジカメでも個体差があるようで、この個体はあまり調子が良くないようです。100円じゃ仕方ないか・・・

で、シャッターは完成しています。PEN-Sなどとは違って、あまり経時の劣化は少ないシャッターです。洗浄してみると、ダイカスト本体は、きれいですね。塗装の劣化もありませんね。

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保管の良くなかった個体のもう一つの問題は、ファインダーブロックの樹脂の白濁です。これは、放置で紫外線により風化したものと思われます。こうなると一皮剥くしかないんですよね。

Dscf001657

意外に手間が掛かるのですが、このように磨いておきました。但し、風化が深層まで進んでいる場合は、形状に影響があるので研磨できません。完成したボディーに清掃をしたレンズ類を接着しておきます。

Dscf001151 完成ですね。あまり使用されていない個体でしたが、保管が良かったらと残念になります。レンズは非常に状態は良く、ファインダーブロックがきれいになったことで状態はグッと良くなっていると思います。

Dscf002164 どうもこのデジカメはアンダーぎみになる癖があるようです。裏蓋を開けた内部。きれいですね。スプロケットはアルミ黒アルマイト製。巻き戻し軸は変更後のタイプで、PEN-Sの改良型と同じ仕様となっています。PEN-F系などと違って、どうしても軽く見られるPENですので、程度の良い個体は貴重です。オーナーさんは、私の住所と同じ市にお住まいですので、歩いてもお届けできる最直近のオーナーさんでした。