今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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久々のPEN-FTブラックの巻

2016年12月03日 20時11分31秒 | ブログ

裏でこういう難儀なカメラをやっていたりして・・何でしょう?

 

 

最近、元々PENのご常連さん達がPENを送って来られないで、色々なカメラを送って来られます。PENファンの方たち頑張ってくださいね。で、PEN-FT(B)が来ました。#2074XXはブラックモデルとしては初期の方です。付属の40mmは派手にカビていますが、貴重な40mmですから、清掃して復活させることにしました。

過去に修理歴がありますね。青のビニールテープ、あまり意味はないと思いますけど‥ボディーに「不」と鉛筆書きされています。検査で落されたのでしょう。

 

ハーフミラーは過去に交換されていると思いますけど、それでもかなりメッキが薄くなっています。

 

プリズムのコーティングも曇り。かなり放置をされた個体ですね。

 

 

では、ついものように分解、洗浄のうえ組み立てて行きます。

 

 

巻上げレバーユニットを取り付けると・・吊環と干渉します。打撃で曲がっているので修正をしておきます。

 

 これも稀にありますが、シャッター幕はきれいですが、回転が異常に重いです。これはシャッタースピードに影響があります。前回の分解でいじられていますね。改善させておきます。

 

シリアル№は20万台初期ですが、クロームボディーと製造時期を合わせると22万台頃の製造になります。ブラックカバーは別に製造されて、少し遅れてラインに投入されたことが分かります。ということで、ユニットも改良後のものが多く使われています。シャッターユニットは摩耗も少なく良い状態ですが、各部の点検をして行きます。バックラッシュは少ない方の個体です。

このナットが緩みやすい。この個体は緩みはありません。

 

 

この画像はあまりUPしませんが、O/Hの個体の外装は全て洗浄しています。知ってましたか?

 

ボトムキャップが剥離している個体は多くあります。再接着をしておきます。

 

この個体は前板関係の汚れが激しかったですね。清掃できれいになっています。過去にピント調整を受けています。

 

 ハーフミラーは新品と交換しました。露出計ユニットの取付は3本のネジに寄りますが、たぶんSSなどで修理を受けた個体で1本省かれている状態を良く見ます。なにか意味でもあるのか? 確かに、後期の生産機になると、初めから2本留めとなっている個体も存在しますが・・今回はオリジナル重視で省かれたネジを追加しておきます。

 ということで、いつもの画像です。

 

 

付属の40mmですが、分解してみると内部もアルミが腐食しています。不足している40mmですから、何とか生かすことにします。

 

PEN-FTブラックモデルの初号機はいつ頃かの資料は持ち合わせていませんが、私のところに来た個体で一番若いシリアル№は#170257があります。但し、この個体は本体は26万台の個体の入れ替えとなっていました。1968-9月製。