遅れて来たペンマニアさんから三光PEN #1340XXが届いていますが・・う~ん、今までで一番状態が悪いと思いますね。革ケースに長期間入っていたカメラは湿気によりメッキが痛んでしまいますね。
ファインダーの樹脂は劣化して白化しています。汚れも相当です。
こういう保存状態ですと、後玉のコーティングはまずダメです。曇りは清掃ではきれいになりません。
程度の良いレンズは後で探すとして、取りあえず磨いておきました。
裏蓋内も汚れ放題。底部のメッキの劣化が激しい。
すべて分解をして洗浄します。
シャッター内の汚れもひどかったですね。あらら、カム板を無理に回したようです。
幸い、シャッター幕も含めて、致命的な部分はありません。超音波洗浄をします。
組み上がったシャッターユニット。きれいになりましたね。シンクロ接点の導通タイミングを確認しておきます。
角の部分はケースの革が腐食を誘発してしまいました。
白化したファインダーは研磨をしてグレーの輝きを復活させました。対物レンズは樹脂製のため乱暴な清掃は傷をつけるので気をつけます。
今日、12月8日は太平洋(大東亜)戦争の開戦記念日ですね。「ニイタカヤマノボレ一二◯八」の新高山は台湾の玉山のこと。30年前に作った九九艦爆が残骸になってしまいました。真珠湾は若い頃に訪問しましたが、低いすり鉢のような地形で、どの方角からでも攻撃機が侵入できると思いました。九九艦爆は降下爆撃、九七艦攻は水平爆撃と雷撃でしたが手違いで攻撃順序が狂って攻撃開始時間が早まってしまったのでした。どちらにしても宣戦布告は間に合いませんでしたが・・しかし、前日まで在泊していた2隻の空母は攻撃時にはいなかった。私はルーズベルト大統領は攻撃を知っていて、アメリカ参戦(イギリス支援)の名目のために敢えて攻撃をさせたと思いますね。そもそもアメリカと日本を戦わせようと画策したのはコミンテルンですけどね。ソ連のスパイ、ゾルゲや尾崎秀実。その真珠湾に安倍総理が慰霊に行くという。感慨深いです。
で、研磨したファインダーに前面ガラスと対物レンズを接着しました。対物レンズの1つには目立つすり傷がありました。三光の頃の組立品質は素人のような部分が目立ちます。
ここの所、外出することが多いのと、1つずつ部品を磨き出しながらの作業ですので中々作業が進みませんね。スプロケット軸を組んで行きますが、クラッチの両側をテーパにヤスリ掛けしてあります。スプロケットの溝に嵌らないのでしょう。どんな寸法管理なんでしょうね。
巻上げダイヤルのカバーは初期の熱カシメではなく、それ以後と同じネジ留め式に変更されています。厳密には三光じゃないのかな? 外から見えない変更はエンドレスで行われているということです。
トップカバーは粉が噴いていましたからね。磨いて何とか光って来ました。完成したファインダーをセットしてASSY完成。シャッターの構造上仕方がないのですが、レリーズの長いシャフトは間が抜けた設計です。組立もコツが要ります。
トップカバーを本体に取付けてシャッターダイヤルを取り付けたところ。明日は完成させないと・・
裏蓋の開閉鍵もグリスが切れて砂を噛み込んでいる状態。以後の製品と形状は変わりませんが、仕上がり精度が悪いです。洗浄して組み立てます。
相当汚れていた内面も洗浄磨きできれいになりました。初期の黒塗装は艶消しが弱めです。圧板は研磨しましたが取付が以後とは逆になっています。底部固定のリベットはカシメがきれいではありません。化粧塗装もされていません。
元々はそれほど使われた個体ではなく、リング類は奇跡的に良い状態で残っていました。革ケースに入ったままで、上下カバーのメッキは劣化したというところ。
中々雰囲気の良い革ケースなんですね。前蓋の取付け部が切れているものが殆どでしょう。今回は、コンディションの悪い個体でしたので、磨き出しで大幅な工数超過となってしまいました。まぁ、そこそこの状態になったので良かったですけどね。
で、やっと終わったかと思いましたら、同じオーナーさんから後追いで来ましたよ。オリジナルのPEN-Sブラックですけど、これは三光PENに輪をかけて状態は最悪ですね。光物は全てダメで、普通は手遅れですけど、どうしたものでしょうね? 貴重なオリジナルではありますが工数が・・・