時計をやります。シチズンのホーマーですが、国鉄に納入されて使用された鉄道時計ですね。普通のホーマーにはないハック機能がついています。あとは見やすいアラビア数字。最近は放出品が増えたようで玉数も多く、比較的見つけやすくなりました。
5振動ですが、非常に精度の高い良い機械です。しかし、この個体は極端な進み傾向となっています。
その場合は殆どヒゲゼンマイの絡みです。観察すると3か所ぐらいでゼンマイが接触しています。落下のショックなどて自然に起こる場合もありますが、このヒゲはいじられているようです。
で、テンプを分離してヒゲゼンマイの渦巻きの隙間が均等になるように修正しました。簡単に言ってますが、これが非常に困難な作業です。老眼には堪えます。高性能の実態顕微鏡が欲しい・・
過去のオーバーホールで油を多く付けられていますね。
ハック機能の部品を取り付けます。オリジナルには無い機能なので、追加工作には苦労したようです。
シチズンというと、特異な設計の機械が多いですが、この機械は非常にオーソドックスな機械ですね。セイコーのクラウンみたい。摩耗は少なく良いコンディションです。
文字盤側はカレンダー機構もないのでシンプルです。
汚れていた針を磨いてきれいですね。
パッキンにシリコングリスを塗布して取り付けます。
左は私の資料用で昭和50年採用。右の修理機は昭和48年採用ですが、文字盤は白くきれいです。使用状況や保管の違いもありますが、元々の仕上がりが微妙に異なっているようです。歩度は10秒/日以内の追い込むのも難しいことではありません。鉄ちゃんファンでなくても、シンプルで見やすくしかも高精度な時計で人気がありますね。そのうち別の個体をオーバーホールしてご希望の方にお譲りをしようかと思っています。