今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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どこも動かないLORD ⅣBの巻

2019年06月13日 23時25分08秒 | ブログ

遅れて来たペンマニアさんから岡谷光学のLORD ⅣBがブラックが来ています。PEN以外も収集されるんですね。しかし、革ケースもかなり汚れていて、長期に入ったままでしたのでかなり状態は悪いです。feet表示ですので里帰り機でしょう。

 

画像ではきれいに見えますが内部はカビだらけです。

 

 

外観のカバーもカビが付着しています。問題は、どこも親の仇のように固着して動かないということ。巻上げも動きません。隣りのカウンターも固着。え~、これ治すの? 工数掛かっちゃうなぁ・・希少なロードですからやらない訳にも行きませんかね。

 

ここの逆転防止爪が固着しているのはお約束ですね。過去にも2017/4/1にUPしています。https://blog.goo.ne.jp/tomys800/e/9fe00ac37b174b8e1df21a87ff9c2bb1

問題はここだけではなく、巻上げ機構のギヤがビクとも動きません。

 

すべて分解して行くしかありません。古いグリスで固着しているようです。しかし、問題はこれで改善されませんでした。このモデルは巻き上げは二回巻き上げで、巻き上げが完了するとレリーズボタンがポップアップして来て赤いリングがレリーズ座の上に見えるようになる親切設計ですが、巻き上げをしていない状態でもレリーズボタンが上がってしまうのです。すると巻き上げが出来なくなります。

そのからくりは地板の裏側にあるので、スプロケット軸、スプール軸他すべてを分解しなければ地板を分離することが出来ません。あ~ぁ・・

 

 

問題はピンセット先の部品が本来バネによって円周方向に動くものがグリスの固着により固定されてしまうので不具合となっているものです。洗浄をして動きを回復させます。

 

全体はこのようなユニットです。

 

 

この角度からなら原理が分かりますかね?

 

 

フィルムカウンターのクラッチも固着していてフリーになりません。しかし、どこと言って全く動かないカメラです。

 

 

気温が上がってくると高温多湿の日本では時計の革ベルトは辛くなって来ますので、以前、INOBOOさんから頂いていたスピードタイマー6139-6031(ペプシ系)のリプロベルトに交換しようと思いましたが、ベルト先端のラグの仕上げが悪く、プレスで打ち抜いたままの状態ですので(左奥)端面の研磨(右側)をしてから取り付けます。

 

おぉ。リプロとは言え、オリジナルのデザインですから似合いますね。夏場はこれで行こうと思います。

 

 

ショッピングモールの本屋さんを覗いてみると、HONDA S800MのVol.02が発売されていましたので購入しました。1/6サイズですと流石に迫力があり、材質がダイカストですので鋳物の灰皿のようにがっちりとしています。返って本物の方が薄い鋼板なので、中央を押すとポコッとへこんだりします。形状は良く捉えていると思います。S800になるとパワーバルジが設けられたのがデザイン上の特徴になります。塗色の色調が正しいかはじつは分かりません。正式はスカーレットですが、赤の塗料は退色が激しく、特にこの時期のホンダは、性能の良い塗料を買えなかった(資金的に)という話もあり、オリジナルでも新車当時の色調を維持している個体はまずありませんでした。私のS800Mは新車時の塗色はY-13ゴールデンイエローです。

ボンネットカバーコンプリートの純正型番は63100-516-000Z。63100はボンネット番号、516はS800チェーンタイプ(から共通)、S600は504、S800Mは542 になります。000は設計変更など。この型番を組み合わせて輸出仕様のパーツ番号を推測してオーダーしたりしましたね。

 

シャッターユニットはシャッター羽根の張り付きがあります。レンズは意外に悪くはありません。

 

 

ヘリコイドグリスの流化変質があります。

 

 

プリズムを使用したファインダーも取り外して清掃をします。

 

 

スローガバナーは洗浄注油をして組みます。

 

 

後玉は端に一点曇りがありますが、まぁまぁきれいな方です。完成したシャッターユニットに組み込みます。

 

 

このペースでUPしていると終わらないのではしょります。ファインダーもきれいになりました。巻き上げとシャッターの連動を見ています。

 

 

レンズ(中玉と前玉)を取り付けます。

 

 

この後のいろいろあるんですけど完成とします。ばっちい革ケースはブラッシングをしておきましたので光っています。カメラ本体のシボ革もこの頃の材質は紙に近いので、濡れタオルなどで拭くことは厳禁です。表面が剥がれてしまいます。こちらもブラッシングでシボの中に入った汚れを落として行くと光って来ます。オブジェカメラが復活しました。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/