後期型のPEN-S #1785XX (1969-1製)ですけどね。オーナーさんが入手をして固着していた裏蓋を外したら・・フィルムが装填されたままだったとのことです。私も入手をしたカメラで数回経験をしたことがありますが(ダミーフィルムのパトローネはみんなそれ)せっかく撮影をしたフィルムなのに、元の撮影者は惜しいことをしましたね。タイムカプセルだったのに・・
で、特に外観に損傷のない良い個体ですね。トップカバー横のネジが+ネジの後期型です。
で、トップカバーを分解するために駒数カニ目ネジを外しますが、これがある角度まで回って固着して緩まない。ネジを壊して接着をされているのか?
この個体は未分解と思いましたが違うようです。カウンターボタンがガラスに接触していますね。ここは隙間が空くように調整して組まれているはずです。
何とか分離をしてネジを確認しました。あら良かったネジは無事でした。後期なので下のスプロケットは黒の樹脂製です。
シャッターユニットのハウジングが黒アルマイトですね。これはイヤな予感がします。シャッター羽根にも腐食があります。
シャッター羽根を開閉させるためのリングが仕様変更されている頃のユニットです。このタイプはO/Hでは性能が改善しない場合があるのです。しかも、何やら鉛筆で細工がしてありますね。意味は無いと思いますよ。詳しくは書けないのですが、さてこのまま組んでみるか?
すみません。やはり性能が出ませんので組み込めない状態となっていますが、ご依頼のオーナーさんとメール・電話のどちらもご連絡がつかない状態ですのでやむおえず作業は一時中止とします。オーナーさん、ブログをご覧頂いている様でしたら至急ご連絡をお願いします。
ファインダーのレンズを分離して清掃しました。生産後期になると接眼レンズ部分の内側に貼ってあった遮光材は省略されています。
その代りと言っては何ですが、カム板押えナットの緩み止め用ネジが新設されています。レンズを清掃してヘリコイドグリスを塗布して組み立てます。
後期なのでスプールナットは樹脂製となっています。スプールはEL仕様。裏蓋も洗浄できれいです。
ドタバタがありましたが、何とか完成しました。距離リングの先端部のアルマイト剥離が惜しいですが、流石に後期の製造ですのできれいです。
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