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富塚孝一
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SEIKO スポーツマチックの巻

2021年01月09日 20時00分00秒 | ブログ

同じオーナーさんからセイコー・スポーツマチック7605-8010が来ています。1966年8月製ですからD2の少し後の生産ですか、まぁ、60年代の良い頃の工業製品ですね。

 

スポーツマチックはセイコー5になる前のモデルで当時の若者向けだったのでしょう。Deluxe ですので23石でケースの風防もガラス製です。

 

私もこの頃のモデルは好きで50本ぐらいは所有していると思います。

 

 

ゼンマイが殆んど巻けていないのでこのデータですが、悪くはないようですね。

 

 

cal 7605Aはセイコーのキャリバー別一覧表によると基礎ムーブメントは7606Aとなっています。まずはケースとステンレスベルトを洗浄しておきます。

 

今日は寒かったですねぇ。指先がかじかんで作業がきびしいですが、そうも言ってられませんのでやります。分解してみると、年代としては過去の分解は少なく、摩耗も少ないと思いますが香箱真は潤滑が切れていて石も無いので多少の摩耗はあるようです。

超音波洗浄をして巻真関係から組み立てていきます。

 

 

輪列を組み終わったところ。摩耗は少なく回転はスムーズです。

 

 

洗浄注油をした香箱をセットして香箱受を取り付けます。

 

 

角穴車が若干コハゼと接触をしていますね。やはり香箱真に摩耗があるようです。

 

 

日ノ裏側ですが、マニュアルの7606Aは曜車が付きますので曜車のない7605Aとは全く設計が異なります。

 

ふだん見慣れない設計で部品の正しい位置が分からなくなったりして・・竜頭を押すと日車が切り替わる機能は使いやすい。

 

日車は日車押エのみで位置が決まるため日車が地板の外周で止まってくれない。日制レバーのバネをセットするのに苦労しました。指先が動かないから余計です。

 

自動巻き時計は意外に古くから考案されていたようですが、セイコーは1956年にセイコー自動巻として発売されました。しかし、価格が高価で一般に普及せず、販売層を広げるためには販売価格を抑える必要がありました。そこで開発された自動巻機構が「マジックレバー方式」です。たつたこれだけの部品点数で自動巻きを実現しています。現在も海外で生産されている「セイコー5」には同様のメカが使われています。

洗浄・注油をした自動巻機構を本体にセットします。この時代の自動巻モデルは手巻き機械の上に二階建てで載せることによって自動巻きを実現しています。それによって機械の厚みが厚くなる傾向があります。

 

回転錘を取り付けます。ベアリングの摩耗は少ない方です。

 

 

ケースは研磨はせず、軽く傷消し研磨で洗浄してあります。Deluxe タイプですのでがっちりとしたケースとガラス風防でかなり重い時計になっています。最近は歳のせいで重い時計はちょっと苦手になりつつありまして、スピードタイマーやダイバーの出番がありません。手巻きか非防水の自動巻き辺りが良い感じです。

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