今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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新年おめでとうございます。

2021年01月02日 13時50分00秒 | ブログ

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。年末からのコロナ感染拡大により緊急事態宣言が発令されるかとの状況となっていますので、今年は初詣もどうしたものかと思っていますが先ほど家電量販店の初売りに出掛けて戻りました。しかし、家の中ですることがない。そうだ、リューターのベアリング交換でもしておこうかと思います。このリューターは平成9年に購入したRYOBI HR-20ですがキソツールのOEMでしょう。随分と物持ちが良いことです。すでに新しいリューターは所有していて精度の必要が無い粗削りに使用していました。しかし、ミニチュアベアリングが摩耗をして軸ブレが大きくなっていました。そこで、新品のベアリングを入手して置いたのでした。

車やバイクのベアリング交換というと圧入が常識ですが、この製品は軽圧入にもならず指で押し込めます。ベアリングは規格のDDL-1370ZZというシールド型ですので軸側で寸法を追い込めば、もう少し軸ブレ精度を上げられるのにと思いますね。

 

後ろ側のベアリングもピンセットでセットしますが届かない。ロングノーズプライヤーの方が楽だね。

 

 

軸の分解時にクリップが外せなかったので排気口のリブを切り取ってクリップを外していましたのでその逆に取り付けます。

 

 

製造当時もすでにモーターは中華製だったんだなぁ。しかし、壊れず動いています。代替もありそうです。

 

 

回転しています。軸精度を上げればもっと軸ブレが少なくなるのに・・まぁ、当分は現役使用ができるようになりましたね。

 

 

では、そのまま作業をして行きます。今年初めはローライ35Sを2台整備しますが、程度は良好のため書くことも無いと思います。

 

 

ピンホール状のえくぼ。何にぶつけたのかな? 他はきれいなのに残念です。

 

 

他に、定番の巻上げレバーアテが欠落しています。

 

 

裏側から見ると良く分かります。これを修正していきます。

 

 

製造が比較的新しいので各部は摩耗や劣化も無くメンテナンスで問題ないレベルです。このまま平和に終了するかと思ったのでした。ローライ35系のCdsやメーターは丈夫と思います。ジャーマニー製の初期モデルにCdsのボチボチ劣化が見られる個体が多いだけです。

 

レンズも基本的に見にくい腐食などは少ないと言えます。この個体も良好ですが、あら~、意地の悪い目立つ白のチリがありますね。どこから入ったのでしょう。

 

この頃の個体は後玉周辺の仕様が変更されています。それによって本体側との連動組立がやり難くなりました。緩まないことの多い留めネジの頭もより小さくなって、ドライバーのビットを正確に合わせないとナメてしまいます。

 

清掃したシャッターユニットを本体に組み込み、フィルムレールを取り付けます。

 

 

トップカバーを付けて無限調整のためレリーズでバルブにしようとしてもシャッターが切れません。これはレリーズピンが固着しているのです。殆どの場合、レリーズを強く押し込むことで固着が外れますが、この個体は頑固に固着しています。グリスが硬化して貼り付いています。

 

こうなるとピン抜きで打ち出す以外にありません。レリーズ座を変形させないように気を付けます。おかげでレリーズケーブル1本を壊してしまいました。

 

距離ダイヤルをftからmに変更して取付け、最後にプレートを貼って完成です。

 

 

摩耗や使用感の少ない良い個体でした。

 

 

この個体も外観は悪くはないですが分解歴がありますね。工具を滑らせて梨地を傷にしています。お約束のレバーアテも無い状態で長期に使われています。(カバーにレバーの当たり傷)

 

沈胴が下向きで半分ぐらい降下して来ます。ヘリコイドグリス抜け、ファインダーの汚れ、巻上げの鳴きなどがあります。

 

巻上げレバーのスリ割りネジがすごいことになっています。ここは強い緩み止めが塗布されていますが、それにしてもこんなにしなくても・・先が思いやられます。

 

本体側は通常のメンテナンスで終了してトップカバーを付けます。すでにレバーアテは熱カシメしてあります。フィルムカウンター窓は殆ど接着が脱落しますので再接着をしておきます。

 

 

問題わだ。点検で沈胴のガタや距離リングガタが大きいこと。分解して行くと、後玉を外そうとしましたね。ここは墨塗りしてあるので開かないの。トンネルカバーとシャッターユニットを留めるネジが緩んでいます。

 

ネジが緩んでグラグラです。

 

 

沈胴のロックが緩く手で揺すると動きます。ロック部分に僅かな摩耗がありそうです。

 

 

沈胴も下降しますのでフェルトもへたっていますので調整をしておきます。

 

 

ここがロック爪。少し矯正をしておきます。

 

 

だいぶしっかりとしましたよ。色々な部分のガタの合成だったのです。

 

 

後玉縁の墨塗りをしておきました。しかし、ガタが無くなると低速に引っかかり症状が出ました。TOGGLELEVER SEL STEPという寸法調整部品を適正なものと交換して良好となりました。

 

最後に前面プレートを貼って完成です。

 

 

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