今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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歴戦のローライ35の巻

2021年03月22日 15時10分00秒 | ブログ

ずいぶんと状態の悪いローライ35ジャーマニーです。外装も汚れ放題でトップカバーなどのへこみも目立つ歴戦の勇士というところでしょうか。しかし、このような個体も嫌いではありませんよ。道具としてしっかり本分を全うしているということです。すでに外装は洗浄したのですが状態は全くの不動で巻上げも固着しています。

移動時に収納していたケースと擦れていたのか梨地メッキの磨滅とCds受光部の陥没があります。

 

 

過去に何度も分解を受けているようです。HONEYWELLとのダブルネーム機ですね。

 

 

あ~、あまりにぐちゃぐちゃだったので画像を撮り忘れました。すでに直してしまいましたが不動の原因はギヤのタイミング間違いでした。このカメラはギヤの連動が胆の設計で、それを理解せずに分解をしてしまうとタイミングが狂ってしまい正常に作動しなくなります。

 

露出メーターの針の動きが非常に不安定です。メーター窓左の導通確保用ネジは緩んでいませんでしたが、レリーズ部のネジが欠落していますね。一度ユニットを分離して作動を確認します。

 

ジャーマニー製ですが、#30477XXぐらいになるとギヤは樹脂製に置き換わっています。

 

 

初期型の場合、Cdsが劣化をしてメーター不動や針の動きが鈍いなどの症状が出ているものが一定数ありますね。

 

ユニット単体でテストをしています。針が不安定に動いていますね。

 

 

原因はこれです。メーターカバーを留めているネジが緩み止めはされていますが塗料なので外れて2本共緩んでいます。これは過去にも事例があって、緩む原因は追針を動かすリンケージ(メーター前端)に力を受けているからです。

 

メーター窓は再接着をされいて接着剤がはみ出しています。傷も多いので再研磨をして接着をします。

 

 

次はシャッターユニットです。レンズ前端のカバーリングは古くなると白化して来ますね。黒アルマイトに剥がれもあります。

 

レンズはかなり汚れていますが、後玉の内側に入り込んだホコリ(チリ)でカビではありません。

 

 

シャッター羽根を開閉させるブレードリングとブレードシムに多少の劣化がありました。湿気の侵入かな?

 

 

前玉を清掃をしてヘリコイドグリスも交換しました。このストップリングでレンズの回転範囲を規制しています。仮に無限遠付近に合わせておきます。

 

前端の黒アルマイト剥離のタッチアップとカバーリングの白化を戻してあります。その他、彫刻文字の色入れ直し、絞り、シャッターダイヤルの樹脂プレートの研磨をして完成です。この個体は自然故障ではなく間違った分解組立により不動となっていたもので、何を直したかったのでしょうね。外観に難はありますが、レンズやメカには問題はなく調子は良好です。実用するジャーマニーが欲しい方に持って来いと思います。

 

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