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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ローライ35Sを3台仕上げますの巻

2021年05月08日 18時30分00秒 | ブログ

まず、ここのところ直接の修理ご依頼と中古店様からのご依頼が集中しておりまして、着手の予定が経たない状況となっております。順番で対応させて頂きますのでご理解頂けますようお願いいたします。

まぁ、結局連休は一日もお休みしておりませんが、かと言って急いで作業をするということも出来ないのですね。「職人は能力以上の仕事は出来ない」(だから商売の方が良い)と昔に人から言われたことがありましたが全くだと思います。

で、いつものように今回はローライ35Sを3台ばかり仕上げています。作業はどれも同じなので気になったところをUPして行きます。すべての個体は過去に分解修理を受けていますが、この個体は沈胴のスリーブを抜いて再挿入したようですが、はみ出してくるフェルトをドライバーのようなもので押し込んだのかスリーブに傷をつけています。作動によるすり傷はないきれいなスリーブなのに残念だなぁと思います。

シャッターを取り出してみると・・あら~、6時位置のネジ部分を故意に座ぐってありますね。ネジを緩めようとスリ割りを回しても抜けて来ません。完全にネジバ〇になっています。

 

ネジを取り出してみると(左端)純正新品のネジです。表面処理が異なるのでサービスで使う補修ネジかも知れません。シャッター側の雌ネジが完全に破損しているので、の部分を削って一山でもネジが掛かるようにしたかったのでしょう。掛かっていませんでしたが・・

 

M1.4の長いネジはストックしてありますのでそれに交換して対応しておきました。ネジが1本締まっていないことから絞り羽根の復帰が緩慢の症状がありましたがこれで改善しています。

 

これは2台目のブラックモデルです。露出計は作動していますが過去に電池の液漏れがあって、後期の個体ですからトップカバー裏(前期は基板に直接)絶縁フィルムが貼られていますが、殆どグズグズの状態で絶縁の効果がありません。新しい絶縁フィルムを貼っておきます。

 

後期の後玉は分解可能となったことでレンズホルダー部が巨大化されていますが、これによって分解が他の部分と干渉してやりずらいです。基本設計では分解組立の整合性を考慮されているものが、途中で変更されると組みにくくなってしまいます。

 

フィルム装填での巻き上げテスト後巻き戻そうとするとフィルムがスムーズに巻き取れない症状が出ました。これはスプールバネに塗布されているホワイトグリスがゴムのように硬化していて抵抗となっているためでした。

 

3台目は前期型かな。後玉はこれが基本設計です。レンズ内の汚れが多いです。また、ヘリコイドの回転がスムーズではありません。

 

このようなヘリコイド部を初めてみました。前面からネジが貫通してヘリコイドネジ山を壊しているように見えます。しかし、オリジナルの加工なのかもしれません。分かりません。洗浄をしてヘリコイドグリスを交換します。

 

レンズを清掃をして組み立てていきます。

 

 

過去に分解された個体では、スプロケット軸上部に入る遮光マスクが無くなっている個体があります。この個体もありませんでしたので製作して取付けておきます。

 

中央回転部分の樹脂が荒れていますので研磨をしておきます。

 

 

この個体は過去に何度も分解を受けて、その度に前面プレートを再接着されたため、距離リングやネジ頭に接着剤がごってり付着していました。すべて洗浄をしてから前面プレートを接着します。尚、∞時、Rollei-HFTが真上に来るように接着しますが、この個体は全然違うところになっていました。 

まぁ、なんだかんだありますよ。これで皆良いコンデションとなりました。

 

 

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