先日、大変なコニカⅢAをやりましたら、ブログをご覧頂いたオーナーさんからご依頼を頂きました。「空シャッター時にセルフタイマーを巻いたら、うんともすんとも言わなくなった」とのことです。油切れのユニットはそうなりますね。精工舎MXLは古いシリーズのシャッターですけど小径でセルフタイマーが内蔵されていないので、別途本体側にセルフタイマーを内蔵する必要があるわけです。それがスプロケット軸の裏側というか表か?。前からは分解出来ないのです。スプロケット軸を分解するにはチャージ機構やギヤ列など、殆ど分解しなければならないので大変なんです。
トップ側からスプロケット軸に付いているカムの角度を記録しておきます。分かりますけどね。
画像を撮っていませんが、底部の巻上げギヤ関係を分解してスプロケット軸を外します。
レンズ右にレリーズリンケージがありますので、セルフタイマーユニットを取り出すのは知恵の輪的な作業になります。
ずいぶんと頑丈な作りのユニットです。油脂はカラカラの状態で油まみれですので何度も超音波洗浄をします。
右のギヤのダボが平板のリンケージを押し上げてガンギ車を止める構造です。良く見るとギヤ歯に合マークがケガかれていますね。ここが合っていないとセルフレバーの位置がへんてこになります。過去にメンテナンスをされたのでしょうかね。
注油とモリブデングリス塗布で組み込みました。では、スプロケット軸を組み立てていきますが、簡単には入りませんよ。良い子は分解しない方が良いです。チャージギヤとの合い位置が違うと正常に動きません。
チャージのリンケージも油切れでしたので清掃をしてグリスを塗布してからシャッターユニットを取り付けます。
強力なゼンマイ動力のセルフタイマーは快調に作動しています。とにかく大変なカメラです。