通称ベビーローライと言われる戦後タイプが1957(昭和32年)に発売されたグレーモデルのようですね。4X4判、フィルムはベスト判(127)を使用するカメラで6X6のローライフレックスのミニチュア版と言ったサイズで非常に可愛いですが作りは本物です。ツートーングレーはヤシカにも同様なモデルがあり、オリンパスPENなどにも影響与えたのでしょうかね? シャッター不調やレンズ曇りなど不具合があります。
フードを分離すると、スクリーンはコンデンサタイプです。角の突起はフードを開けた状態でないとシャッターが切れなくするための連動ピン。
シャッター羽根が張り付いて開きません。セルフタイマーも固着していますがユニットの状態は良いと思います。分解洗浄をしてレンズも清掃しておきます。
シャッターが作動するようになりました。先ほどのフード部のピンを押すとレリーズレバーが戻されてシャッターが切れなくなります。
小さくともローライフレックスなのでフィルムはオートマット方式を採用しています。➡でフィルムを検知しています。
オートマット方式ですが6X6判のようにフィルムをローラーの下に通す必要はありません。
フォーカシングダイヤルを回すと部分によってカリカリ(ゴキブリが家具の隅に逃げ込んだ音)とダイヤルが側板に擦れる音がします。分解してみるとフェルトにゴミが混入して擦れているようです。画像は清掃後。繰り出しのカムにグリスを塗布しておきます。
フィルム感度メモの動きが悪いので清掃をしました。軸部にグリスを塗布してから取り付けます。
各部の作動を確認して前カバーを取り付けます。6X6のようにシャッタースピードと絞りの爪位置を合わせる必要が無いのでちょっと楽です。
真鍮ネジの腐食による緑青の盛り上がりがありますので剥がして清掃接着をしておきます。
問題はそのシボ革です。本革ですが、すでに完全に硬化していてカチカチです。無理をすると「パチッ」と割れてしまいます。このような場合は保革油などを浸透させて柔らかくしますが、黒革と違ってグレーのような色革は製法が違うのか表面から内部に浸透して行きません。
シンクロ接点の固定ナットは専用工具を作ってあるので簡単に取り外し出来ます。
現在ではフィルムの入手が難しいと思いますが、国内でも供給されているお店もあるようですね。まぁ、本当に好きなマニアの方向けのカメラでしょうね。