今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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スタンダード・ノイの巻

2021年08月10日 12時20分00秒 | ブログ

賛否ありましたが東京オリンピックが無事に終わり閉会式です。日本選手団の獲得したメダルは金27 銀14 銅17の合計58個と私の予想を大きく上回りました。前回の東京大会では金16 銀 5 銅8の合計29個でしたから競技種目が増えたとはいえ日本の若者は頑張ってくれたと思います。先ほど閉会式の中継を見ていると演奏曲が私の希望していた前回大会で入場行進に使われた「オリンピック行進曲」でした。思わず感動してしまいました。コロナ下の大会でしたが選手の皆さん、運営、ボランティアの皆さんありがとうございました。8月24日からはパラリンピックが始まります。

このモデルの発売は1939年(昭和14年)とのことですので流石に劣化が目立ちます。ミラーは完全に劣化、レンズの曇り、シャッター不調、絞り羽根固着などがあります。観察するとミラーは表面鏡が劣化したため裏返して鏡状態で組んでありました。昭和14年は零戦の試作、十二試艦上戦闘機が完成した年ですから、それを考えると当然の劣化具合ですね。

テイク、ビュー共曇っていますので分解清掃をしますが、古いレンズはガラス自体の黄ばみは清掃出来ないようです。

 

ホルダーの前縁が当てられていてリングナットの分離が困難でした。

 

シャッターは古い割には摩耗は少なく、洗浄、注油で正常に作動します。

 

 

ビューレンズも曇っていますので分解して清掃しました。

 

 

スクリーンはガラスの黄ばみの他に汚れも染みついています。裏側からマジックで▢が書かれていてアルコールで拭き上げても残りました。これは水洗で洗浄します。

 

ミラーは再使用出来ませんのでストックから同寸法のものを使います。(厚み1.58mm)左の交換ミラーが青いのは保護フィルムが貼ってあるから。

 

清掃をしたビューレンズとミラーを組んだところ。スクリーンもきれいになりました。

 

ターミナル接点はリード線の半田付けです。この特徴的なリード線はオリジナルでしょうかね。

 

この個体のように古いモデルは途中で再塗装(タッチアップ)を受けているものが多いですが、この個体の前面カバーも塗装されています。アルコールで拭くと元の塗装が出て来ます。

 

Standard Nowはオートマット機構を省いた廉価版だそうで、カウンターは最初から「1」が出ていて、赤窓にフィルムの1を出してからシャッターを切って巻上げると「2」が表示されます。80年以上前のカメラとしては良いコンデションとなりました。

 

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