今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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オーバーホールするよPEN-Dの巻

2023年07月16日 10時00分00秒 | ブログ

寝起きのアイフォンに「きわめて危険」と表示されていました。今日は気温が上がりますね。皆さんも熱中症に充分お気を付けください。私はクーラーを利かせて一日作業をします。で、カメラ店様ご依頼のPENは費用的な制約で限定修理が多く、オーバーホールになることは稀です。特にPEN-Dの状態のよろしくない個体となると余計ですが、今回はオーバーホールご指示を頂きました。じゃ、頑張るよ。

気になるところを列挙しておきますよ。この個体はかなり乱暴に使われた個体で外観もへこみがありますがレンズは前玉に傷が多いです。交換したいところです。

 

巻き上げのロックが掛からないとのこと。このカメラでは良くあることです。の部分が陥没気味です。

 

PEN-Dのトップカバーは開口面が大きく、またカメラが重いですからゴツンと当てると大きなダメージになります。の部分が下がっています。

 

両サイドの吊環部が落下により陥没しています。その他裏蓋中央にもへこみがあります。修正をしておきます。

 

 

露出計は感度低下をしていますが、そもそも調整抵抗が1k程度と小さく、あまり感度の改善にはなりませんが、今回は抵抗を抜いておきます。

 

バネがすごいことになっていますね。

 

 

巻き止め不良はネジロックされている調整ネジを一度緩めてあるので緩んでしまったのでしょうね。なんか油と接着剤でベチョベチョです。こういうところに作業者のセンスが出て来るのです。

 

スプロケット軸を分解しようとしても抜けて来ません。そもそもスプロケット内径と軸が固着気味で位置が合っていませんので抜けません。

 

 

幸いシャッターは未分解で状態は悪くないようですが、ヘリコイドグリスが抜け気味です。では、暑いですが折角オーバーホールを頂きましたので頑張って作業をして行きます。

 

梅雨はどこへいっちゃったの? 日中は暑くて車でスーパーへ買い出しにも行けないし・・では、洗浄したシャッターを組んで行きます。左の本体は基礎設計はPEN-Sと同じですが、絞り羽根がシャッターの後にあるので右のハウジングが異なります。

組立てたシャッターの裏側に絞りリングを取付けて後玉を付けます。

 

 

グリスを入れ替えたヘリコイド部を合体します。

 

 

この個体はのチャージコロが標準より外径が大きなものが使われています。稀にチャージストロークの調整が取れない個体の救済用かと思います。

 

洗浄をした本体を組んで行きます。回転が重いスプロケットと軸の嵌合を調整して組み立てます。

 

 

メーターユニットを載せて組立完成。

 

 

メーターのガラスが剥離しましたので、表面キズを研磨して再接着をしました。そもそも、樹脂ガラスを表から取付ける設計は、裏側は全く接着シロがない状態(表面から接着剤が見える)で接着させている構造に無理があるのです。一般的な裏側からの接着ではメーター本体とのクリアランスが確保できないので苦肉の策でしょう。

調子は非常に良いと思います。PENの相場も、もう少し上がればオーバーホールもやり易いのですけどね。

 

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