今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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汚れ放題PEN-Sの巻

2023年07月11日 19時00分00秒 | ブログ

梅雨も明けていないのに今日は「熱中症警戒アラート」が発表されましたのでやっとクーラーを使用して作業をしていました。皆さまも熱中症には充分ご注意ください。

まずはコンタックスⅢAの裏蓋変形を修正せよ。とのご指示。どこ? あぁ、これか・・変に盛り上がって本体からの脱着がスムーズではないですね。

こういう細かな作業依頼もありますね。素材のスチールが陥没変形している部分は直りませんが、タッチアップ塗装をして本体に取付けましたがスムーズに嵌ります。

 

これで完了です。

 

 

本題です。しかし、どことなく薄汚れたカメラですね。PEN-S #3145XX は、シャッター完成(コパル)昭和37年11月。カメラ完成は同じ1962年11月です。長く生産されたPEN-Sとしては前期(発売は1960年6月)の個体ですから古いです。

鏡胴回りも汚れていますね。しかし、メッキの腐食は無いので湿気の少ないところに保存されていたようです。

 

駒数ガラスも汚れて見にくいです。

 

 

トップカバーを分離して見ると・・駒数盤まで汚れているのは珍しい。これは洗浄に時間がかかりそうです。

 

スプールナットに分解傷がありますね。シャッターは未分解のようですので何をしたのでしょう?

 

全て分解の上、まずはボディーを洗浄しておきました。

 

 

シャッター未分解でしたがシャッター羽根が張り付いていますね。シャッターも初期型ですので部分的に仕様が異なるところがあります。小さなバネ1本で作動するシャッターですので、製造が古いのはバネのテンションが下がり気味のため安定して作動させることが難しいです。細かなフリクションを低減することが肝要かと・・

シンクロのターミナルは必ずと言って良いほど半田付けが外れますので再半田をして組みます。この後、ストロボ発光のテストをしてからシボ革を貼ります。

 

ファインダーの接眼レンズが中々外れずカッターで指を切りました。夜遅くまでやっても良いことはありません。レンズの接着は作業者によって完全さが異なり、残念ながら?この個体の作業者は非常に真面目で几帳面な作業のため慣れた私でも分離に手こずりました。元々、メーカーでは使用過程でレンズを外して清掃をするという発想はありません。

駒数盤とガラスもきれいに磨き上げてあります。トップカバーを本体に取り付けます。

 

 

初期型のレンズは意外に後玉のコーティング白化を起こしているものが少ないような気がします。この個体は前群2枚の中間が曇っているので、分解して清掃をしてクリアーになっています。中々良いレンズ。

 

裏蓋は洗浄した圧板の取付とモルト貼りをしてあります。内部は洗浄組立できれいです。スプロケットが黒アルマイト仕様となりスプールはグレーです。

 

きれいになったでしょ。調子は安定していて非常によろしいです。

 

 

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