さて、暑くても作業はして行きます。PEN-FTブラックの#3159XXと良い時期の個体ですが、巻上げのゴリツキとハーフミラーの劣化ぐらいかなぁ、気になるところは。恐らくこのカメラもあまり書くところが無いと思います。
未分解機と思いましたが、アンダーカバーに打痕の修正痕とトップカバーを外してみると青のビニールテープ。まてよ、このテープの色は何度か見た記憶があります。ハーフミラーを交換した形跡も無し。モルトもやり直した形跡無し。何をしたのでしょうね?
では、暑いのでゆっくり確実に作業をして行きます。ダイカスト本体を洗浄してモルト貼り、スプロケット軸などを取付けて行きます。
シャッターユニットはチャージギヤ軸の摩耗も無く問題ありませんでしたよ。洗浄脱脂の上組み立て注油をしておきます。
シャッター幕を取付けて本体に組み込みます。幕もきれいですね。
ははぁ、過去の分解でハーフミラーの交換もされていないのにファインダーの無限調整をされていますね。調整後はネジロックをしておかないとダメですよ。完成後にピントを確認したところ、かなりのオーバーインフ気味でした。今回の分解で調整がズレることはありますが極わずかですし、工場での調整からも大きく外れています。何を調整したのでしょう?
プリズムのコーティングにカビ汚れがあります。これは慎重に拭かないとコーティングが剥がれる危険があります。
ファインダーのハウジング。レンズの清掃とモルトの貼り替えをして取り付けます。
接眼プリズムのコーティングは工場で貼った遮光用のテープの糊が原因で曇るのです。拭き上げには注意が必要です。
31万台としては劣化が激しいハーフミラーでかなりメッキが透けています。保管が良くなかったと思われます。
実際はもっと黄ばんでいますが・・ブラックモデルは決まってトップカバーのPEN-FTが変色しています。アクセサリーシュー裏のゴム板が原因です。このオーナーさんの過去にメンテナンスをした個体はすべて色入れをやり直しているので古い塗料を溶かして取り除きます。
色入れをやり直してすべて終了です。特に問題のない平和な個体でした。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)