ローライ35ブラック #3459XXXが来ました。カメラ店様には、全体を整備をしてから販売するお店と不具合のところだけ直して販売するという方針のお店がありまして・・(どちらが悪いということではありません)この個体の場合は「元のコンデションが良くないので悪いところだけ」とのことでしたが、点検すると気になるところが多いので出来るだけ工数を掛けずに気になる部分のメンテナンスをするということにしました。一番の問題は「シャッターが開く時と開かない時がある」です。
この個体はft機ですからアメリカからの仕入れかと思いますが、過去に分解をされた形跡があります。海外修理はあまり信用が出来ませんが・・シャッターのメンテナンスもしますが、直接の原因は↓部分で作動が停止する時があることです。ブーメラン形のトグルレバーにはサイズ違いで何種類もありますが、適正でない部品をつけるとこのような現象になりますね。他にも原因はありますが・・
巻き上げレバーを留めるネジが普通のナベネジに変えられています。これですと頭が小さいので小判孔なのでレバー位置を保持できない可能性があります。海外修理には良くあることです。
ファインダーの指摘はありませんでしたが、やはり汚れていますので清掃します。
樹脂本体の中央部分が切り取られています。対物レンズを清掃するためだったのでしょう。簡単にオリジナルを変えてしまう修理はダメですね。
ファインダー下のスプール軸ギヤも清掃とグリス交換をしてからファインダーを取り付けます。
シャッターはメンテナンスをしました。レンズの清掃と、前玉のヘリコイドグリスが完全に抜けて(これでは販売できません)いますので清掃でグリスを入れ替えます。ピントリングはft表記側になっていますのでm側に変更してピント調整をします。そもそも、事前の無限確認でズレがありましたが、この中玉のねじ込みが緩んでいました。これですから全部見なければならないのです。
レリーズを繋げてシャッターを切ろうとするとチャージ完了と同時にシャッターが切れてしまう不具合があります。点検するとレリーズボタン下に入る「レリーズピン」が変です。
この部品はグリスを塗布されているので自然には外れないのですが、個体によっては「ポロッ」と落ちてきます。それを知らずに紛失してしまって、アルミのリベットか何かにEリングをセットして誤魔化してありました。右が純正です。海外修理は何でもあり。私なら旋盤で作った方が楽です。
レバー当てが欠落しているので裏からテープで塞いであります。製作して取り付けておきました。
見える不具合だけと言っても他にもいろいろあるものです。一通りメンテナンスをして外観清掃しましたら、見違えるような個体となりました。この方が評価も上がると思いますね。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)