その前に、カメラ店で購入したPEN-FTのリターンミラーが剥離をしたとのことでお店経由で送られて来ました。幸いリターンミラーの割れやフレネルレンズへの衝突もなくラッキーでした。
接着面の剥離はかならずミラーホルダー側のクロメート層側でおきます。まず、剥離をしたミラーから古い接着剤を取り除きます。
接着後、ファインダーの∞を確認して終了です。リターンミラーの剥離はFTの持病ですので、どの個体でも突然起きる危険があります。注意のしようがありませんが。ところで、きれいで作動も良好な個体だなぁと思いましたら、過去に私がメンテナンスをした個体でした。回り回って帰って来たということです。
で、本題です。ご常連のPEN-W コレクターの方から塗装の状態が素晴らしい個体#1029XXが来ました。恐らく私が確認した個体のうち2番目ぐらいに良いです。
内部もきれいで殆ど使用されていませんね。例によってシャッター作動せずとファインダーの曇りです。
つや消し黒の塗膜は、まだつや消し層が摩滅もしていない完全な状態です。
で、オーナーさんもシャツターが開かないのでレンズの後玉の確認が出来ませんでしたが、あ~ぁ・・
後玉を取り出してみます。これはコーティングの劣化で、すでに剥離をしている部分もあります。
清掃をしてみました。幸いバルサム劣化はないので良いかなぁというところ。
では定番の作業からしていきます。このファインダーのレンズを接着した作業者は非常にまじめに作業をしていて、それが分解しにくい原因です。やっと分離しました。
シャッターもほとんど使用されていません。洗浄後に組み立てています。最後にシャッター羽根をセットしてハウジングを閉じます。
画像にすると分かりませんが「OMS」の文字に部分的な色抜けがあります。オーナーさんから修正ご希望ですので修正をしておきます。
レンズは後玉にコーティング劣化がありましたが、すでにオーナーさんが所有されている同時期製造のレンズの方が状態が良好のためレンズユニットを交換しました。これで外観とレンズ共、現存では最高レベルのコンデションとなったと思います。羨ましい方がいらっしゃるものです。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)