「遅れて来たペンマニアさん」から元箱付きのPEN-S3.5が来ています。とはいっても本体だけで画像は拝借です。この個体は、最近オークションで入手されたばかりだそうですから、見覚えのある方もいらっしゃるでしょう。取説と保証書は無かったのかな? するとオリジナルのセットか、後年に組み合わせたものかは分からないですね。
一般的に元箱付きの場合は、未使用のデッドストック状態が多いのですが、この個体は結構使われたままで汚れがありますね。
元箱に入っていた割りには保存状態が良くないですよ。特にメッキの劣化が進んでいます。全体的に表面がザラついていて、後期のメッキではないような感じさえします。
内部ですが、フィルムレールなどの腐食は軽微ですが、メッキのナット類が曇っています。
裏蓋の内部。モルト汚れが目立ちます。
シャッターは作動はしますが極端に遅い(眠い)感じ。すべて洗浄をした後、組み立てていきます。すべては、ここのスプリングが作動の起源です。
一か所不具合がありました。シャッターダイヤルのストッパーピンが曲がっていました。範囲外に無理に回そうとすると簡単に曲がってしまいます。気を付けましょう。画像は、曲がりを修正してから追加でカシメてあります。
その他は新しい? ので問題は無く組み終わりました。但し、コパルでの製造捺印(昭和40年1月)がネジの真上に押されていたため(こんなの初めて)分解のため止むおえず消してしまいました。後年の方への情報伝達のため、再捺印をしておきます。
洗浄をした本体の組立をします。スプール軸は少し摩耗気味です。普通に使用されていた個体です。
シャッターユニットを本体に取付けて、組立はほぼ終了。
PEN-S3.5のファインダーブロックはプラ製なので強度がなく、レンズ分解の時には破損に注意をします。接着剤の硬化時間が必要のため、作業の最初にレンズ分解清掃のうえ接着をしておきました。
かなり長期に渡って放置をされていた個体ではなかったか?カビがすごしです。
後玉も同様です。ただし、新しいせいかコーティングは健在で、清掃でほぼ良好な状態としています。
それほど多くのフィルムは通していない個体であったが、保管がねぇというところでしょう。極力努力をしてここまで復活をしています。良い感じでしよ。
元箱に同梱されているものに、品質保証書、カメラクラブ入会勧誘パンフ、振込票、カメラ登録証(送付封筒)などがあったはずですが、時代によって内容が変化しているかもしれません。
タグは付いていたようですね。この時代は腕時計など貴重品には洒落たタグ(しおり)が付いていましたね。レンズも良好、作動もスムーズに仕上がりました。