今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

奇跡的にきれいなPEN-FT初期型

2010年12月14日 13時25分57秒 | インポート

Dscf153424 このPEN-FT #1049XXのオーナーさんはデジカメからフィルムカメラに移行されて来たという珍しいお方。オークションでたまたま入手したのが今回の初期型FT。いやぁ、苦労を背負い込んじゃったかな? と拝見してみると・・確かに巻上げの感触はゴリゴリで悪いが、この保存状態の良さは何なんだ! 殆ど使用された形跡もなくので外観や塗装の剥離も無い。トップカバーのビスは開けた形跡はありましたが、内部に手をつけた形跡はありませんね。カバーを開けたときにターミナルの配線を切っていますから、知識の無い方の仕業でしょう。

Dscf153851 驚くのはミラーなどの光学系の劣化が皆無なこと。ハーフミラーはこれから分解して検証しますが、初期型でこのリターンミラーの状態は驚異的に良いです。貼り替えかな?とも思いましたがオリジナルですね。一般的にもこの状態を維持するのは高温多湿の日本では難しいはずです。海外里帰りなら納得しますが、PASSEDシールの貼り跡もありませんから国内ものなんでしょうねぇ。製造当時から防湿庫というのも考えにくい。まぁ、資料的に貴重な初期型の良品ですから、しっかりとメンテナンスをしていきます。

Dscf1545541 すばらしく保存状態の良い初期型ですので、すんなりとメンテナンスは終了するかと思われましたが、そうは問屋が卸してくれませんでしたね。不具合や初期型の特徴的部品がありますので、ごっちゃに書きますよ。まず、ピンセット先のギヤに擦れ跡がありますが、これは右側の↓部分が接触をしているのです。コンマミリ単位での寸法を詰めてあるため、図面上ではクリアランスはあるはずなものが、実際には加工精度などの問題で接触してしまうのです。これは初期に多い不具合で、厳密にはシヤッタースピードにも影響があるはずです。工場で接触が分かっていた個体は、予めヤスリ掛けをされている個体も存在します。

Dscf1539981 巻上げレバー裏の露出計ユニットのダストカバーは↓のように平板の打ち抜き部品ですね。これでは不完全なので、すぐに下のピンセット先のコの字型のものに変更されます。しかし、焼け石にお湯程度でしょうね。

Dscf1548781 代わりに、露出計ユニットのプリズム部分には遮光用のカバーが付いています。これは、↑の変更により省略されます。

Dscf155052 カウンタープレートを留めるナットはダブルナットになっていますね。手の込んだことを・・その後はシングルナットとなって、またまたその後にはナットではなくてビスに変更されます。(シャフト側が雌ネジになる)

Dscf155424 シンクロターミナルとそれを留める真鍮ナットのなんときれいなこと。まるで酸化していませんね。どこにあったのでしょうね? しかし、中央の絶縁体のカシメが不良で抜けてしまいます。どうもカシメがだめですねぇ。トップカバーの裏側のエプロン部分を見てください。キズが沢山ついていますね。プレス型がうまくいっていない頃なのでしょう。修正の跡です。表面は研磨をしてから梨地を打ちますので現れません。

Dscf155675 メンテナンスをして行くと、巻上げの途中で止めると逆転することに気が付きました。これは、ピンセット先の逆転防止爪が機能していないためで、観察すると、初期の爪は先端の形状が緩やかでギヤ歯に噛みにくい形状をしていることと、テンション用のスプリングが非常に弱いことが分かります。スプリングの強度は経年劣化も考えられますが、爪の形状はこの後鋭い先端の形状に変更されますので、やはり問題が起こったのでしょう。

Dscf1559421 またまたカシメの問題ですね。←のコントロールレバーのカシメが緩んでシャッターダイヤルのカムから外れそうになります。手に持っているユニットは後期のもので、レバーの形状違いますし、なによりカシメしろが大きく取ってあります。と言うことは、こちらも問題となったわけです。今回は、再カシメ修正をしておきましたが、緩んだカシメは二度と同じ強度にはカシメることは出来ないのでちょっと心配ではあります。まぁ、その時は考えます。オリンバスさんは、初期型というとカシメ不良が多いのは何故なんでしょうね。

Dscf156128 なんやかんやで完成しています。一度分解歴はある個体でしたが、トップカバーを留めるビス(全てスリ割り)の頭が笑っていますので推して知るべし。電池室からのリード線の線径が細いのでリード線をやり直した可能性があります。初期型の特徴であるセルフタイマーボタンにキズがありましたので・・この後の生産ではボタンの出張り量を増やすために厚みが増しています。SSから「開かないぞう」ってクレームがあったのでは? まぁ、初期型の特徴ですから交換はしませんが。


きれいなPEN-D3 EL

2010年12月11日 20時16分47秒 | インポート

Dscf150628まだPEN-Fが続くのですが、難儀な個体が続いたので他の作業が遅れています。そこで気分転換もあってPEN-D3をやります。お身内の形見だそうですが、D3でもEL仕様の#5100XXと後期の生産ですね。形見とのことですが、殆ど使用されていない個体ですが、残念なことに長期の放置で塗装が痛んでいますのでオリジナル仕様でリペイント仕上げをします。まず、困ったのは前面の文字リング。普通は強固に締まっていることは稀ですが、この個体は親の仇のように緩まない。Dなどと違って、雄ネジのリングがアルミ黒アルマイト製(Dは真鍮クロームメッキ)なので、噛み込み易い傾向にはあるけど、それにしても緩まない。化粧プレートなので無理な力を掛けて損傷は出来ない。こんな場合は内部の真鍮ビス3本をネジロックした接着剤が文字リングに付着していることが多いのです。無理は禁物。溶剤を流し込んでしばらくすると・・ご覧の通り外れてくれました。文字リングの裏にビスの接着跡があるのに注意。

Dscf151167 ご覧のようにダイカスト本体の塗装劣化が激しいですね。勿論保管の条件も影響していますが、この頃の生産機はそれ以前の製品と比較して塗装の艶消しが強い傾向にあることはマニアの方はご存知だと思います。私のように塗装という観点から見ている者からしますと、これは単に艶消しの方がカッコ良いからではなくて、塗装品質を誤魔化すための処置だと思います。塗装は下地が大切ですが、この頃のダイカストの研磨は非常に雑で、研磨目がそのまま残っていることとダイカストの巣も確認出来ます。ダイカスト自体の品質基準も下げて塗装前の研磨にも時間を掛けない。その下地に塗装を施すと、従来の塗装艶では「粗」が目立ってしまうのです。そこでどうするか? 塗装の経験がお有りの方はお分かりだと思います。艶を落として目立たなくするわけです。その塗装膜も薄くなっていますけどね。結果的に殆ど未使用に近いボディーでもこの有様です。なぜこのようにしたか? それはコストダウンです。塗装はたぶん外注工場だったと思いますが、コストダウンの要求に、「それなら品質基準を下げて」ということでしょう。

Dscf151364 今回は、オリジナルに忠実にというコンセプトですから、通常よりもかなり艶を落としてこの個体の艶に合わせて塗装してあります。それでも、オリジナルはワンコート仕上げですが、今回は研磨も含めて3コートとして塗膜の厚みを確保してあります。

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オーバーホールを終えたシャッターユニットを本体に組み込んでいます。殆ど未使用のユニットですから全く問題はありません。当然未分解のユニットでした。

Dscf152465 本体の組立てが完成するとシボ革を貼りますが、この頃の接着は比較的弱い接着剤となっていますので剥離は容易です。但し、裏蓋は従来の強力に接着するタイプのままです。この後の時代になるとEE-3などのように両面テープによる貼り付けとなりますので、テープの経時劣化によりシボ革が縮んでいるものが多いですね。幸い、この個体はのシボ革に縮みは発生していません。

Dscf152987 トップカバーの裏側は腐食が進んでいますね。劣化したモルトが湿気により悪さをしているのです。全て清掃して接眼部分のモルトを再生しておきます。

Dscf1532691 湿気の影響でしょうか、Cds素子が不良となっており、露出計が不動でしたので、素子を交換して作動させています。画像はスイッチを入れて作動を見ているところ。その他、湿気のためレンズ先端部(シャッターリング)のダイヤカットが腐食していましたので腐食部分を軽く削り落とした後、研磨をして輝きを取り戻しておきました。これで新品同様のD3が復活しました。塗装部分をリペイントと気づく方はまずいらっしゃらないでしょうね。


40mm f1.4が緊急入院

2010年12月11日 20時00分44秒 | インポート

Dscf150533 女性PEN-FTオーナーさんから40mmが緊急に送られてきましたよ。では、私は女性には優しいので先にやりますよ。この40mmや38mmなどは、レンズ前面の文字リングがナットになってシボリリングなどを留めていますが、少しずつリングの締め込みが緩んで外れてしまったのでしょう。ついでですから全体のメンテナンスをしてから組立てています。懸念していたクリックバネとベアリングはやはりどこかに落として来ちゃったのね。今頃地面で泣いているでしょう。仕方ないので当方の部品で組んでおきます。このレンズは構造上文字ナットが緩みやすいのですが、きつめのゴムキャップを装着していたことでストレスが掛かったのかも知れませんね。


次も不動のPEN-F

2010年12月07日 17時30分37秒 | インポート

Dscf147843 当分PEN-Fが続きますが、この個体も#1110XXと初期の個体で分解歴がありますね。シボ革を剥離する時に工具でキズをつけていますね。私が一番気を使うことです。初期型ですからリターンミラーの先端2カ所を抑えのビスがありますが、上側はビスが付いていますが、下側はビスは無く補修塗料で埋められているようです。何でこのようになっているのでしょう? また、リターンミラー自体も貼り替えられているのではと思います。ピントの再調整をした形跡がありますので、プロの修理屋さんの作業でしょう。

Dscf148169 分離してみると・・そもそもリターンミラーは複製品に交換されていますが、ちょっと小さめなんですね。幅で0.5mmぐらい小さいのでミラーホルダーとの隙間が開いています。左側のミラー抑えとビスは付いていますが、右側はなぜかプレートが接着されてビスは省略されています。このようにした意味が分かりませんね。

Dscf148344 F系のリターンミラーの厚みは特殊で薄いものが採用されていますが、接着されているミラーは使用可能と判断しましたので再使用とします。一度抑えビスなどを分離清掃して改めて両側に取り付けて塗装の剥離を修正しておきます。ミラーサイズが小さめなため、抑えプレートが辛うじて届いているのに注意。初期以降は抑えビスは省略されますので、特に無くとも支障はありませんが・・ミラーの接着剥離事故は防げる訳です。

Dscf149023 UPが遅れてすみません。1台目のFと同じように自然故障機ではなくて、過去に分解修理歴がある個体ですが、本来分解してはいけない部分にも分解が及び、全体のバランスを崩しているのが特徴です。この個体の場合は、ギヤの逆転防止爪が何度も締め込まれてビスが壊れた状態でしたので、爪の位置が変化してギャの戻りが発生しています。本来は工場で調整の後、エポキシ接着剤で強固に緩み止めをされていますが、この個体の場合はバカネジにゴム系ネジロックを塗布してありましたので利くはずがありません。ギヤのロック位置を何度も調整している間にネジが壊れたのでしょう。余計なことは何とかです。

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ここも気になります。シャッターユニットからミラーユニットに伝達する役目のレリーズ部がグラグラで何度もピンセットでキズをつけられた形跡があります。この状態ですと、スローガバナーが利かずシャッターが高速のまま切れる可能性があります。ここも通常は分解する必要はありませんが、何が問題だったのでしょう? 観察すると薄いワッシャーが入っていません。その分、レリーズにガタが大きかったのでしょう。規定値のワッシャーを追加して組み立てをします。

Dscf148692 ブレーキは一度分解されてOリングをナイフで削った状態のものが何故か半分に切って入っていました。意味が分かりませんね??

Dscf149539 シャッターのテストをしているとね。リターンミラーが飛び出してきました。割れなくて良かったこと。接着面を観察すると、最初はエポキシ接着剤で付けてありますが、それが剥離したと見えて、そのままゴム系接着剤で付いていました。接着面がどんどん厚くなってしまいます。使われているリプロ部品や、内部の見えない部分のモルトは省略する流儀は何度も拝見したことのある眺めです。このように細かな部分の推理と修正が続いて、とても普通のオーバーホールとは言えないのが最近のFの修理です。「元々ユニットに強度が無くてしかも古く、消耗磨耗も進んでおまけに意味不明の修理を受けている」という具合ですね。これですから、徹夜でやっても終らないわけですね。

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この個体は、他にもミラーユニットの不良がありましたので、フリーズした直接的な原因は特定できません。ミラーユニットは使用による消耗が原因ですので修正をしておきましたが、他の問題は分解したことで返って状態を悪くしています。1台のカメラの中に問題点が複数存在していることで規定工数での修復を困難にしています。同時に作業をされたのかは分かりませんが、高価なリプロ部品が使われていると思うと、それに見合わない作業がある。アンバランスな個体です。初期型にはきびしい状態の個体も多くありますが、初期型のみの特徴もありますので、平均的に残して行きたいとは思うのです。この画像ですと、ピンセット先のカギバネをセットするカギ板にはまだホルダー(ダボ)はなくてプレスのお越しですね。真鍮の接眼プリズム抑えもリード線をホールドするためのスリットが設けられています。あまり意味は無いので、すぐに取り去られて只のロ穴となります。

Dscf1502951 付属の38mmはFT用の後期生産機が付いていますね。清掃をしてあります。初期型のもう一つの特徴はマウントの合わせマークです。この個体は↑のように側面にスリットを切って色入れをされています。ちょっと見にくいですしデザイン的にもアクセントが欲しいですね。そこで、その後の赤となっています。ここの所続いているFは、通常のオーバーホールで済む状態ではありませんね。新品の交換部品も無い中で手持ち部品をやり繰りしての修復作業ですから、どうしても時間が必要なのです。その点ご理解頂きたいと思うのです。


なんでPEN-Fばかり?

2010年12月03日 19時16分44秒 | ブログ

Dscf143655 申し合わせたようにPEN-F修理のご依頼が数台入って来ましたので、私のグレーFは後回しにしますよ。しかし、FTはどこへ行ったやら? 入って来たPEN-Fを検証するとFTより古いせいもありますけど重症なものが多いですね。また、どの個体も初期型で過去に修理歴があり、入手して間もないのも共通点です。現在、市場に流通しているFの現状でしょうか? この個体#1739XXは最初期ではないので多少はマシですが、女性のオーナーさん曰く「ちゃんとした(有名な)中古屋さんからネット購入した」とのこと。と言うことは委託品ではないわけですよね。フィルム2本目の撮影中故障をして完全にフリーズで来ましたが、底蓋を開けて緊急脱出を試みるも反応なし。ピンセット先のレリーズスライダーが変ですね。故意に曲げられています。上は製作中のグレーFですが、これが正解。(中期からはFTと同じような部品に変更されます)内部を分解してみると・・シャッターユニットのテンションシャフト付近の組み方が間違っておりタイミングが合いません。その帳尻合わせで故意に曲げたのでしょうか? 難しいことを考える人の思考は分かりません。私はオリジナル通りに忠実に組むだけです。では、進捗により、このページを加筆して行きますので続けてご覧ください。ブログの書き方に慣れないんですよねぇ・・

Dscf145164 すべて分解してみると・・シボ革を強力な接着剤で貼ってありますが、これが厚すぎますね。すでに工場での接着分だけシボ革は厚くなっていますので、極力薄く貼るように心がけなければなりません。これは剥離が大変だぞ。それは良いとして、何か白いものが付着いていますね。これは一部の分解マニアさんたちが使用している潤滑剤だそうです。お使いになるのはご自由ですが、治りませんよ。これを洗浄するのが意外に大変で中々落ちてくれません。

Dscf1453351 気を取り直してスプロケット、スプール軸から組立てて行きます。駒数板を組んで作動を確認すると40付近で引っかかる。点検すると、下ギヤのギヤ歯の1枚が損傷しています。画像の↑部分が分かりますね。これは稀にある不具合です。今回は修正をして様子を見ますが、このギヤの材質は真鍮でも硬い材料で、簡単には曲がりません。組立て後、運針に問題があればギヤを交換することになります。たぶん使用中にも不具合が有ったはずですが、フィルム2本目では気が付かなかったのでしょう。

Dscf145537 いろいろ見ていくと、ちょっと騙されちゃいましたね。要するにこの個体は寄せ集めで組まれているのです。元はアマチュアさんの遊んだ個体で、それを中古屋さんの修理屋さんで寄せ集めて仕上げたものでしょう。裏蓋なども25万台頃のものに交換されているようです。で、故障の根本的な原因は、ピンセット先のスローガバナーの取り付けダボ。これのカシメが不良で抜けてくるため、左に見えるハンマーが回転した時、ガバナーレバーを乗り越えてしまうもの。ダボはそもそもカシメしろが殆どなく、不良品だよなぁ。本来は地板交換ですが、そうも出来ないので修正して再使用します。しかし、PEN-F初期はカシメ不良が多い。

Dscf1464931 リターンミラーユニットですが、ピンセット先のバネが変でしょ。これは、二重巻上げをしてねじ切ってしまったバネを先端を曲げて再使用しているのです。本当はダメなんだけどなぁ。この時点では気が付かなかったのですが、そもそも、このユニットはこの個体のものではなくてもう少し後のユニットなのです。↓の部分にくぼみがありますね。これは、テンションシャフト(上の方を見よ)が変更された後に対応するユニットです。

Dscf1466831 Bがこの個体。最初にテンションシャフトが曲げられていましたね。あれは、規格の合わないミラーユニットを使ったためにテンションシャフトが長すぎたため曲げたものです。Aは変更前のユニットで組まれた個体。Cは変更後のユニットで組まれた個体。今回組んでいる個体はACのユニットで組まれたもの。しかし、PEN-Fは本当にいろいろな事情を抱えて生き延びて来たのですね。正直なところ、推理ゲームをやっているようでは、通常のO/H費用では合わないですよね。

Dscf146238 スローガバナーの取り付けダボを修正してユニットを組立ててあります。ブレーキのOリングは交換してあります。

Dscf1469451 またまた騙されちゃいました。完成してシャッターのテストをしているとミラーユニットのトルクが出ない。点検すると・・Aは純正のバネ。Bがセットされていたバネ。外径も異なりますし、バネが硬すぎでねじりバネとしての柔軟性が足りません。このバネは特殊材質で複製は困難です。道理で分離に苦労したわけです。「似たようなバネで代用出来るのでは?」とお思いかも知れませんが、このカメラはバネが命なんです。これは純正品と交換しませんと性能が確保できません。女性オーナーさんからはご心配のメールが入っていますが、この個体のように自然故障機ではなく、いろいろ手が入ってしまった個体の修復は想像以上に労力を必要とします。

Dscf147199 と言うことで、レンズの清掃を終えて何とか完成しています。外観はそこそこきれいに見えますのでオークションやネット販売では本当の状態を知るのは全く無理なお話です。今回のように、ユニットに不具合を抱えていたり、規格の合わない部品に交換されていたりでは入手してから苦労することになります。結局、スローガバナーも交換されていたんだろうなぁと思います。購入に当っては実物を良く見てと言いたいところですが、私が見ても、今回のようなことは見抜けるはずがありません。要は運ということになりますかね。とにかく、PEN-Fには問題を抱えている個体が多いですから充分ご注意になってください。