また時計をやります。ご常連さんのINOBOOさんからの新しい指令。セイコー・スポーツマチック5 DXの金めっきモデルとステンレスモデルのジャンクをニコイチで仕上げよ。とのことです。このモデルは1965年製でケースも大柄で、当時の高級モデル。25石で防水自動巻き、ハック機能(秒針規正)付きですが、手巻き機能は省略されています。基本的にステンレスモデルを母体に仕上げますが、ケースは、かなり傷が多いですので研磨が必要です。リューズとボタンの中間に、突起物がありますが、これは、オリジナルではなくて、途中で付けられたものです。
研磨をしたステンレスケース。突起物は取り去ってあります。では、機械をO/Hして行きます。金めっきの個体は、一見きれいに見えますが、裏蓋を開けてビックリ。自動巻き機構が全て取り去られています。手巻き機能はありませんので、要するに動かないということ。
機械は輪列を組んであります。ゼンマイの入っている香箱の内部はかなり磨耗をしていますね。オイルはカラカラの状態。洗浄注油をして組み込みます。
特徴的の受けですね。大きなテンプが動き出しました。この上にマジックレバー式の自動巻き機構が載ります。
自動巻き機構を載せたところ。ケースに収めるまでは回転錘は取付けません。中央のベアリングは多少磨耗気味で、回転錘が地板に接触した痕があります。研磨したケースに、金めっき仕様の日付送りボタンを取付けます。
文字盤、秒針、日車、リューズは金めっき仕様を使います。長短針はアクセントで銀仕様です。この選択はINOBOOさんからの指示です。次は、ケーシングですが、純正の新品風防が明日届きますので、届き次第組み立てます。
デッドストックの純正風防が到着しましたので交換をしてあります。新品なので、かなりきつ目でした。裏側です。回転錘を取付けて防水用のOリングをシリコングリス塗布にてセットをしてから裏蓋を圧入します。
これがINOBOOさんから送られて来た完成予想イラストですよ。お仕事の合い間にせっせと書いています。
で、これが完成現物です。イラストと全く同じですね。恐るべし。まぁ、そのように仕上げるのも結構大変だったりして・・元々付いていた風防は、角がちょっとドーム型で他の機種の流用だったようです。(純正は角ばっています) さて、金銀コンビスペシャルに似合うベルトはあるのでしょうかね? 金銀コンビのステンレスベルトですかね。