今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

風防ガラスの再接着の巻

2018年10月06日 21時12分34秒 | ブログ

裏でカメラの作業もやってますけど、部品待ちのため時計をやっておきます。古くからのPENのお客さんから時計が2つ来ていました。風防ガラスの交換と再接着のご依頼です。こちらも部品待ちのため再接着から。シチズンの薄型クォーツですが、オーナーさんのお名前が入っていて企業より贈られたものですね。では、修理しないとね。風防ガラスは紫外線硬化型の接着剤で接着されていたようです。古い接着剤をきれいに取り除いておきます。

風防が剥がれた後に文字盤に触れたと見えて文字盤が汚れています。アルコールなどで清掃すると表面のニスが剥離する危険があるので注意して清掃します。

 

こんなところですね。すでに汚れが固定していた部分は残りました。

 

 

 

接着硬化後、ムーブメントのホゾに注油をしてケーシングします。

 

 

まぁまぁ、きれいになりましたね。

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HAMILTON Khaki の巻

2018年10月05日 19時18分55秒 | ブログ

ミリタリーウォッチがお好きなご常連さんからハミルトン・カーキが来ています。カーキってカーキ色のカーキ? ハミルトンが製造していた軍用モデルを後年民生用に販売した(現在も)モデルでしょうか。現状は不動で来ました。

 

ムーブメントはETA 2750で、1969年~1982年まで生産された機械です。動かない原因は角穴車のネジが緩んで脱落してしまったのですが、ゼンマイを巻いた歯車が逆転しないように留める「コハゼ」が欠品しています。裏蓋を開けた時に落ちたのに気が付かなかったのでしょう。ケースは香港製のようです。

コハゼはすでに入手不可能ですので、オーナーさんが手ごろなジャンクを探していますが、こちらはボチボチと組み立てて行きます。

 

ホゾをホゾ穴に入れるためにピンセットで位置を合わせる隙間が無いので、受けをセットするのは非常にやりにくいです。

 

何とか受けをセットしてアンクルとテンプを取り付けました。元気よく動きだしました。

 

ピンセット先が調達したコハゼ。角穴車の逆転を止めます。

 

 

カレンダー機構は無いのでシンプルな日の裏側。

 

 

6時位置に⚓のマークが入っていますから海軍をイメージしたモデルでしょうか? 文字盤の色も真黒ではなくネービーブルーかな?

 

ケーシングしました。特徴的な機械抑え。

 

 

おかしな調整をされていましたが、片振りを直して・・意外に姿勢差も少なく素直なデータになります。

 

左が私の私物のカーキ。ムーブメントはETA 2801-2です。製造時期によって入っているムーブメントは変わっていきますね。私の文字盤は黒の艶消しですが、右はやはり青系の色ですね。元々がミリタリーですからシンプルで使いやすい時計ですから日本でも不動の人気があるようですね。

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ROBOT STAR の巻

2018年10月01日 23時38分25秒 | ブログ

先日はⅡaをやりましたが、これはROBOT STAR です。前面のバッチは好き嫌いありそうです。レンズはXenon 40mm f1.9 ですが、このレンズはガラス内に気泡が目立ちますね。性能上、特に支障は無いという見解なのでしょう。前玉周辺が汚れが多いようです。

STARには巻き戻しクランクが付いています。吊環も追加されていますね。凹んでいますけど。

 

ファインダーの切替レバーは、Ⅱaは上部にノブが無いのでそのままトッフカバーを外すことが出来ましたが、STARではねじ込み式のノブとなっているので、ノブを外さないとトップカバーが外れません。ピンセット先がネジ穴。果たしてアングルファインダーに切替えて使うシーンが頻繁にあったのでしょうかね。

フィルムカウンター側は同じですね。

 

 

全て分解洗浄して組み立てます。

 

 

フィルムカウンターリセット用のダイヤルはトップカバーの組立時に手こずるのですが、今回は慣れたせいか簡単にセットすることが出来ました。たぶんまぐれですけど・・

 

シューは接着と併用で取り付けました。左端に巻き戻しクランクが付きます。巨大なゼンマイですが、現状では3枚程度しか連写出来ません。フリクションの増大とゼンマイの劣化のようです。

 

随分コンパクトなユニットですね。これでシャッターと巻上げ機構が詰まっています。シャッターの洗浄注油をして行きます。

 

この個体は低速1/2・1/5が不調でした。スローガバナーは二層の地板の下の層に入っています。ユニット式ではないのでメンテナンスはやりずらいです。相変わらずゼンマイの巻き上げが固いですが、完全巻上で25枚連写することが出来るようになりました。

 このポップなデザインのバッチは違和感があるなぁ。微妙な赤の色が半分ぐらい抜けています。入れ直すのであれば、本来は疑七宝のようなレジンを調色して全部を交換した方が早いのですけど、折角残っている部分は大切にしたい・・

 

ということで夜目遠目。ジィ~っと見ちゃダメですよ。赤と言うよりスカーレットが経時劣化をしたような色ですから調色が難しいです。

 

 

清掃をしたレンズを取り付けます。レリーズを半押しすると前面のシャッター羽根が開いてきます。

 

この革ケースの色がたまりませんね。コンパクトPENと同サイズですが、重さは倍ぐらいあって重いカメラです。

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