今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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二眼レフの小作業の巻

2023年11月04日 12時00分00秒 | ブログ

世の中連休だそうで、私も出かけてみようかと思っていたのですがキャンセルになったので作業をしています。まぁ、細々とした作業ですのでUPすることもないのですが、ローライコードⅤbはファインダーのピント調整をしました。二眼レフは何の作業をするにもシボ革と前カバーを外さなくてはならないのが面倒です。しかし、このモデルのシボ革はビニールなのでアルコールは使えるのでまだ楽です。本革の場合は溶剤は一切使えませんからね。のレンズ固定ネジを緩めて無限調整をします。

次はベビーローライです。カウンター数字が飛び越すとのことで「巻き止め不良」ですが、私はベビーローライの扱いは多くはないのですがこの故障は結構ありますね。ローライフレックスなどとは全く異なる機構ですからこのモデル特有の不具合があるのでしょう。巻き上げダイヤルの機構も凝っていてコロによるワンウェイクラッチですね。
時計方向にはフリーで動くのですが反時計方向にはコロが挟まってロックされます。はゼンマイを折り曲げたようなバネですが、個体によっては完全につぶれてしまい機能していないものがあります。腕時計用のゼンマイを加工すれば代用は作れそうですが・・

内部は1つのユニット設計になっています。小癪にもオートマット装備ですが、フィルムレール部のセンサー(突起)を押されるとギヤが飛び出してカウンターギヤを動かします。

「巻き止め不良」はチャージギヤの左の突起が右のレバーで止まらず回転してしまうのが原因です。これを調整します。

 

調整が終わってフィルムの巻き上げテストを繰り返しました。問題がないので側カバーを取り付けます。例のクラッチ部もコロとバネの位置を間違わないように組みます。

 

シボ革は3枚再接着します。グレーのシボ革はシワや盛り上がりが目立ち易いので、接着面は平滑にしてから貼ります。何度も修理を繰り返すと必然的にシボ革の状態は悪くなっていきますね。アサヒさん辺りで複製品を出してくれると良いのですが・・

各部の点検清掃をして完了です。

 

 

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裏蓋へこみのローライフレックス2.8Fその後の巻

2023年11月01日 11時30分00秒 | ブログ

少し前に裏蓋へこみを修正したローライフレックス2.8Fその後のメンテナンスです。UP予定はなかったので画像がありませんがすでにファインダーの清掃は終えています。事前のチェックで被写界深度スケールが動いておらず絞りダイヤルの回転も重いよなぁという印象でした。

そもそもディファレンシャルギヤの噛合い位置も違っています。(画像は正規の位置に合わせたところ)

 

原因は、ディファレンシャルギヤと連動するのバネが変形拡大して完全なジョイント状態となっていないためです。

 

なぜバネに負荷が掛ったかというと2枚のラックギヤの内側の動きが悪いためでしょう。

 

ラックギヤの動きをスムーズにしてバネを矯正しました。

 

 

その他、低速不調とレンズの曇りがありましたのでメンテナンスをしました。二眼レフの場合、前カバーを閉じる時が一番厄介です。シャッタースピード、絞り、レリーズ、とセルフの連動がすべて合っていなければなりませんが、このモデルの場合、特にセルフの連動位置が合いにくいのでスケールで距離を測ったりしています。

今日は夕食後の残業です。巻き上げレバーの回転が非常に重い傾向にありますので分解してメンテナンスをしていきますが、シボ革が本革で何度も貼り直されているので、接着剤で革が完全に硬化してしまっています。

ラチェットギヤ部のグリス劣化が激しかったのですが画像を撮り忘れました。すでに組み立てをしています。

 

ガビガビの本革シボ革を貼ります。貼った後で軟化剤で磨きます。

 

 

アルミのカウンター窓の腐食が激しいので研磨をしておきます。シボ革の染色部剥がれが目立ちます。

 

カウンター窓の研磨、シボ革の染色と軟化剤の塗布をしたところ。

 

 

最後にフィルムを装填してオートマットなどの巻き上げを確認して終了です。元の状態からかなりきれいになったと思います。

 

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