昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (六) 残酷な思い

2014-12-12 08:55:05 | 小説
電車が動き出すまで、小夜子の言葉は終わりがなかった。 彼にしても、後ろ髪を引かれる思いではあった。 バイトは、一週間の休みを取っての帰省なのだ。 確かに、始めから三日間だけの帰省のつもりではあった。 しかしそれとて、伸ばすことはできる事だった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (六) 「武蔵よぉ、ありがとうよぉ」

2014-12-11 08:47:08 | 小説
「はい、はい。ありがとうねえ、タケくん。後はお母さんがやりますよ」 茂作の上半身に塗り終わった時、母親が後ろから声を掛けてきた。 「武蔵よぉ、ありがとうよぉ」 意外な言葉が、茂作の口から漏れた。 「違いますよ」 と、言いかけた彼の口を遮るように、母親が応えた。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (六) 思わず顔を背けてしまった

2014-12-10 13:10:48 | 小説
あれこれと茂作の世話をやきながらも、小夜子は快活に座を盛り上げた。 彼もまた、大学生活やバイトの事を話した。 彼の話の大半はバイト時におけるエピソードだったが、 「学業に響かないようにしなさい」 と言う言葉には、耳が痛かった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (六) 早苗のファーストキス

2014-12-07 11:19:18 | 小説
早苗は意味ありげに笑うと、彼の傍に寄ってきた。 そして爪先立ちすると、彼の耳元で囁いた。 「ファーストキス、しちゃった」 顔を赤らめながらの早苗の言葉に、彼は意味がつかめずに 「ファーストキスだ?」 と、小声で聞き返した。 . . . 本文を読む

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