11日(火)。あれから満3年が経ちました。月日の流れは速いものです 3年前の3月11日午後、勤務先の8階の事務所で仕事をしていました。急に大きな揺れを感じ、皆で会議室に移動し机の下にもぐりました。人生で初めての大きな揺れでした もうダメかと思いました テレビで見た津波が陸地を這う恐ろしさは目に焼き付いて離れません。
後に「東日本大震災」と名付けられた大地震で犠牲になられた人たちのために黙とうを捧げます。
昨日の朝日朝刊「天声人語」は、1月から3月までの月日の流れの速さについて書いています。「1月住(い)ぬる、2月逃げる、3月去る」。あと20日もすれば4月=新年度です。天気予報によると、今年の桜の開花は若干遅くなりそうです。むしろ入学式には良いかもしれませんね
閑話休題
昨日、休暇をとって確定申告に行って来ました。豊島区在住なので池袋の豊島税務署に行ったのですが、かなり混んでいました 現住所など基本情報を記入して列に並んでいると、聞き覚えのある声が聞こえてきたので、振り返ると、元の職場の先輩Tさんでした Tさんは仕事上の関係はありませんでしたが、労働組合で彼が執行委員長、私が書記長という立場で1年間の付き合いがありました。労使交渉の駆け引きや組合ニュースの書き方など、いろいろと教えていただいた先輩です
「e-taxで書類を作って持ってきたんだけど、これじゃダメだと言われて、作り直して出直してきたんだよ」と嘆かれていました 税務署は盛んにe-taxを勧めますが、結局自分たちの労力を省こうという意図がミエミエです。ちっとも、いいタックスじゃない。初期投資も必要ですし
申告の結果、6万円以上も納めなければならないことが判明しました これを免除してくれたらe-taxやってもいいけど、そうは問屋が卸さないよね、税務署は問屋じゃないけど
も一度、閑話休題
午後、時間があったので、久しぶりに渋谷のタワーレコードに行きました。というのは、数週間前の新聞記事でアルド・チッコリー二の「ワルツ集」のCDが紹介されていて、是非買いたいと思っていたからです 推薦文に「朝聴いてよし、夜も無論よし、どんな気分でいても、繰り返し聴きたくなるようなアルバムだ」と書かれていました チッコリー二は数年前、すみだトりフォニーホールで新日本フィルとシューマンのピアノ協奏曲を演奏したのを聴きましたが、その当時すでに80歳をはるかに超えていたにもかかわらず、完ぺきなテクニックと抒情性で見事に弾き切りました その演奏が忘れられないので、87歳で録音した「13人の作曲家による13のワルツ」を是非聴きたいと思ったのです
久しぶりの渋谷の街は、相変わらずジャリ(あなたのことではありません)とモデルのようなギャル(あなたのことです)で溢れていました 渋谷に行くのは①タワーレコードに行く②NHKホールに行く③クラシック喫茶”ライオン”に行く、の3つ意外に目的がありません
タワーレコードのクラシック売り場は、すっかりレイアウトが変わり、戸惑うばかりでした どこに何があるのか、さっぱり分かりません。背丈の高いCDラックが山脈のように並んでいるので、見通しの悪いことこの上ない状況です しばらくぶらぶらして目的のCDを探し歩きましたが見つからず、とうとうギブアップしてお店の人に尋ねました。検索の結果「在庫ゼロ」とのことでした 「ない」と言われるとどうしても欲しくなるものです。新宿のタワーレコードに行くことにしました
新宿のタワーレコードは相変わらずのレイアウトだったのでホッとしました。しかし、目的のCDは「現在、取り寄せの希望があり、1枚入荷するが、欲しい場合は新たに取り寄せることになる」とのことでした それほどまでに欲しいCDではないので「結構です」と答えて、帰ってきました。早い話が、新聞に記事が載った時点で、欲しい人は買いに走ったと見るべきでしょう。いい勉強になりました。今度、欲しいCDが紹介されたら走ることにします
3度目の、閑話休題
昨日の朝日朝刊「ニュースの扉」欄に「モーツアルトで考えるローリング・ストーンズ」という記事が載りました。記事を超訳すると
「2月26日、5万人が埋めた東京ドームで、ザ・ローリング・ストーンズが8年ぶりの来日公演を開いた。初期の名作から新作まで、アンコールを含む20曲を一気に聴く 熱狂のさなか、ふとモーツアルトを思い起こした。あらゆるジャンルに名曲を残した作曲家だが、交響曲の歴史を変えるといった、いわゆる歴史的に『新しいこと』は何ひとつしていないのである 36年の生涯を、貴族たちの趣味に寄り添い、美しい音楽をつづることに捧げた。ただ、それだけだ。演出に頼らず、音を間違えても気にかけず、カラフルな楽曲と無邪気に戯れ続ける70歳のメンバーたち。そんな彼らのあり方って、もしかしてモーツアルトに近いのでは」
このとんでもない説を唱えているのはいったい誰だ?と、文末を見ると「文・吉田純子」とありました。今や朝日新聞文化部を背負う看板記者です が、どうもローリング・ストーンズをモーツアルトに重ねるのは相当無理があるような気がします。たしかに、モーツアルトはハイドンのように交響曲の基礎を築いたり、ベートーヴェンのようにあらゆるジャンルで革新的な音楽手法を開拓したりはしていない。基本的には貴族からの注文によって楽曲を作ったに過ぎない。しかし、その当時の最先端を行っていたことは確かだろう、と思います。しかも、それが220年以上も経った現在でも世界中で演奏され続けている
よく、「ビートルズは古典になった」という言葉を耳にします。しかし「ローリング・ストーンズは古典になった」という言葉はあまり聞いたことがありません それは、ビートルズの曲がオリジナルの楽器以外に、いろいろとアレンジされながら歌い継がれていくのに対し、ローリング・ストーンズの曲はあまりそのようなことがない、ということに裏付けられているような気がします。吉田記者の考えが的を射たものかどうかは、今から200年後にローリング・ストーンズの音楽が生き残っているかどうかにかかっていると思います。その時はとっくに生きてないけどね
今度こそ最後の、閑話休題
先日、早稲田松竹で相米慎二監督映画「魚影の群れ」と「あ、春」の2本立てを観ました 先日「魚影の群れ」について書いたので、今日は1998年制作の「あ、春」について書きます
韮崎絃は30代半ばの証券マン。一流大学を出て証券会社に入社し、逆タマで結婚した妻の実家で妻とその母、息子と3人でそれなりに平穏に暮らしていた ある日、会社からの帰り道、絃は見ず知らずの浮浪者風の男に呼び止められ、いきなり「おれはお前の父親だ」と言われる。ウソか本当か分からず、そのまま家に連れて帰るが、いつしか家に居ついてしまう どこにでもあるような日常の波風をユーモラスに語りかけています。ラストシーンが何とも微笑ましくも感動的です
帰って来た父親役の山崎努が実にいい味を出しています 絃役の佐藤浩市は「魚影の群れ」のときから15年が経ち、すっかり役者としての貫録が出てきています 斎藤由貴が、良家のお嬢さんとして絃と結婚した楽天的な妻を見事に演じています
意外なことに、この映画ではクラシック音楽が使われています。病院の屋上で父親と仲間が大騒ぎをするシーンで、ベートーヴェンのような頭をした男が、第9の「喜びの歌」をバリトンで歌いながら仲間に入ってきます。その1シーンだけです
映画のポスターにある謳い文句「人生には、もれなく迷惑がついてくる。」が何とも粋でユーモラスです
今日から日曜日まで6日間連続コンサートに突入します。上野、初台、池袋、錦糸町辺りに出没します 体力勝負です。翌日朝にはコンサートの模様をアップします